6月17日に国土交通省が「既存住宅インスペクション・ガイドライン」を策定しました。
「既存住宅インスペクション・ガイドライン」の策定について
http://www.mlit.go.jp/report/press/house04_hh_000464.html
これまで日本では新築住宅を優遇する政策が採られてきました。
住宅産業は関係する事業者が多く、住宅着工の増大が景気対策の切り札となっているからです。
しかし、近年は人口減少時代に突入し住宅ストックも十分に行き渡ったことで空家が増加傾向にあること、諸外国に比べて短い住宅寿命が国富を食いつぶしているという指摘があり、国が住宅の長寿命化や中古住宅の流通促進にも取り組むようになってきました。
中古住宅の流通でいちばん問題になるのが品質の問題です。
中古住宅は使用方法やメンテナンス、設計施工の良否によって品質にばらつきが出ます。
また、一度建ててしまったものに建築の知識を持たない素人が品質の判断を下すのは容易ではありません。
そこで近年注目を集めているのが住宅インスペクションです。
専門知識を持った人が検査すればいいのですが、専門知識を持った人間が客観的な判断を下せるかというと必ずしもそうではありません。
住宅インスペクションに必要な知識を持ち合わせている人は、大抵建築士や建築業に従事されている方です。
そうなると、「検査をやって悪いところが見つかれば修理もやります」と言うことになるのが普通で、さらに、検査を思いっきり辛くして修理でガッポリというのが商売人の常道です。
そのうえ"中古住宅は修理費が嵩むので結局は新築を買った方が得だ"という意識を消費者に植え付けることができれば「どっちに転んでもおいしい」と言うことになります。
こうした点をふまえて、このガイドラインでは検査人に中立性を求めているのが大きなポイントです。
消費者にとっては検査をやってもらって修理までやってもらえれば楽ですし、検査費用は修理代込みということになればお得とも考えられるのですが、実際はそういう"お客様"こそ"とてもいいお客様"なんですね。
しかし、考え方によっては、売上げを伸ばしたい建築業者とラクをしたい消費者でwin-winの関係と言えるかもしれません。
中立的な立場を売りにしたい我々にとっても興味があることで、今後どうなるか見守っていきたいと思います。