指輪にはあんまり興味がない。
女っぽいアイテムが苦手・・・。
と思っていたけれど、実はそういう案外華奢なものが似合うのだ、ということに
気づいたのは最近のことになる。
細かいダイヤが一周ぐるっと巻きつけてある、エタニティーというタイプのリングを
日常よく着けている。
こういうのって、自分で買うもんじゃなくて、人から買っていただくものじゃあ?
とおんなじ時期に、欲しいと言い続けていて、色違いを入手した同僚に言うと、
「そんなことありませんよー。自分の稼ぎで買いますぅ。」
と若い学生さんみたいなことを言うので
まぁそれもありか、と思って自分のサイズにぴったりのものを選んだ覚えがある。
しばらくの間、シルバーのジュエリーを扱うブランドで仕事をしていた。
期間にしてみると、そんなに長くはなかったけど、
ブランドのイメージに私があっているとかで、カリスマではなかったけど
そこそこ売れる店員のひとりだった。
それは私の中では、気に入っていた仕事の中のひとつ。
10人お客様がいれば、10通りの物語を聞くことができる仕事、といえた。
もちろん、最初から接客業を希望したわけではなくて
たまたま必要に迫られてのスタートだったけれど、
全く知らない人が、コミュニケーションを通して、
少しづつ信頼関係をつくっていくっていうのを、
仕事で実感できたのはそのときだったような気がする。
随分前の話になるけど、
実年齢よりもずっと大人で、憧れから入って自分からノックした恋愛があった。
去年の年末の紅白歌合戦をみていたときに、
あの人は雰囲気が寺尾聡に似ていたのだなぁーと思った。
一緒にでかけていたときは、自分が子供過ぎて、
どこかに暗いものがあるのを理解してあげられなかったけど、
今さらだけど、人に興味を持つときには、明るいだけではなくて
その人が持っている「自然なダークサイド」みたいなところを知ってから
関心をもつという癖が。
他の方のブログをそんなに読んだことはないのですが
いくつか読んだ中で圧倒的に印象に残るのは、
光と影を素直に両方描いているもの(絵みたいですね。) かなぁーと思う。
楽しい!楽しい!!では、あんまり記憶に残らないのです。。。
そう、もともとシニカルな視点を持って生まれてしまっているらしい。
母も妹も雰囲気はやさしいけど、「ともだちから毒舌といわれる」って言ってたし(笑)
それで、お客様のほとんどは女性だったのだが
プレゼントのシーズンになると、来てくださる男性のお客様も中にはいて、
その「寺尾聡」にすごく似ていた人がいた。
話し方と声が似ていたからで、まさかなぁと思ったけど、
とりあえずお名前を聞いたときにやっぱり違っていてほっとした。
小さい頃大阪で育った、とお聞きしたときには少し驚いたけど
お店にこられたときに、家族の話など聞かせてもらうこともあった。
都会的な雰囲気で、夜中まで仕事をし、不健康な生活といいつつタフで
同僚とか得意先関連の女の人や
仕事がらみの人とのおつきあいも楽しみつつ
家族にはちゃんと折々にプレゼントをしている男の人
のようだった。
多分、そんなところが器用な「寺尾聡」に似ているな、と思わせたのかも。
私にはとうてい合いそうにない、と。
その方は、店員をしている私に興味をもったらしく、プレゼントを買いにこられたときに
差し上げるのはどんな感じの方ですか?とお聞きしたら
「あなたぐらいの華奢な感じです。」といって
いくつかお出しした中で、勧めた物を選んでくださった。
最後に来られたのは、電車も停まるような大雪の日で
「子供と映画を観る約束だったので。」といって
ちょうど今頃の季節、何かお話をして失礼したように思う。
クリスマスプレゼントを買いにきてくださったときに、
来月このお店がクローズになります。といったことを
ちゃんと覚えていて下さったのですね。
たしか買って行かれたのは、指輪ではなくて
ピンクサファイヤのイニシャル入りの何かだったと思うけど
何を買ってくれたかということよりもうれしかったのは
単なる店員にもちゃんと、直接行って話そうとか、
思ってくれている人がこの世の中にいるってことが
いいエピソードとして記憶に残っている。