映画『砂の器』裏話 終 | ゆうべ見た映画

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『砂の器』の制作が 正式に発表されると

ハンセン病関係団体の方から 会見したいとの申し出があり

演出家やプロデューサーが 清瀬の療養所を訪ね

 

加藤嘉さんのラッシュを見てもらい 

メイクアップを確認

 

 映画 砂の器 加藤剛 に対する画像結果

 

後日、代表の方たちが このシーンの撮影現場を見学

二人の熱のこもった演技に 感動して帰られたそうです。

 

キャスティングに関する エピソードとしては

 

三木謙一を演じた緒形拳は 出演依頼の話が来た際

和賀の父親・本浦千代吉を やりたいと熱望したが

 

この役は 映画化の話が持ち上がった初期の頃から 

加藤嘉さんに 決定していたと言われ断念。

 

そして、本浦秀夫の少年期を演じた春田和秀君。

 

何作かのドラマを 経験していたが

本作で初めて 台詞のない役を演じた。

       ↓

43年後の春田和秀さん

「NGを出しても加藤嘉さんが

 温かく助言してくれたことが 精神的支えになりました」

 

春田さんはこの作品を最後に 映画界から離れ

現在は米国車をカスタムする会社を経営してるそうです。

 

また、2019年

森田健作さんと島田陽子さんの 44年ぶりの再会。

 

(森田健作・当時25歳)

布きれを探す ほんの数秒のシーンに3日もかかった。

自身の演技のどこが駄目なのか 監督に尋ねると

「背景の山にある雲が気に入らない」と言われた。

 

 

(島田陽子・当時21歳)

和賀と過ごす部屋の中で 胸が映るシーン。

わたし胸が大きくないので 

カットしていただけないでしょうかと お願いしたら

監督は「幸薄い女性の胸が大きかったらおかしいでしょ」と言われた。

 

 

そして、その胸を締めつけられるような

情感あふれる音楽「宿命」

 

「宿命」は 音楽監督の芥川也寸志さんの協力を得ながら

菅野光亮さんによって作曲された。

 

クライマックスとなる 

コンサート会場 (埼玉会館)での 演奏シーン。

東京交響楽団百人の オーケストラを指揮する

和賀 (加藤剛)の 脳裏をよぎる 

 

 映画 砂の器 加藤剛 に対する画像結果

過去の回想シーンに ほぼ全曲が使われ

 

清張さんも「小説では絶対に表現できない」と 

この構成を高く評価した。

 

 

     黄色い花    

それから、

現在の JR木次線「亀嵩駅」(2011年)

 

「亀嵩駅」は 映画の影響で 

大きくクローズアップされましたが

 

実は撮影はこの駅ではなく、駅舎は八川駅で

ホームは出雲八代駅で 

それぞれ撮影され 合成されたものなのだそうです。

 

現在の JR木次線の八川駅 (2011年)

 

       ↓

ジープから丹波さんが眺めるシーン。

 

こちらは、出雲八代駅のホーム(2011年)

       ↓

丹波さんが立ってるホーム ほぼ変わっていませんね。

 

       

       黄色い花

 

そして

 

島田陽子さん

今年 (2022年)7月に 亡くなられたのですね。

 

この映画の役の 薄幸な女性の印象とだぶって

可哀想でなりません。

 

もっと評価されていい 女優さんだったという気がしました。

ご冥福をお祈りいたします。

 

 

 

 

1974年・キネマ旬報ベストテン・第2位

1位は『サンダカン八番娼館・望郷』

 

 

おしまい