デヴィッド・リンチにハマる | 映画ブログ 市川裕隆の燃えよ ヒロゴン


「エレファントマン」公開当時、父は映画を観終わった直後、「変な映画だな」と漏らしたと言う。
母は帰宅して、その言葉にがっかりしたとぼやいた。
アカデミー賞作品賞受賞作だ、感動してほしかったのだろう。
しかし、その後「変な映画」を連打するデヴィッド・リンチの初期の傑作は感動作でもあったが、紛れもなく変な映画でもあったはずだ。


「マルホランドドライブ」と「ロスト・ハイウェイ」の二本立て、早稲田松竹のデヴィッド・リンチ特集上映には長い列があった。
立ち見も出る程の熱狂振り、いかにリンチが愛されているかが分かる。
何せ「インランド・エンパイア」から12年、リンチの新作映画が撮られていないのである。


カルト映画の帝王として君臨した彼の代表作は「エレファントマン」や「ブルー・ベルベット」「イレイザーヘッド」等。
寡作の人である。


変な映画でも「ワイルド・アット・ハート」では、カンヌのパルムドールを、「マルホランドドライブ」ではカンヌの監督賞を受賞している。
「ストレイト・ストーリー」では老人主演のロードムービーを撮り、世間の人々を驚かせ、感動させた。


難解な作品も多いが、映画監督というよりアーティスト。
我々凡人が考えもしない、異次元の世界に連れて行ってくれる。