病院から帰ったのは確か夜の10時くらいだったと思います。


長い一日でした。
いやこんなに長い一日になるとは想像もしていませんでした。
仕事を休んで付き添ってくれた夫…
普段は家のことは私に丸投げの仕事人間でしたが、この時は一日中私に付き添ってくれて感謝しました。

さて、翌日から私はゴロゴロしながら一日中テレビを見て過ごしました。


ふだん普通に食事ができる時はなんとも思わないのですが、絶食している時にテレビを見るのは拷問だなと感じました。

とにかく食べるものがたくさん出てくるのです。

バラエティを見ていれば食べ歩きやら美味しいお店の紹介。出演者が美味しそうに食べる姿。

CMになればこれまた美味しそうな食べ物が次から次へと…


もう布団をかじりながら治ったら絶対食べてやるゥゥーッて悶絶していました。

そんな私の食事は朝昼晩一日3個のウィダーインゼリー。

せめて味くらいは変えようと違う味を組み合わせて摂っていました。

合間は空腹を紛らわすポカリスエット。

でも今考えると、ポカリスエットって結構糖分が多いので、あんなにガブガブ飲んでたら体に悪いよな?ってちょっと怖くなりました。


私は実は絶食は人生2度目でした。

まぁこのあと数えきれないほど絶食を繰り返すことになるのですが…この時はまさかそんなことになるとは思ってもみませんでした。

20歳くらいの時に盲腸になり入院、手術をしました。

その時に術後絶食したのですが、この時もテレビは拷問でした。

今でも覚えているのが、マクドナルドのCMを見てマックフライポテトが死ぬほど食べたくなって、退院したら絶対食べるぞオォォ!って誓ったことです。が、不思議なことに食べられるようになるとそんなに食べたくもなくなり、結局食べてないのですが。

私が盲腸になったのは40年近く昔。数年前に身内が盲腸で入院したのですが、なんともビックリしたのが、術後すぐに食事が開始したことでした。

確か翌日くらいから重湯が出ていました。

私は3日くらい絶食して重湯だったので、とてもとてもビックリしました。でもそのあともどんどんお粥になって消化の良い食事が出て、と進んでいきました。下痢をしていたようですが、お構いなしに食事が出ていたので医学の進歩というか、いろいろ進化してるんだなぁと思いました。


1度目の盲腸の時の絶食では感じなかったのですが、絶食って段階があって、一番辛かったのが2日目の夜くらい。

もう空腹感のピーク。食べたくて食べたくて体がカラカラになった状態でした。

3日目になると空腹に慣れてくるというか、落ち着いてきます。

でも空腹なので食べたい気持ちはあります。

不思議だったのが4日目。 病院に行って検査を受ける日でした。

食べたいという気持ちがなくなっていたのです。

空腹感がなく、食べたいという気持ちもなく、このまま食べなくても生きていけると思うようになっていました。


あれを解脱というんでしょうか?いやたぶん違うとは思いますがとにかく4日目のあの心も体も軽く自分が植物にでもなったかのような、不思議な感覚を今も覚えています。