小学校英語教育の現実 | 日中英トリリンガルアナウンサー 佐野いくみ

日中英トリリンガルアナウンサー 佐野いくみ

日本語・中国語・英語司会 バイリンガルMC ナレーション 

J-SHINEが認定している「小学校英語指導者資格」を取得するため、2日間の研修講座に参加しました。


講座内容は、小学校英語活動の理念から、異文化コミュニケーション論、指導者のスピーキング力強化法、

模擬授業を含めたワークショップなど。


英語教育関連の専門家が、それぞれのテーマや観点からお話をしてくださったのですが、

どれも「なるほど~」と納得させられる内容で、多くの知識を得られるよい研修でした。


なかでも、とても印象的だった、というより、とてもショックを受けたのが、


小学校の英語教育の現実


です。


2011年4月から、小学校では5、6年生の英語活動が必修となりました。

ただし、教科ではなく、道徳などと同じ「総合的な学習の時間」の中での活動です。


学習指導要領の策定に関わった教育専門家、吉田博彦氏の講義で、日本の英語教育の現状がわかりました。


・1990年代に東アジア諸国が小学校での英語教育をスタートしたのに、

日本で議論が始まったのは、1993年。


・20年近く議論して、ようやく総合的な学習の時間での英語活動がスタートした。


・小学校での英語教育が進まないのは、ほとんどの政治家が反対しているため。

「国語力はどうなる?」というのが、その理由。


・英語教育への予算が少なく、活動はそれぞれの自治体や学校に任せられるため、

指導者の質やレッスンの内容に影響が出てしまう。


小学校でもやっと英語活動が始まったかと、好意的に受けとめていたのですが、

吉田氏の話を聞き、とてもネガティブな気持ちになってしまいました。


英語教育の導入までに、こんなにも長い時間がかかっていたなんて…

何事にも決定までに時間がかかる日本らしいですよね。


そして、週1回、45分の英語活動を導入するだけで、国語力を心配する政治家の考えは、

もう「えーーー???」と驚くしかありません…


英語教育では、韓国や中国に遅れをとってしまった日本。

グローバル化が進む今の時代で、子ども達の英語教育はどうなってしまうのでしょうか?


日本の英語教育の問題点と今後の課題について、次回のブログでお伝えしますね。