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動産評価人の日記

米国鑑定士協会(ASA)のライセンスを取得し、日本でも評価制度を定着させようと微力ながら活動しています。
2013年10月から評価人仲間と有限責任事業組合(LLP)を結成しました。
※ブログの見解は個人の見解で、所属団体等との見解と異なることがあります。

ここのところ、いろいろ税というものを考えさせられています。

かなり前からの話ではありますが、特に富裕層は相続税や高額な所得税を逃れるため、
課税の面で有利な海外に資産を移したり、その人自体が海外に移住したりもしています。

社会人で仕事をされている方には「税の問題でプロジェクトがご破算になった」なんて話は
一度は経験されているのではないでしょうか。


日本においては会計分野が税法に引っ張られているとかつては言われました。
実際、中小企業を中心に納税のために作った損益計算書や貸借対照表をそのまま使っているというケースは多いのではないでしょうか。

特に償却資産の場合、日本の法定耐用年数は実際の耐用年数より相当短く設定されているケースが多いです。
償却年数が短いと言うことは、各年に配賦される償却額は多くなりますので、利益は圧縮されます。
反面、貸借対照表に計上される資産の価格は実際の時価より低く算定されます。

当期業績主義からすれば、誠に都合が良いのですが、包括主義の観点からは少々疑問が残ります。
世界的には包括主義的観点が偏重されてきた感がありますが、最近になって見直しの気運が高まっています。
ともあれ、包括主義的観点に立った対応も依然求められています。


金融機関の融資においても、担保評価では税法上の法定耐用年数が基準となっているようです。
この場合、まだ価値があるのに融資が受けられない、または担保価値が低く算定され、融資が受けられないというケースがあるでしょう。


税法は、税の平等性という要請から基準が明確で、分かりやすく構成されていますので非常に便利です。
しかしながら、重税感をなくす意味もあってかどうしても保守的な評価となります。
会計原則に保守主義の原則があることから、両者は合致するとも考えられるのですが、余り保守主義に偏ると却って経済の停滞を招きます。

業務が煩雑でつい手軽なものに手を出したくなるのは分かりますが、安易に頼りすぎるのは危険です。

少し熟慮して考えるべき時がきているのかなと思いますし、評価を通じて貢献できればと思います。

レポートライティング講座がまた開催されます。

要は、評価書の書き方を教えますというもの。
我々がいちばん困っているのは、機械設備評価という仕事が現在のところほとんどなく、実際に経験を積む場がないという事です。

不動産鑑定の世界ではかつて徒弟制度のような人材育成をしてきましたが、
今の士業には新人を育成するほどの余裕はほとんどありません。
動産評価を手がけている企業も少数あるのですが、企業にしてもノウハウを奪われた上に安値攻勢をかけられてはたまったものではありませんから、自社社員以外の人材育成などをするはずがありません。

ということで、「書き方教室」になるのですが。


これとて受講料がかかります。

収入がないので講義を受けると受講料がかかる、でも仕事になるか分からないということで、受けるか否かとても悩みます。


とにかく、苦労は尽きません。

自由民主党政務調査会・知的財産戦略調査会に対する提言
平成 25年 3月 25日 一般社団法人 日本資産評価士協会
http://www.jasia-asa.org/JASIA_IP.pdf  


日本資産評価士協会(JaSIA)で自民党の政務調査会・知的財産戦略調査会に対する提言が採択された旨の発表がありました。

知的財産の評価の面でも日本は完全に後れをとっている現状ですが、これに一矢報いようと提言された事は非常に評価します。


とはいっても、現実的にどうなるかな?というのが正直なところです。
機械設備の分野においてもなかなか公正価値という概念が浸透しません。
確定決算主義で「企業会計=税会計」という認識が強く定着している状態で、しかもコストダウン競争が激しいため、

「今までこれで済んだんだからこれで良いじゃないか」

「動産の価値評価は日本では根付かない。それよりも不動産だ」
というのがほとんどの方の考え方です。

その中で、モノ以上に価値の変動が大きく、資産としての実態を把握しづらい知的財産について公正価値評価を定着させるのは相当難しい事だと思います。
現実に


"当初は、知財権保護に関連した議論が中心となり、評価の重要性に対する参加者の認識は必ずしも高くなかったのですが、最終的に
10 の提言の1 つである「国際的・戦略的な知財人材の育成」の中の最初の課題(「企業が知的財産を活用した経営を推進し、知的財産の流通を促進するため、知的財産が有する価値について客観的に評価できる人材を育成すると共に、価値評価手法の確立に向けた検討を行う。」)として記載されるに至りました。"


というくだりがあり、前途多難なことが容易に想像できます。

とはいえ、そんな中でもグローバル経済に巻かれないような日本を作らないとなりませんから、なんとかご理解をいただくように努力をしなければならないと考えています。