チベットの赤い風船 | 映画ブログ 市川裕隆の燃えよ ヒロゴン


チベットの大自然が目の前に広がる。
羊の群れ。
遊ぶ子供達の無邪気な姿。 
中国映画「羊飼いと風船」。


映画を観ていると、チベットの背景が浮き彫りになる。
中国の一人っ子政策の影響で、次の4人目の子には罰金が課せられる。
貧しい一家には負担が大きい。


そして、チベットでは当たり前に輪廻転生が信じられており、人は生まれ変わると言われている。
祖父が亡くなると、父親は高僧に聞きに行く。
いつ、どこに転生するのか?と。


父親は祖父の生まれ変わりである4人目の子を生んでほしいと願う。
母親は生活のために生みたくないと言う。
二人の思いは揺れ動く。


美しい草原と、鮮やかに浮かぶ赤い風船。
時代の波に翻弄される家族。
故郷ではないのに故郷を思い出させ、優しく懐かしい映画。
東京フィルメックス最優秀作品賞受賞作。