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動産評価人の日記

米国鑑定士協会(ASA)のライセンスを取得し、日本でも評価制度を定着させようと微力ながら活動しています。
2013年10月から評価人仲間と有限責任事業組合(LLP)を結成しました。
※ブログの見解は個人の見解で、所属団体等との見解と異なることがあります。

近頃、不動産の世界では「リノベーション」がブームです。

「リフォーム」+「イノベーション」の造語で、既存の建物に大規模な改修工事を行い、用途や機能を変更して性能を向上させたり価値を高めたりすることをいいます。

数年前に地方都市でかなりの老朽物件(ハッキリ言うと「ボロ物件」)を購入してリフォームを行い、転売するビジネスをされている方からお話を伺いました。
塗り替えをするだけでもかなりのヴァリューアップになるらしく、買い手はすぐに付くとの事でした。
もちろんそんなに簡単ではなく、住まいの快適性を左右する水回りのグレードアップや室内の壁紙の交換もするとのこと。
その方は女性の方で、やはり「女性目線のセンスが大切」とのことでした。


静岡市内でも、オフィスビル等のリノベーションを良く耳にするようになり、見に行ったりしています。
非常に綺麗になって「これはなかなかいい仕事だな」と思う物件が多いのですが、やはり、衰退している地域での商業系の建物のリノベーションは少し厳しいと感じます。

ひとつの建物を綺麗にしても周りがシャッターの連続では、うら寂しい感じは払拭できませんし、老朽化した建物が多いと単体の建物が綺麗になっても打ち消されてしまいます。

理想をいえば、地域丸ごとリノベーションという発想が必要なのでしょうけど、不動産の所有者は多数で合意形成がままならないのが通常ですから、なかなか思うようにいかないのが現状でしょう。


郊外のショッピングセンターが隆盛を極める背景には、いわゆる旧来型の市街地における権利の細分化と合意形成の難しさが背景にあります。
本当の都市再生を狙うなら、合意形成がしやすい環境を作る事ですが、様々な利害や欲求が絡まるだけに一筋縄ではいきません。

結局のところは、身動きがとれずに衰退していくのを黙ってみているしかないのかなと思うと切ないものがあります。
政府の「成長戦略」を決めるべく「産業競争力会議」が開かれています。

エネルギー、医療、農業といった分野が特に重視されているようで、輝かしい未来を想像させるようなそんな雰囲気は持っています。

一方で、物足りなく感じるのがマネジメントの分野への投資だと思います。

ABLの分野を研究して話を聞いていると、特に中小企業においてはマネジメントが行き届いておらず、結果として競争力を失っているという話を耳にします。

中小企業の場合、マネジメントに手間やコストをかける事が出来ませんからどうしてもアバウトになってしまいがちです。マネジメント手法の研究や技術革新により、廉価で効率的なマネジメントが可能になれば、企業の経営効率が上がり、透明度が増し、ファイナンスも可能になり、全体的に資本の効率があがるはずです。

こうした分野は目立たない分野で、話題にもあがりにくいものです。
また、この辺を本気でやろうとすれば、相当な痛みも伴うと思われます。
しかし、この辺をしっかりしないと全体としてグローバル競争には勝ち残れません。

足腰の部分もしっかり考えてもらえばと思うのですが、少し難しいようです。

DIPファイナンスとは、民事再生法などの倒産手続き開始後も旧経営陣に経営を任せつつ、新たな資金を提供する金融手法。
DIPとは、debtor in possession(占有を継続する債務者)の略で、旧経営陣が残り、再建に当たっている企業を指す。
本業に力があり、再生可能な企業の場合、通常の倒産手続きのように管財人が経営権を握るより、旧経営陣に任せた方が現実的な場合がある。このような場合にDIPファイナンスが利用される。
DIPファイナンスは、倒産手続きに入った企業の多くが直面する資金繰りの急速な悪化(仕入先からの現金払い要求など)に対応することなどを目的とした短期の融資であることが多い。

DIPファイナンスによる債権は、共益債権と位置づけられ、再生企業の他の債務より優先される。

(exBuzzwords)



金融庁が最近注力しているABL(動産担保融資)ですが、一向に動き出す気配がありません。

私なりに考察してみると大体3つのフェイズに別れると思います。


フェイズ1 「ABLってなに? 評価の仕方が分からない。換金が出来ない。だからやらない」

 この辺が一番多いと思います。
 キツイ言い方をすれば思考停止に陥っていて、上からやれといわれた時にやればいいと思っているタイプ。このタイプは「評価の手法があるんですよ」と説明した後に「評価の仕方が分からないから出来ない」
などと仰せになります。


フェイズ2 「評価の手法、換金について分かったが、適用できる顧客がいない」

 評価の手法や換金のスキームは分かっているんだけど、現実を考えるとなかなか実行に移せないと考えるタイプ。
 実際のところ、特に中小企業は在庫管理などがアバウトで、倉庫がパンドラの箱と化していて、開ける事すら憚られる会社もあるのだとか。 
 しばらくするとこのタイプが一番多くなるのではないかと思われます。 


フェイズ3 「とにかく低い掛け目を設定して導入した。」

 いちばんアグレッシブのようにも見えますが、まともなファイナンスにはならないのでこうした層があまり増えすぎるとちょっと困ります。


こんな感じで立ちすくんでしまっているのがABLの現状でしょうか。
いずれにしても既存の枠組みの中でABLを即座に導入するのは極めて難しいと思われます。

そんな中でABLを導入していくのに最適と考えられるのがDIPファイナンスです。
DIPファイナンスの場合、民事再生により不良資産と優良資産が峻別された後で、管理が行き届いた状態になりますからABLが導入しやすいというわけです。


金融庁が金融円滑化法の出口戦略としてABLを選択肢に入れているのは、おそらく企業再生を前提に考えているからなのでしょう。金融円滑化法の適用を受けている企業の再生は避けられないのかもしれません。