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動産評価人の日記

米国鑑定士協会(ASA)のライセンスを取得し、日本でも評価制度を定着させようと微力ながら活動しています。
2013年10月から評価人仲間と有限責任事業組合(LLP)を結成しました。
※ブログの見解は個人の見解で、所属団体等との見解と異なることがあります。

6月17日に国土交通省が「既存住宅インスペクション・ガイドライン」を策定しました。


「既存住宅インスペクション・ガイドライン」の策定について
http://www.mlit.go.jp/report/press/house04_hh_000464.html


これまで日本では新築住宅を優遇する政策が採られてきました。
住宅産業は関係する事業者が多く、住宅着工の増大が景気対策の切り札となっているからです。


しかし、近年は人口減少時代に突入し住宅ストックも十分に行き渡ったことで空家が増加傾向にあること、諸外国に比べて短い住宅寿命が国富を食いつぶしているという指摘があり、国が住宅の長寿命化や中古住宅の流通促進にも取り組むようになってきました。



中古住宅の流通でいちばん問題になるのが品質の問題です。


中古住宅は使用方法やメンテナンス、設計施工の良否によって品質にばらつきが出ます。
また、一度建ててしまったものに建築の知識を持たない素人が品質の判断を下すのは容易ではありません。


そこで近年注目を集めているのが住宅インスペクションです。


専門知識を持った人が検査すればいいのですが、専門知識を持った人間が客観的な判断を下せるかというと必ずしもそうではありません。

住宅インスペクションに必要な知識を持ち合わせている人は、大抵建築士や建築業に従事されている方です。


そうなると、「検査をやって悪いところが見つかれば修理もやります」と言うことになるのが普通で、さらに、検査を思いっきり辛くして修理でガッポリというのが商売人の常道です。
そのうえ"中古住宅は修理費が嵩むので結局は新築を買った方が得だ"という意識を消費者に植え付けることができれば「どっちに転んでもおいしい」と言うことになります。


こうした点をふまえて、このガイドラインでは検査人に中立性を求めているのが大きなポイントです。


消費者にとっては検査をやってもらって修理までやってもらえれば楽ですし、検査費用は修理代込みということになればお得とも考えられるのですが、実際はそういう"お客様"こそ"とてもいいお客様"なんですね。


しかし、考え方によっては、売上げを伸ばしたい建築業者とラクをしたい消費者でwin-winの関係と言えるかもしれません。


中立的な立場を売りにしたい我々にとっても興味があることで、今後どうなるか見守っていきたいと思います。

世の中いろいろな職能があり、いろいろな専門分野があります。

どの分野も今は需要減と激しい競争に晒されて低落する一方です。
とはいえ、世の中には解決できない問題はいっぱい。

中には専門家がその気になって解決に当たればなんとかなりそうだと思うものもあります。

しかしまぁ、何かやろうとすると他の資格のテリトリーを侵してしまうなんてことがざらです。

例えば、何かやろうとすれば必ず壁になるのが税金と法律です。
税金について何か教えたりすると税理士法違反。
うっかり法律事務に立ち入ったりすれば弁護士法違反。
なんてことになります。

それでは、いろんな分野の人が集まってソリューションを提供すればと思うのですが、
これまたなかなか難しい。

ただ、積極的にやっている人はいます。
先日、中学時代の同級生がフリーランスとして成り立つようになったので、納税と社会保険についてワンストップで相談できる人はいないかと尋ねられたのですが、士業同士の協業に熱心な人に聞いたら、あっという間に意中の人材を紹介してくれました。

私もそれなりに動いてはいるつもりですが、まだ緩いです。反省。


でも、国家資格でもない資格(それも半人前)、さらに日本では超マイナーな分野に属する小生は入っていけるでしょうか。
逆に考え方を変えれば、私が入っていけるところはブルーオーシャンの分野に積極的だとも言えますけどね。

静岡県にBCP研究会というものがあり、興味があったので参加しています。

以前、保険関係の方とお話しする機会があって、「機械設備評価の分野といえばBCPに関係してきますね」なんて話があったからです。

保険をかけるにしても実際の企業の時価を正しく把握しておかないと、いざというときに不足に陥ったりあるいは保険のかけ過ぎで保険料の無駄がでたりすることがあるためなんだそうです。

今日、そのBCP研究会の総会があったのですが、直接的に評価が関わる分野というのは余り多くないというのが印象です。

総会の後の講演でインフルエンザ対策の話が出ましたが、インフルエンザの場合は人的な被害が出ても物的な被害は出ないのが通常ですから、資産の査定をする蓋然性は低くなります。

他の危機管理を考えてみますと、地震や津波、テロなどはそもそも保険がでませんから、保険目的で資産の評価をする意味はありません。
結局、火災くらいでしか直接的には役に立たないのかもしれません。


とはいえ、いくつか参考になることも。

講義では時間の関係で端折られてしまったのですが、BCPを推進すると日頃の経営課題の改善にもつながるという点です。これは、講師の方も「これは分からないかもしれませんが本当にそうです」と強調しておられました。
例えば、耐震性に劣る建物で考えれば自明なわけで、古い設備を騙し騙し使っていたりしていれば生産効率、作業効率にも影響してきます。設備の過剰、不足といった点も災害時には脆弱性になり得ます。
この辺は、評価の上でもコストアプローチ(原価法)で出てくる課題です。

また、評価をすることになる副次的効果は経営の問題点が明らかになることだとME201~204の授業の際、講師から何度もレクチャーされています。


直接的に役に立たないと思われるものでも、どこか軸を同じくするところがあるもの。
ダメだと思ってすぐ捨てないで、評価が役立つ場面をもうちょっと探ろうかなと思っています。