
ケヴィン・スペイシーのセクハラ騒動での交代劇が話題となった「ゲティ家の身代金」。
ほとんどを撮り終えた後だったが、たった9日間の撮影で代役を成功させたのが、名優クリストファー・プラマー。
クリストファー・プラマーはこの作品で助演男優賞にノミネートまでされている。

彼が演じた役は大富豪。
孫が誘拐され、その母親は巨額の財産を持つ義父に身代金支払いをお願いするが、彼は全く払おうとしない。
その母親と義父の対決もこの映画の見所だ。

この映画の苦難を救ったのはクリストファー・プラマーの演技もあるが、やはりリドリー・スコットの功績は大きい。
「エイリアン」や「ブレード・ランナー」の巨匠が、交代劇があったとはとても思えない完成度の高さで映画を仕上げてしまった。

主演はアカデミー賞の常連、ミシェル・ウィリアムズ。
犯人役で意外なキャスティングだったのは、フランスのスター、ロマン・デュリス。
誘拐した人質に対して情を垣間見せる、犯人グループの一人。
実に美味しい役だ。

82歳の衰えぬリドリー・スコット監督。
世界の演技派が揃ったキャスティング。
ケヴィン・スペイシーからクリストファー・プラマーへのドラマティックな交代劇。
衝撃シーンも満載、色々な意味で楽しめるサスペンス映画だ。
