サガフロルーアセ小説の感動を語りたい | じょぬログ

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ニコニコ動画のフルボイスルッカトリガーの作者のブログ。あとがきや近況など。

 ルッカトリガーの中の人なのに、最近すっかりサガフロンティアの人になっている私ですが、ついに同人イベントに赴き、ルーアセの小説本をまとめ買いするほどになっております。他にもいろいろ素敵な本を手に入れまして、もはやいくら使ったかわからないとTwiterでつぶやいたら、おーたさんに「じょぬさんが進化した」と言われました。笑。日々進化し、そして本当に素晴らしいルーアセの物語に感動してとってもハッピーな日々を送っているじょぬでございます。そしてなんといっても、ルーアセにハマったきっかけはもちろんおーたさんのフルボイスサガフロンティア・アセルス編なので、もはや感謝しかありません。アセルス編というより、ブルー編のときからルーアセありきだったわけなので(詳しくはおーたさんのフルボイス動画を見よう!)、じょぬのサガフロンティアに対する理解というのは初めからルーアセが前提になっています。そんな業の深い私が、そのまとめ買いしたルーアセ小説を大絶賛するためにこの記事を書いています。アセルスの恋人はルージュだよね!と鼻息荒く語っても許していただける方は、よかったらこの先をお読みください。

 

著者紹介:夏海さん

 

 お前は何の話をしているんだ、という話から。
 夏海さんという方が書かれた同人誌の話をしています。小説本です。サガフロンティアの他にもいろいろな二次創作をされている方です。サガフロンティアではルージュとアセルスの物語がほとんど。(先日のイベントではすべて!ルーアセでした)。本の形にすると文庫本で厚みが2cmほどもある作品もあり、圧倒的な質量ながらその確かな文章力でぐいぐい読ませてしまうのです。小説が苦手な人にもぜひおすすめしたい、情景がすんなり頭に浮かぶ、テンポのよい文章で書かれています。こんなに素敵な文章を書く人がルーアセを書いてくれてもうとにかく感謝のひとことです。
 通販もあるそうですからぜひ。
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剣と魔法の旅が終わったら、そこには生活がある

 

 作品のひとつに、アセルス編の人間エンド後の物語があります(Sweet Home)。オルロワージュを倒して、双子の兄弟を殺さなくてはいけない使命を打ち明けるルージュ。笑顔で見送ろうとがんばるアセルス。その間のふたりの葛藤、悩む様子の描写も素晴らしいのですが、もっとすごいのはその後。なんやかんやありまして、ルージュが帰ってくるけど、彼の悩みの深いこと深いこと。読んでいると心が抉られるような失意のルージュを救うのが、シュライクでのアセルスとのふたり暮らしなのです。このあたりの描写がね、ルーアセ好きなおばさんの心にすごくしっくり来たというか、私はこういう物語を読みたかったんだなと腑に落ちる感じがしたというか、とにかく素晴らしいんです。
 表紙を見るとわかる通り、この本は人間エンドでハッピーエンドなのですが、ルージュとアセルスがハッピーエンドになるためには乗り越えなくてはいけない課題が山のようにあるわけです。ルージュが帰ってきたけどマジックキングダムとの確執はどうなる、とかアセルスはおばさんの家には帰れないけどいいのか、とか、いろいろ。そんなたくさんの課題をひとつずつ解決していくふたりの姿が健気で愛おしくて応援したくなる。ふたりで生活の基盤を作っていこうとする様子がとても丁寧に描かれていて素敵なのです。
 特に私が好きなのは、ルージュが料理したりアセルスと買い物に行ったりするシーン。マジックキングダムの服しか着たことがなくて、何を着たらいいかわからないルージュ。かわいい。で、どんな組み合わせでも大丈夫なように服を買ってあげるアセルス。かわいい。お店に売られている品物の種類が豊富で感動してしまうルージュ。うーんかわいい。夏海さんの描くルージュとアセルスは本当にかわいくて、可愛いという言葉しか出てこない。自分の語彙の少なさを恨みます。特に萌えた表現をちょっとだけ引用しましょう。

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だって、ただの四角いパンだって何種類もあるんだ。びっくりした。僕はクロワッサンを買った。(p.124)
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お米と水を入れておくだけで炊いてくれる機械はすごいし、味噌汁というスープもおいしい。(p.132)
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 「味噌汁というスープ」で私の心は撃ち抜かれました。そうか、アセルスとルージュの結婚は国際結婚なのね!!世間知らずのルージュから見たシュライクでの生活の表現が本当に見事で、なんというかもう…Love…(語彙の少ないじょぬ)。あんまり引用が多すぎるとよくないかもしれないので引用せずにもう一個だけ紹介すると、いろいろあってルージュが生まれてはじめてプールにやってくるのですが、その場面の表現もすごい。プールを一度も見たことがない人にはこう見えるのかなるほど、みたいな、絶妙な表現でまさに脱帽です。脱帽しすぎてハゲる。
 剣と魔法の旅が終わって、ふたりで生きていくためにどうするかというと、生活をいちから組み立てていくわけですよね。アセルスは学校に通い、ルージュは仕事を探します。生きるってそういうことだよね、と私は思ったわけです。アセルスとルージュがふたりで生きている。なんとも幸せではありませんか。

 

 

白薔薇がすごい

 

 白薔薇の設定もすごいんです。上品な微笑みを絶やさないけど、なかなかの策士です。そして誰よりもルーアセを応援してくれる。闇の迷宮に残ると決意したときの心境はとてもとても切ないです(Sweet Home)。そして何より、白薔薇が人間だったとき、どこで何をしていた人だったのか、という設定が…すごい。そう来たかあああ!と目から鱗が落ちた気分でした。とても重要な要素だと思うのでネタバレは避けますが、うーんとにかくすごい。半妖エンドの作品(La Roue de Fortune)のルージュ視点のほうで白薔薇が自分の正体を明かすシーンが…なんというか妖艶な美しさがありました。衝撃でした。それと同時に、アセルス編の二次創作をする上で白薔薇の過去という要素の無限の可能性を感じました。いろいろな人の様々な解釈が見てみたい(おーたさんのアセルス編フルボイスでも白薔薇の過去は大きな軸のひとつでしたね)。夏海さんの設定は、その白薔薇の過去によって、それまでの白薔薇の行動の理由がすべて説明がつく感じというか、もう見事としかいいようがないです。
 あと、ほんとルーアセを応援してくれる姿がかわいいです。ちょっとだけ引用します。

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「ルージュ様がいつまでもはっきりなさらないから、私たちがちょっとけしかけました!」
(略)怖いよ、白薔薇さん。(La Roue de Fortune/ルージュ編 p.21)
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 白薔薇さん怖いよ~。笑顔で上品だけど有無を言わさない感じが怖いよ~!!

 

 

魅力的な仲間たち

 

 夏海さんの作品で一緒に旅をするのは、ゲンさん、エミリア、リュートです。もうみんな素敵すぎてLoveです。アセルスはゲンさんに剣を習ったり、エミリアや白薔薇とデザートを楽しんだり、キャンプのときはリュートのリュートを聴いて楽しんだり、なんとも素敵なパーティーなのです。そしてみんなルーアセを応援してくれていて、そして本人たちより状況を正確に把握していて大人。アセルスとルージュの双方から恋愛相談を受けるエミリアとか、のほほんとしているくせにあの細い目でよくふたりを見ているリュートとか、ルージュ再起のきっかけになる名言を放つゲンさんとか、ああ…素敵。

 

 

ブルーとルージュの地獄脱出と分離

 

 ルーアセでハッピーエンドにするために欠かせない要素として、ブルーとルージュが地獄から帰ってきて、分離しなくてはいけないという点があると思います。夏海さんの作品には3つのシリーズがあって、シリーズによって地獄から帰る方法や帰ってくるまでの期間が違います。この表現が適切かわかりませんが、世界線が違うという感じ。そのどれもが、とても丁寧に描かれていて、うんうんそうだよね、とうなずきながら読んでいました。そして同時に、ひとりの作家さんがいろいろな解釈でいくつもの作品を書いているということに目から鱗というか、新しい可能性を感じました。そりゃそうだよね、二次創作なんだものいろいろな解釈があってよくて、自分の中でも複数の解釈があっていいはず。ということに、夏海さんの本を読んで気が付きました。
 3シリーズのブルーとルージュの話はどれも好きで甲乙つけがたいです。敢えて言うなら、「Sweet Home」のブルーとアセルスの会話は読んでいてニヤニヤと楽しませていただきました。でも、どのシリーズでも全体的にブルーがつっけんどんで、ツンツンツンデレくらいのツンデレで、やっぱりかわいいです。ブルー関連の素敵な部分をちょっとだけ引用します。

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「ねえ兄さん」
「なんだ」
 その呼び方、気持ちが悪いな。そう言いながら、ブルーは満更でもない顔をしていた。
(La Roue de Fortune/ルージュ編 p.48)
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 ツンデレかわいいでしょ?

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そこには、たくさんの術の組み立てが書かれていた。成り立つかどうかいろいろ試した後に、荒ぶった字で「証明しろ!」と書かれてる。これは多分僕へ宛てたメッセージだ。はいはい。やってみますよ。
(恋のその後の話をしよう p.45)
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 数学の証明問題を解くようなイメージで、ブルーがとある術を書いて組み立ててみようとするのですが、途中で投げ出してルージュに任せるというシーンです。「荒ぶった字」というのも、おっ可愛いなって思ったし、直接言えばいいのに紙に「証明しろ」って書くのもまわりくどくてブルーらしくて…Love…

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「あのさ、連絡してもいい?」
(中略)
「五回に一回ぐらいは応答してやる」
(Sweet Home p.197)
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 そうよブルー、もっとツンツンして…!!って思いませんか!思いますよね!!!(鼻息) で、これに対するルージュの返しもなかなか素晴らしくて、もう双子Love…って感じです。
 もう一個お気に入りのシーンがあって、わけあってルージュがブルーの顔真似をする場面があります。そこの表現も見事。

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すごく嫌だったけど僕は出来る限り機嫌の悪い顔をして見せた。(Sweet Home p.313)
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 思わず声を出して笑ってしまいました!!できるかぎり…wwきげんのwwわるいかおwwww ブルーの真似するためにですよ!! 泣かせるし笑わせるし、ほんとこの作品はすごい。

 

大人向けの本も素敵

 

 R18も読みました。多くは語るまい。素晴らしかった。
 簡単に言うと、白薔薇のキャンドルでお茶のグラスがガチャっと倒れて、溶けかけたアイスクリームだしケーキの苺は最後までとっておくんですよ。うん。うへへ。
 

まとまりがなくてすみません

 

 素晴らしいルーアセ小説がありましたよ!感動しましたよ!ということを伝えたかったのですが、私の表現力が足りないせいでいまいち伝わっていなかったらすみません。もっと多くの人に読んでもらいたいし、なんならルーアセを書く/描く人がもっと増えてほしいな、と思いました。(だったら自分が書けば?と天の声が聞こえる気がします)
 何度も読み返しては元気をもらえる素敵な本に出会うことができました。Twitter再開してよかった。Twitter検索で知ったんですよ。ほんとよかった。素敵なルーアセをありがとうございました!もし手に入ったらみなさんも読んで…!
 

 

 

 

END