現場の現実 | 映画ブログ 市川裕隆の燃えよ ヒロゴン
現場に立つと、立てる喜びが半分、どうしようもない悔しさが半分。
これはもう自分が売れない限り、永遠につきまとう問題だろう。

周りの人達は割り切っている。
頑張っても一緒だと言う。
待ち時間はみんなでゲームをしてる。
松田聖子さんが撮影中、自分達の待ち時間は十時間位あった。
自分は、座キューピーマジックの台本を読み、台詞の練習をしていた。
これこそが自分の思いをぶつける手段であった。

山本耕史さんの乗る輿を担ぎ、走る。
一人に矢が刺さり、輿を落とす。
そして山本耕史さんの見せ場だ。
俺達は恐怖でオロオロする。
しかし、山本さんが見ているモニターを覗くと、自分達の姿はない。
あの足は俺だろうか?というレベルである。
恐らく、それが放送で使われるのだろう。
どいてくれ、と言われるのが一番辛い。
まあ、そう言われたんだけどね。

腐りもせず、怒りもせず、流されもせず、諦めもせず、自分の仕事を貫くのは難しい。
明日は立ち回りのシーン。
やっぱり同じだろう。
今、事務所にプロフィールを出してるが、返事はない。
何とか次の切り口を見つけたい。
殺陣は1つの武器にはなったが、役者の仕事と結びつくものでもない。
殺陣は殺陣だ。
それでも俺はまた明日、夜中まで自分の気持ちを失わずに仕事をしたいと思う。
俺は役者だ。



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