ある殺し屋の鍵 (1967) 大映 | ゆうべ見た映画

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懐かしい映画のブログです。
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そして「ちょっと休憩」など 入れてます。

 

 藤原審爾・原作 森一生監督  カラー  79分

 

じゃん、お久しぶりのカツライス劇場から

雷様登場!

で、この作品 またまた面白いじゃあありませんか!

 

 

表向きは 日本舞踊の師匠である 

新田(雷蔵さん)は 実は凄腕の殺し屋です。

 

あるとき石野組の幹部・荒木(金内吉男)から

 

巨額脱税事件で逮捕され 今は保釈中の

朝倉(内田朝雄)を 始末して欲しいとの依頼が来る。

 

朝倉は政財界の極秘メモを持っており

それが警察に渡ることを恐れる 

政界の大物(山形勲)が この指令の黒幕だった。

 

そこから判り易く書きますと

 

山形勲さんは謝礼4千万で → 子飼いの会社社長(西村晃)に依頼 

西村晃さんは3千万で → 石野組々長(中谷一郎)に依頼

中谷一郎さんは2千万で → 金内吉男さんに依頼

金内吉男さんは、結果2千万で → 雷蔵さんに依頼

 

雷蔵さんには1千5百万の予定で

5百万を自分のポッポに 入れようとしていた金内さんは

 

「前金1千万、殺った後にも1千万頂きましょう」

と雷蔵さんに凄まれ 自分、取り分無しとなりました。

 

やがてホテルのプールで 朝倉を一瞬のうちに

針で刺し殺し 脱出する雷蔵さんでしたが

 

ホテルの裏門で待機しているはずの 金内さんの姿は無く

仕方なく自らの運転で 逃走用の車を走らせますが 

 

ブレーキに細工が! 

車は崖から落ちて炎上しました。

石野組が裏切ったのですね。

 

しかし、事故車は発見されたが 

運転者の死体が不明である との報道に

雷蔵さんの報復に怯える 中谷さんと金内さん。

 

心配したとおり、ふたりは焼き殺されました。

車の裏切りには 車でお返しよ。

 

さて はじめに雷蔵さんに殺された 

脱税王の朝倉(内田朝雄)の 愛人・秀子(佐藤友美)は

朝倉の死後、さらりと西村晃さんに乗り換えましたが

 

実は、自分の踊りの師匠である。

雷蔵さんに ぞっこんなのでした。

 

裏の仕事を終えた雷蔵さんが

雨戸まで閉めきった 真っ暗な部屋の中で

日舞を舞うシーンがあります。

 

自身の浄化を意味する 気迫ある舞いです。

 

このシーンが素敵なのです。

雷蔵さんの舞いを じっくり見せてくれますが

素敵なの、惚れ惚れしてしまいます。

 

この後、西村晃さんを片付けた 雷蔵さんは

さらに、黒幕の山形勲さんを始末しに・・・。

 

ところで、謝礼などの大金を 

雷蔵さんはいくつかの ボストンバッグなどに入れ

 

それらをコインロッカーに預け その小さな鍵を

チェーンのネックレスに通して 自分の肌につけております。

 

しかし、ヨーロッパに逃げ出そうとする 

山形勲さんを追う際、

時間に迫られ ついポッケに鍵をしまっちゃった。

 

報道記者に扮した雷蔵さんは 

カメラを構えながら 大勢の報道記者に紛れて 

首尾よく山形さんを仕留めますが そのとき鍵を落としてしまう。

 

で、後でこの現場に取りに来るのですが

 

大勢の警察官や 鑑識などウロウロする中

大事なものを落としたんです、と殺人現場に入れてもらい

 

まだ山形さんの死体が 横たわってる傍で

あ、あったあった、なんて 鍵を見つける。

 

これは、無いでしよ!と 笑っちゃう。

 

 

このコインロッカーも 大アナログ

銭湯の下駄箱みたいで

昭和の匂いが、ぷんぷんぷん・・。

 

で、ラストは あることから 

この何千万の大金を フイにしてしまう雷蔵さんですが

鍵をポイと捨てると 振り向きもせずに去って行きます。

 

カッコいいですね、男はこうでなくちゃ。

「この間の千円返して」なんて

みみっちぃこと言ってちゃだめですよ。

 

そして女にもクール。

登場するたびに 色っぽい目つきで

雷蔵さんを誘惑する 佐藤友美さんにも

まったくなびかず シビレる台詞。

 

前作『ある殺し屋』も良かったですが

こちらも、かなり雰囲気の違う作品で 面白かったです。