【店長会などでニーズを引き出そうとすると、そんなお客様はごく一部じゃないの？なんて感じる意見もあって、きりがない。そんなとき、どう取捨選択すればいいのでしょうか】

大阪に出張だ。

こんばんは、販売コンサルタントの平山枝美です。

本日は、とある商業施設の方向けにセミナーを行っていました。

って、これを書いているのはその前日なのですが。

はじめてお会いする方々に緊張気味の私です。

はてさて。

今日のテーマはこちら。

昨日は、本社とショップ、もしくは商業施設とショップの連携がうまくいっているブランドは調子がいいぞ、とブログに書きました。

しかし、ここで難問にぶち当たります。

店から上がって来る情報が多すぎて、キリがない！　という話です。

このブログを読んでくださっている方は

販売員の方も、本社の方も、商業施設の方もいると思うのですが

販売員の方はせっかくなら役立った！　と感じる情報を伝えたいですし

本社や商業施設の方も、いい情報をもらえた！　と思いたいでしょう。

どうしたらいいでしょうか。

まずは顧客に目を向ける

N1分析、という言葉をご存知でしょうか。

以前にもご紹介したことがありますが

この本に詳しく書いています。

ビジネスの結果が変わるN1分析実在する1人の顧客の徹底理解から新しい価値を創造する [ 西口一希 ]

楽天市場

多くのお客様からたくさんデータを集めるだけではなく

一人のお客様から有効な内容をヒアリングして引き出そう

といったことです。

（ちょっと自分の解釈が混じっていますが）

私は以前から

「お客様がどうしたら顧客になりたいかは、顧客になってくれている人が知っている」

と、話しているのですが

その店の商品の良さは

その店の顧客が一番知っている、

ということだとも感じています。

どうして、その商品を買ってくれたのか。

たとえば

どんな場所に着ていこうと思ったのか

（着た結果、どのようないいことが起こったか）

買おうと思ったけど辞めた商品は、なぜやめたのか

それらを掘り下げて聞いていくと

「それはきっと、他のお客様もそうかもしれない」という情報が浮かび上がってくるのです。

1人に対してじっくり聞くヒアリング

を20人ぐらいすると、ニーズが見えてくる。

その際、不特定多数のイメージを浮かべるのではなく、顧客さま(もしくは、まったく店を利用したことがなかったり、店にはくるけど買わない人)に、目的を持って聞いてみる。

そんなことが浮かんできます。

顧客だからわかる「そんな理由があったんだ」。

掘り下げた結果、どのような理由が浮かび上がったのか。

全く買わない人からヒアリングしてもいいと先ほど書きましたが、さすがにそれは難しいので

今回は顧客様にヒアリングについて触れていきます。

とある事例をご紹介しましょう。

顧客様がシンプルなカットソーを手にしていたときのことでした。

シンプルだから組み合わせやすいですよ

と話をしたのですが、

顧客様はちょっと悩んで辞めてしまいました。

「あまりお好きじゃないですかね？」

というところから話を進めてみると

「こういうのって、カーディガンを脱いだときにちょっと貧相になりますよね」

と言われ、たしかに

カーディガンを羽織っているときはおしゃれだったのに

脱いだら急に、部屋着のよう

と感じることはあるな

という考えに至ったのです。

そこから

・カーディガンを脱いでも、着映えするカットソー

・シンプルなカットソーもよそ行き仕様にしてくれる、小さな斜めがけバッグ

を企画することになりました。

POPも連動し、その時の主力商品となりました。

多くの人に

「どんな服がほしいですか」

「困っていることはなんですか」

などと聞くと、

腰回りが気になる

腰回りのカバーができる服がほしい

と、他社も拾っているであろうニーズばかりが集まってしまい

回り回って価格競争に飲み込まれます。

また、どのような背景や想いがあってこの商品を作ったのか、と販売員が店頭で話をするときも

腰をカバーしたいというご要望があった

と一言でお客様に話すよりも

お客様からこんなお声をいただいて、とカーディガンが着映えしなくなる

ことについてお悩みごとをきいた、というストーリーを伝えたほうが

共感が集まり、購入につながりやすいでしょう。

このように、全員に多数決を取ろうとするだけでなく

いつも利用してくれている少数の人に当たりをつけていくことも非常に重要なことがわかります。

補足しますと、本社は販売員に対し

このような潜在ニーズを探る会話術についても、教育が必要かと思いますし

販売員のみなさんもそれらを意識して接客したり、顧客づくりをしたりする必要があります。

聞かなくてもいい情報

さて、取捨選択と言ったからには

いらない情報もあります。

それは何かというと

ペルソナから外れるニーズ

です。

ペルソナとは、お客様像のことです。

ペルソナは2つに分かれますが

①会社がターゲットとしてイメージしたお客様像

②売り場の客層を分析してイメージしたお客様像

前者のような、会社でお客様を無視して希望だけで作っているペルソナに合わせて、

情報を収集するのはおすすめしません。

今40代がメイン客層なのに、20代前半のお客様がどうしてもほしいから、

ペルソナは20代前半に設定しています！みたいなケース。

だめではないですが、売上は厳しくなるでしょう。

②の売り場の現状に即したお客様を軸に考えたほうが現実的です。

たとえば

40代/高校生くらいの子どもがいる/子育てが落ち着いて、パートに出ている/

最近腰のハリが気になる/おしゃれはしたいけど、年相応というものがわからない

といったイメージがあるお客様が多かったとして

それらに近いお客様からの「よく聞く声」は本社に報告してもいいでしょう。

こういう声が多い、ということも

情報の一部です（さっき解説したような、顧客への掘り下げも大切ですが）

でも、80代の腰の曲がったお客様で、年金生活。

普段は家で暮らすことが多い

というお客様から繰り返し

「通院に便利な服がほしい」

とニーズをもらっても、それはターゲットとズレますし

メインの客層が「わたしたちは別にいらない」となってしまいます。

このように、ペルソナ（メイン客層）から大きくズレた声は外してもいいのではないでしょうか。

まとめ

お客様のニーズを店頭から吸い上げる時

キリが無いと感じて、辞めてしまったブランドもあるでしょう。

しかし、吸い上げ方をマスターすれば

こんなに貴重なデータはありません。

大勢のお客様の声を聞いてもらうだけでなく

顧客様との対話を深めてもらうN１分析も意識して、データを集めていきましょう。

ちなみに、まずお客様との対話や、引き出すのはどうしたらいい？について

こちらのセミナーでやりますので、よかったらご参加ください。

エリマネメインですが、それ以外の方もご参加いただけます。

2/26（水）　10時～18時　18,000円（お弁当つき）です。

ぜひ起こしくださいね。

言語化スキルで、自分で考え行動できるチームを作る！エリアマネージャーの仕事、きほんの「き」セミナーこのセミナーでは、エリアマネージャーに求められていることを再確認し、それに対してどのように仕事を進めれば売り場や本社にとって効果がでるかをワークやディスカッションを通じ学んでいきます。

www.crede.co.jp

というわけで

今日もありがとうございました。

それではまた今度！

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