☆  ブーベの恋人 (1964) 伊 | ゆうべ見た映画

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懐かしい映画のブログです。
ときどき、「懐かしの銀幕スター」「読書」など
そして「ちょっと休憩」など 入れてます。

 


ルイジ・コメンチーニ監督  モノクロ


高校生の頃、
むさぼるように観た 数々の洋画の中の一本。

毎週のように通っていた あのミニ・シアターの熱気
二色刷りの粗末なパンフレットなど 思い出すなあ。

そして、哀愁帯びたこの主題曲は 

映画ファンなら 知らぬ人はいないほど有名な曲。
 

私にとって 半世紀が流れゆくその間も 
片時も 忘れることのなかった名曲です。

 

 

この3年前・1961年の『ウエストサイド・ストーリー』で

ブレイクした ジョージ・チャキリス。

 

『若者のすべて』『山猫』など

ヴィスコンティ監督の秘蔵っ子 クラウディア・カルディナーレ。

 

人気スター・お二人のラブ・ストーリーですが

甘さや華やかさはまったく無い 純愛を描いた作品です。

 

もうひとりの マルク・ミシェルは

ジャック・ベッケル監督の『穴』や 

『シェルブールの雨傘』にもで出ていましたね。

 


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ブーベ (ジョージ・チャキリス)

 

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マーラ (クラウディア・カルディナーレ)

 

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ステファノ (マルク・ミシェル)


お話。

1944年。
イタリアの田舎町にある マーラの家に
ブーベという青年が訪れた。

終戦になり、故郷に帰る途中
戦友だったマーラの兄・サンテの最期を 
報告するために 立ち寄ったのだ。

ブーベは サンテと共に 
パルチザンとして戦っていた青年だった。

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翌日、彼はパラシュートの白い絹布を 
マーラに贈り 帰って行った。


その後、数カ月の間 ブーベとマーラは
何通かの手紙をやりとりしたが
ブーベからの手紙には 甘い言葉のひとつも無く
マーラはそれが 物足りなかった。




何カ月か経ったある日
突然、ブーベが身を潜めて マーラの家に来た。

教会での騒動で、ファシストの准尉の息子を射殺し、
指名手配の身に なってしまったのだった。
 
マーラの父親から 
ふたりの婚約の許可を貰ったブーベは
マーラを連れて 故郷へ帰った。

 

しかし実家にすら 留まってはいられない。


紙工場の廃墟を 隠れ家にし
迫り来る恐れを感じながらも 束の間の倖せに浸るふたり。


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しかし遂に、身辺が危うくなったブーベは
仲間の計いで ひとり国外に逃亡することになる。


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突然の別れ。

 

胸が掻きむしられる、名曲が拍車をかける、

このシーンはたまらない!


それきり、

ブーベからは何の音沙汰もなく 1年が過ぎ


心細く 不安な日々を過ごすマーラの前に
ステファノという青年が現れる。
 

 



詩や文学について語る ステファノに
ブーベには無い 知性と洗練さを感じ
次第に惹かれていくマーラ。


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そしてやがて

ふたりが将来を考えるようになった ちょうどその頃

 

ブーベが逮捕されたという、知らせが入る。 

 

 

面会を許され 揺れ動く想いを抱え 

会いに行くマーラ。


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その、マーラの前で


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君の心変わりだけが 心配だったと

ブーベは泣いた。

 

どんなときも弱みを見せなかった 強いブーベが・・ 
 

 

ブーベは14年の刑を言い渡され

そして
マーラは ブーベの妻となる決心をした。


これから長い長い14年の 刑期が終わるまで 
2週間ごとの面会に 刑務所に通い続けるのだ。

 

 

7年が経った、ある日


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駅で ステファノと会った。

ステファノの指に 結婚指輪を見たが
マーラは 何の感慨もなかった。


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「14年と聞いたときには 不安になったけど
 この7年は 意外と平気だった。
 だって、あと7年経っても 
 まだ私は34歳、ブーベは37歳、子供だって産めるわ」




主人公のふたり
ブーベもマーラも 実在した人物で 

パルチザンとして 抵抗運動に加わっていた
ブーベのモデルと言われる若者は

このお話当時は18、9歳の 小柄で黒髪の青年で
チャキリスさんに とても似た感じだったそうです。

マーラのモデルも
イタリアのシエナ県に 住んでいた女性で
今でも「マーラの家」は 残されているとか。


カルディナーレさんは 

現在、ユネスコ親善大使で

教育を通した女性の 権利保護活動をしているそうです。

 

 

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