2009年に行われた行政刷新会議の事業仕分けで、蓮舫参議院議員が「1位じゃないとダメなんですか」と質問した事が大きな話題を呼びました。
ご存じのとおり、スーパーコンピューター「京」の開発費についての仕分け作業での話でしたので、科学者らから強い反発がありました。
文部科学省は「京」が計算速度首位を奪われた事から、新たなスーパーコンピューターの開発に着手しようとしているそうです。
次期スパコンで世界一奪還へ 「京」の100倍高い性能目指す(SankeiBiz)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130509-00000502-fsi-bus_all
確かに計算速度の面で一時期は一位になった事は確かですが、「京」にはそれ以外の問題があります。
その辺を分かりやすくまとめてあるブログ記事がありました。
IBM BlueGene/Qのセミナーを受けてきたよ(新井俊一のソフトウェアビジネスブログ)
http://shunichi-arai.blogspot.jp/2012/07/ibm-bluegeneq.html
要は、設置するのに広大なスペースが必要で電気はIBMのBlueGene/Qに比べ、バカ食いということです。
早いのは良いけど、置き場所に困る。電気代がたまらない!では実用的ではありません。
現在のランキングは「京」が3位です。
世界スパコンランキング、米国の「Titan」が首位、「京」は3位に(ITpro)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20121113/436681/
早さ云々より、見て驚くのはアメリカIBM社のBlueGene/Qが、上位5システムのうち3システムを占めているという点です。
スーパーコンピューターの場合は使用目的によって様々にカスタマイズされるので、同じメーカーの製品でも違うシステムとして利用される事があります。逆に言えば、上位5システムのうち3システムを占めているという事は、汎用性が高く、システムとして市場の支持を受けていると言えます。
事業仕分けにおける「1位じゃないとダメなんですか?」は追加投資して、米国のSequoiaより一時的に優位に立とうとすることが果たして良いかどうかという議論で出た質問だったのですが、計算速度だけにこだわっていれば速いだけで実用的でないシステムが生まれてしまいかねません。
また、そのようなシステムは投資に見合わない価値しか生み出す事が出来ません。
BlueGene/Q「京」に比べ、1ラック当たりの性能が17倍という事ですから、同じ価格では誰も見向きもしないでしょう。
ですので、速さもさることながら、市場競争力の高いスーパーコンピューターの開発を期待したいところです。