アベル&ゴードン | 映画ブログ 市川裕隆の燃えよ ヒロゴン


この写真を見るだけで、個性的な映像派であることが分かる。



ベルギーやパリで活躍する道化師カップル、ドミニク・アベルとフィオナ・ゴードン。
製作、監督、脚本、主演、全て自分達でこなす。



「ロスト・イン・パリ」が初めてのアベル&ゴードン体験。
フランスの伝説的映画人、ジャック・タチの後継者と言われているとか。
自分は役者の前はパントマイマーだったのでね、こういう世界は結構好き。



サイレントの天才達チャップリンやキートン、タチとも比較されるらしいが、アベルとゴードンにはまた彼らのオリジナリティーがある。
これまでの作品も観たくなった。
というより、観なかったのが勉強不足。



やり過ぎなくらい自分達の世界を追求してると思う。
アベル&ゴードンにしか出来ない笑い、作れない映画。
登場人物は皆、自由を謳歌し、人生を楽しんでいる。
例え、どこかはみ出していたとしても。



笑わせ、ほろりとさせる叔母役に、「二十四時間の情事」や「愛、アムール」のエマニュエル・リヴァ。
日本人に馴染みの深い女優である。
彼女のボケっぷりが本当にかわいい。



残念ながら今年頭に亡くなった。
先日亡くなったジャンヌ・モロー同様生涯現役で、特に85歳での「愛、アムール」でのアカデミー賞女優賞ノミネートが記憶に新しい。



テントとベッド、別々の場所で相手を思い出すスプリット・スクリーン(2分割)が面白い。
他にも道化師ならではの仕掛けが効果的だ。
創作意欲を掻き立てられた。