私達のバンドは、とある地方の大学の学生がメンバーで、実はみんな高校も同じなのだ。しかし、私だけは高校時代彼らとの付き合いはなかった。他のメンバーはフェンシング部だが、私は柔道部の猛者で、たぶん「こわそうな奴」と見られていたのだろう。

大学に入ったばかりの頃、ギター、ベース、ドラムでビートルズなんかをコピーしていたのだが、ディープパープルをやりたいということで、たまたまピアノが弾ける私に声をかけてきたのだ。彼らにしてみれば私がどの程度協力してくれるか心配だったろう。それが、30年以上のつきあいになるのだからわからんものである。

考えてみればフェンシングも格闘技である。1対1で戦う個人技であるところは柔道と共通している。そのせいか、このバンドのメンバーはみなやや「自己中」の傾向があり、勝手にバンバン音を上げて楽器を鳴らす癖があった。となりがうるさいと自分の音がよく聞こえないので、アンプのポリュームを上げると、今度は別な奴が自分のポリュームをあげるという具合に、どんどん音が大きくなっていくのだ。バンドをやっていた頃は、その地方都市で一番うるさいバンドとして知られてしまったくらいだ。

貸しスタジオなどあまりなかった時代なので、町内会の集会所などで練習していたが近隣住民から警察に苦情が来たりしたこともあった。また、ひとりのメンバーの家で練習した時などは、となりのおじいちゃんから「うるさくてノイローゼになってしまう!」と猛抗議をうけたこともあった。そのおじいさんの耳は遠かったというのに。。そのくらいやかましいバンドだったのだ。おかげで、メンバーは現在みんなやや難聴ぎみである。バンドの後遺症だ。

今回ひさしぶりに練習したが、とにかくうるさい。忘れていた悪夢がよみがえるようだ。

さて、ひさしぶりに楽器をならした後でためしに一曲やってみた。スモークオンザウォーターだ。
あの有名なリフレの繰り返し。。ボーカルなしで、やかましいが、とりあえずなんとか通すことができた。そして、いよいよハイウェイスター。うう。速い、ついていけない。。(また続く)
さて、渋谷のスタジオ。場所は昔Tレコードがあったビルの地下で確かジャズの生演奏を聞かせるパプBだったところ。こんなところに行ったのは本当に何十年ぶりだろうか。少し気恥ずかしい。

ところがところが、ステジオが空くまで待っている人たちが結構高年齢なのには驚いた。私達と同年代らしき人が楽しそうに談笑しているのだ。オヤジバンドブームというのは本当なんだなと実感した次第。。
それと、昔の貸スタジオに比べて大変きれいでファッショナブルなのだ。六本木の高級カラオケ屋さんみたいだ。

いよいよ、時間となり厚い扉を開いてスタジオに入る。昔と違い(こればかりだな。。)ピカピカのアンプ、ミキサー、そして最新のキーボードが鎮座されている。余談だが、私が学生バンドをやっていた頃はキーボードというとオルガンだった。シンセサイザーとかメロトロンとかいうものは出始めていたが、まだ単音しか出ないもので和音はNGだったので一部効果音として使う程度だった。でも、これすらとても高価で手が出なかった。実は、オルガンも一番安いものでも10万円以上してたので、私は最初は足踏みオルガンをプカプカ弾いて出た音をマイクで録りアンプにつなぐという離れ業(?)をしていた。今は数千円のオモチャのキーボードでも性能は上だろう。

とにかく今のキーボード(スタジオのはコルグでした)はすごい!というか楽だ。いろいろな音質が最初からセットされていて、ややこしいことを言わなければ大体適当な音があるので苦労しなくていい。さらに驚いたのは、ディープパープル風の音もちゃんと用意されているのだ。あのジョンロードの音が簡単にコピーできる。。いかにディープパープルはポピュラーで練習曲として人気があるかということを示しているわけだが。。

そして、それぞれのメンバーが自分の楽器を鳴らし始めた。う。うるさい。。鼓膜破けそう。

(続く。。M様すいません、時間切れになりました。)
このあいだの土曜日に学生時代バンドを組んでいたメンバーが渋谷に集まり、ひさしぶりにバンドの練習をした。たぶん30年ぶりくらいだったろう。キーボードの私は神奈川県、リードギターは東京、ベースはヨーロッパ、ドラムは宮城県でみんな居住先が異なる。いろいろな社会生活でそれなりに忙しい中、一箇所に集まれただけでもレアなことだ。齢50年を重ねた機会にまた演奏したくなったのかもしれない。そして、今度のチャンスを流してしまうと、もう今生ではみんなで演奏できないかもしれないな。という危機感が少しだけみんなにあったのかもしれない。

練習した曲は、ディープパープルの名曲、「スモーク オン ザ ウォーター」、「ハイウェイ スター」、「バーン」の3曲。昔さんざんやった曲だ。ディープパープルは、あまりにもホピュラーで比較的わかりやすいので、高校生バンドの練習曲みたいになったりしたため、一時期離れていたが、今回はあえて昔一番演奏しただろうこの3曲を選んだ。家で練習するため久しぶりにマシーンヘッドなど昔のアルバムのCDを聴いたが、なかなかいい曲だなと再認識した。今の曲は、やたらとうるさく感じてしまう。

さて、これも久しぶりに自分のパート(キーボード)を子供の電子ピアノで弾いてみたが、うーん。指が動かない。4連符の連続が。。指がもつれる。。。しばらくは、指のトレーニングに時間を費やしてしまった。でも、だんだん弾けるようになった、というよりごまかせるようになったというのが正しいかもしれない。深夜キーボードを前にしてヘッドホンをつけてカチャカチャやっているおじさんの姿はちょっと不気味かも。。

さて、練習当日、地方から来るやつもわかるように、待ちあわせ場所は、ハチ公前。。いざ!スタジオへ。。。(続く)
人間齢を重ねていくと昔を懐古する性質があるらしい。このところ私の周辺では、学生時代や社会人新人時代の仲間が集まり飲んだくれる会合が頻繁に開催されている。

先日は、大学に入学したての頃同じクラスだった旧友達と新宿で飲んだ。皆いい親父になってしまい自分を含めて顔を見ただけでは誰かわからない。はじめのうちは手探りの会話が続くが、アルコールがだいぶ入ってくると、まったく昔のようなうちとけた関係となり。昔のおもしろいエピソードなどを披露し合い酒席は爆笑の渦に埋没していく。

このメンバーは、学校にあまり行かずといって本当の不良もやらず、ただただダラダラしていた連中である。大学の講義は代返ですまし、喫茶店や雀荘、パチンコ屋などに入り浸り、夜は安い酒場でぐずぐずしていたものだ。まあ、ダメ学生の見本のようだった。

ところが、いざ試験となると、みんなの火事場のバカ力で、なんとか落第をきりぬけるという不思議な団結力を発揮した。

ノートの写し合いや過去問情報の収集などはお手の物だが、今だから白状すると、カンニングもしていた。いろいろな手口があるが、仲間で視力2.0という目の見えるやつが遠い机にいる秀才の答案を覗き込み、周辺に用紙を回してみんなで写したり、分担でカンニング用紙を作ったり、ひどいときは、カンニングしやすいポジションを確保するために教室に机の列を新たに作ったりした。後に当時の辞書を開いたら、カンニングペーパーがたくさん落ちてきたのには驚いた。小型の紙にびっしりと書き込まれて、項目別に索引までつくられているというとても凝ったもので、その技に感心してしまった。この情熱で勉強したらカンニングする必要もなかったろうにとも思った。とにかく、全体で20%も落第する学生がいる結構厳しい学校だったが、私達のグループでは一人も落第しなかったのだ。

ところで、彼らは結構大きい有名な会社に勤めているが、聞いてみると事業部長や役員をやったりと、なかなか活躍しているようなのだ。まったく信じられない。社会で独り立ちできるか心配されていたやつらなのだ。今の話を聞いてみると、世界中をまたにかけて仕事しているようだが、話題はもっぱら、どこそこのゴルフ場の話とか、食い物の話、そして、もちろん女性の話などで、話だけ聞くと遊んでいるついでに、働いているみたいだ。でも、いい仕事をしてビジネスで成果を出していることは間違いないらしい。だからこそ堂々と遊んでいるのだ。そういえば、たまに仕事の話でキラリと光る事も言う。とにかく逞しい。

要するに、舞台は変わったが、やっていることは昔と変わらず、火事場のパカ力で試験のかわりに仕事をきりぬけているということだ。そして、勉強ばかりしてきたひ弱なやつに比べたら、こんなやつらほど敵にまわしたらなかなか手強い。塾に行って良い大学、大きい会社に入ったらOKではないのだ。
事業仕分けの結果に大学、研究者が反発して民主党政権もすこし再考しているとのニュースを見聞きする。確かになくせない部分もあるだろうが、少し研究者の実態を知っていて、大学はモラトリアルと甘えが横行する一方研究レベルは低下しているという人もいる。。ちょっとがっかりします。

大学はえぬきの人は世間知らずの純粋培養、企業から大学に移った人は企業では腰掛で研究のための研究をしてきた人が多いというのだ。大学の役割は難しく一概にどうあるべきかということは言えないし、雑草をなくすことがいいことではないかもしれない。誰にも理解されないけど、すごいものもあると思うし、そんなものは大切にしたい気がする。

しかし、多くの税金が投入されることの意味と自覚は持っていただきたい。いろいろな意味で、人類、地球?、宇宙?のために貢献していただきたい。働くのがいやで研究の道に入っている人がいるなどということを聞かされると怒る人も多いと思う。もしかすると、大学、公的研究機関の仕分けも必要かもしれない。