今年の有田陶器市では、

ひときわ目を引く小皿に出会いました。
それは、鯛の姿がユニークに描かれた天塩皿。

愛嬌のあるその表情に思わず笑みがこぼれ、

手に取った瞬間に「これは連れて帰らねば」と感じた2枚です。

鯛といえば「めでたい」の語呂合わせでも知られる、

お祝い事に欠かせない魚。
しかもこの皿には、なんとエビまで添えられているのです。
鯛とエビ。祝いと鯛。どちらも長寿や福を連想させる縁起物の代表格。
まるでお皿そのものが「喜び」を表しているかのようでした。

天塩皿としてはもちろん、ちょっとした漬物や薬味を盛るのにもぴったり。
手のひらにおさまる小さな器に、「脱力」が凝縮されていると感じます。

陶器市の楽しみは、こうした「偶然の出会い」にあります。
量産品では味わえない、作り手の遊び心が

食卓に彩りと笑顔を添えてくれます。