最近、麻生圭子さんが人工内耳装用者であることを知りました。
麻生圭子さんといえば、一昔前に、よくテレビでお見かけしました。きれいで、知的な雰囲気を持つ作詞家の方でした。
若い時から、徐々に聴力が低下していったそうです。
人前に出る職業なので、だんだん仕事の幅が狭まり、辛い思いをされたと思います。
66歳で決心して人工内耳の手術を受けられたそうです。
そして聞こえを取り戻した麻生さんにご主人がこう言ったそうです。
「やっとひとり暮らしが終わった。」
2人暮らしなのに、相手は耳が聞こえず、気楽に話ができない。
ご主人も辛く、しんどい思いをされていたのでしょう。
麻生さんがこの言葉をどのように感じたかは、わかりません。
でも、当事者の私は、このご主人の言葉を、すんなりと受け入れることができませんでした。
自分の話になりますが、私は結婚してから聴力が急激に落ち、夫との関係は悪化する一方でした。
気が付けば、夫からかけられる言葉は
「今日のごはん何?」「お金ちょうだい」
だけになっていました。
そして、人工内耳で聞こえを取り戻すと、夫は人が変わったように、私と関わろうとしてきました。
ま、、人間そんなものでしょう。
そして夫は言いました。
「今まで俺はかわいそうだった!」
私は思いましたね。
それ、私に言うかな?
たしかに、私が聞こえないことで、家族に不便で面白くない思いをさせてきたことは確かです。
ただ、聞こえを失った当事者が、毎日毎日どんな思いで生きて来たか、、想像することはできないのでしょうか?
自分の気持をわかってほしい、なんて、お互いぶつけ合っても、何も生まないことは、長い結婚生活でよくわかっている私です。
自分の気持は納めて、けれど返事はせず、その場を流したのでありました。