「俳優の危機管理」についての講座に参加してまいりました。
主催は特定非営利活動法人独立映画鍋さん。
司会は深田 晃司 監督、ゲストは鈴木 卓爾監督。

とても興味深い内容でした。
仕事の過程や、表現の領域で起こり得る危機。
それは安全面や肉体だけでなく、メンタルの部分、ギャラに関してだってそう。

「これは怖い」「これはできません」「これはどうしても嫌です」など、こんなこと俳優が言ったらわがままに思われてしまうのでは?現場が止まってしまうのではと、普段なかなか言いづらかったりする場面があります。

例えば、いきなりその場で、台本に書かれていないことを要求された時、自分の中で準備ができてないので要求に答えられないことがあります。あるいは無理難題に近い注文で、不可能だったり。

それをやってみせるのが俳優でしょう、と言う人もいるでしょうが、俳優にも色んなタイプがいます。
すぐにはできないタイプの俳優だっています。

ですがスタッフさん側は「俳優というのは、いきなりの要求にも瞬時に答えられるものだ」と、心のどこかで思い込んでいる方も多いのだそうで。
俳優自身でさえ、そう思っている人も多くいるでしょうし、私もそうでした。(もちろん、可能性がありそうな要求に対しては、こちらもあらかじめ用意しておく必要はありますが。)

しかしよく考えてみれば、例えば美術さんに、直前にプランを変更したいと言っても難しいのと同じで、それに近い感じもあるのかもしれませんね。

どうしても出来ない時は「出来ません」と言うことも大事なんだと。
俳優にも義務と権利がある。義務を果たすのは勿論ですが、権利を主張することも大切。その強さを持つべきだと、鈴木 卓爾監督にそう教えていただきました。

安全面でも、メンタル面でも、そしてお金の面でも、自分を守ることは大事。
「危機管理」。今までそんなに深く意識してこなかった領域でしたが、考えさせられた日でした。

その後、打ち上げに参加させていただき、映画に色んな形で関わる方々とお話できたのも面白かったです。


『さようなら』を観て深田晃司監督のファンになった私。
その監督に直接お逢いでき、映画の感想を伝えられて、そして疑問に思っていた部分にもお答えいただけて嬉しい夜でした。
お誘いいただいた神原さんに感謝。

今回、その素敵なお人柄にも惹かれたゲストの鈴木 卓爾監督。
最新作『ジョギング渡り鳥』が3月に公開される予定で、今から楽しみです。いったいどんな映画なのかしら。
人生で初めて前売りチケットを買っちゃっいました!