
「午前十時の映画祭」の「座頭市物語」。
座頭市シリーズは映画もドラマも何作か観てるけど、この第1作である「座頭市物語」は初、しかも映画館で「座頭市」を観るのも初。
俳優の養成所時代には、三船敏郎さんにも勝新太郎さんにもそんなに魅かれなかった。
本格的に殺陣をやったのは40歳くらい、その頃かな、三船敏郎さんにゾッコンになり、勝新太郎さんにものめり込んでいった。
三船さんの殺陣の魅力は力任せで前に出る迫力、野生動物のような怖さ力強さ。
勝さんはああ見えてもっと繊細で、足捌きの美しさ、体の使い方の上手さだね、鮮やかなんだ。
二人の殺陣の能力は全くタイプが違うけど、どちらも非常に魅力的なんだね。
さてさて、「座頭市物語」の話。
この映画では勝新太郎さんももちろん良いんだけど、敵役を演じた天地茂さんが素晴らしいんだ。
病に冒され、でも刀の腕は本物、座頭市と心を通わせ、けれども最後は戦わなければならない。
対決シーンは二人の演技も殺陣も最高で、黒澤明監督の「椿三十郎」を思い出させる名シーンだと思った。
勝新太郎さんと天地茂さんは俳優としてタイプも違うから、二人並んでる画がまた良いんだね。
これは勝さんのもうひとつの代表作である「悪名」の田宮次郎さんとのコントラストにも同じことが言える。
天地さんは濃い二枚目だけどどこか幸薄そうで、死と隣り合わせ、豪放磊落で盲目の座頭市と対照的で面白い。
天地さんのイメージは自分なんかはどうしても二時間ドラマの明智小五郎役の印象が強く、あれはあれで良かったんだけど、今回その演技、佇まいに心を鷲掴みにされた。
日本には偉大な俳優がたーくさんいるんだな。
その背中を自分はずっと追い掛けていた。



