甦りし「灼熱の魂」 | 映画ブログ 市川裕隆の燃えよ ヒロゴン


ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は、ずーっと好きな監督。
「灼熱の魂」を観た時の衝撃!
そこから追い掛けているが、特に好きなのは誘拐を描いた「プリズナーズ」。


今やもう映画界を背負って立つ存在になった。
「ブレードランナー」の続編を手掛け、「砂の惑星」をリメイクしてしまった。
そんな大それたことを成し遂げ、しかも大成功させるなんて、他に誰が出来る?


ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の出世作「灼熱の魂」が、デジタルリマスターで甦った。
観たのは約11年前。
当時アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた作品に良質の物が多かったんだね。


前年は「瞳の奥の秘密」が受賞し、「白いリボン」や「預言者」が並ぶ。
翌年にはアスガー・ファルハディの「別離」が受賞だ。
11年振りに観ても、その衝撃たるや、ずどんと重い物がのしかかってきて、鑑賞後もしばらく動けなかった。


母が双子の姉弟に2通の手紙を残して、亡くなる。
手紙は彼らの 父親と、知らされていなかった兄に当ててのものだ。
姉弟が辿るのは、母親の数奇な運命。


これでもかこれでもかと襲い来る、救いようのない真実。
相当堪える内容だけど、現実に世界で戦争や紛争がこれだけ起こっているということは、世界のどこかでこんな悲劇が繰り返されてるってことだ。
悲しいけど。


元はカナダの劇作家の戯曲だというが、よくぞこれを映画化してくれた。
ドゥニ・ヴィルヌーヴを称えたいし、その後の活躍はこの1本を観れば納得だろう。
ああ、それにしても凄い映画だな。
ドゥニ・ヴィルヌーヴの出世作としても記憶に留めておきたい作品だ。
10年後にもう一度観たい。
傑作!