以前にも増して、経験というのはとてつもない武器になると感じることがある。
稽古場にいると、若い人の勢いとベテラン勢の技術が切磋琢磨する。
例えば、登場した瞬間にしっかり自分の役で立ってるのは、ベテランが多い。
その役で立とうとする工夫が見えるのだ。
パックは短いながらも、全体で4シーン登場する。
最初のシーンは既に何度か稽古を返し、ラストは苦戦したとブログにも書いた。
昨日は2シーン目をやり、残すは3シーン目のクライマックスだ。
2シーン目はシェークスピアの台詞を使う。
そこも遊べるシーンだ。
演出の指示通り、いろんなパターンを試した。
これも若い時は出来なかったことだ。
ラストがまだ自分の中では消化不良なのだが、田窪さんがそのシーンを演じると実にリラックスしている。
余計な力が全く入ってないのだ。
俺なんて全然余裕がなく、顔が次第にひきつってくる。
田窪さんは、それをも楽しめるといいと言う。
田窪さんは長年のドラマや舞台の経験で、そんな緊張を克服したのだろう。
今の自分がラストを演じたら、劇小劇場の観客という大海に飲み込まれてしまうだろう。
まだまだ人が怖いのだ。
本番のラストで、俺がその大海を楽しんで泳いでいるかどうかは、観ている皆さんに判断を委ねたい。
Android携帯からの投稿