ここのところ、いろいろ税というものを考えさせられています。
かなり前からの話ではありますが、特に富裕層は相続税や高額な所得税を逃れるため、
課税の面で有利な海外に資産を移したり、その人自体が海外に移住したりもしています。
社会人で仕事をされている方には「税の問題でプロジェクトがご破算になった」なんて話は
一度は経験されているのではないでしょうか。
日本においては会計分野が税法に引っ張られているとかつては言われました。
実際、中小企業を中心に納税のために作った損益計算書や貸借対照表をそのまま使っているというケースは多いのではないでしょうか。
特に償却資産の場合、日本の法定耐用年数は実際の耐用年数より相当短く設定されているケースが多いです。
償却年数が短いと言うことは、各年に配賦される償却額は多くなりますので、利益は圧縮されます。
反面、貸借対照表に計上される資産の価格は実際の時価より低く算定されます。
当期業績主義からすれば、誠に都合が良いのですが、包括主義の観点からは少々疑問が残ります。
世界的には包括主義的観点が偏重されてきた感がありますが、最近になって見直しの気運が高まっています。
ともあれ、包括主義的観点に立った対応も依然求められています。
金融機関の融資においても、担保評価では税法上の法定耐用年数が基準となっているようです。
この場合、まだ価値があるのに融資が受けられない、または担保価値が低く算定され、融資が受けられないというケースがあるでしょう。
税法は、税の平等性という要請から基準が明確で、分かりやすく構成されていますので非常に便利です。
しかしながら、重税感をなくす意味もあってかどうしても保守的な評価となります。
会計原則に保守主義の原則があることから、両者は合致するとも考えられるのですが、余り保守主義に偏ると却って経済の停滞を招きます。
業務が煩雑でつい手軽なものに手を出したくなるのは分かりますが、安易に頼りすぎるのは危険です。
少し熟慮して考えるべき時がきているのかなと思いますし、評価を通じて貢献できればと思います。