【邦題】愛を読むひと
【監督】Stephen Daldry
【主演】Kate Winslet / Ralph Fiennes / David Kross
2008年 米/独
第二次大戦後の独。15歳だった主人公マイケルは偶然出会ったずっと年上の女性ハンナに惹かれ、彼女との情事にのめり込む。度重なる逢瀬の中で、いつしか彼が彼女に本を朗読して聞かせる事が2人の間のルールとなるが、ある日突然彼女は何の前触れもなく姿を消す。
理由も分からないまま捨てられ終わったひと夏の恋のはずだったが、8年後、法学生となっていたマイケルの前に意外な形で彼女が現れる。ゼミのメンバーで傍聴に行った第二次大戦中の強制収容所の看守たちを裁く裁判で、なんと彼女が被告の1人として法廷に立たされていたのだ。
裁判が続く中、マイケルは自分が知るかつての彼女の行動と法廷での様子から、彼女が実は文盲である事に法廷内で唯一気がつくが、それを隠そうとする彼女は他の被告たちの彼女一人に責任を押し付けようとする証言に同意して責任を被ってしまう。マイケルは自分が証言すれば判決は変わるはずと思いつつ、彼女に会う決心もつかず、思い悩むも結論を出せない中、彼女は被告たちの中で唯一人無期懲役を言い渡される。
その後弁護士となったマイケルは、妻と離婚し1人娘とも離れて暮らすことになった時、引っ越し荷物の中からハンナに読み聞かせていた本を見つけ、それを朗読してテープに吹き込み服役中の彼女に送る事を思いつく。
彼が送り続けたテープは彼女の日々にはりを与え、また彼女はそれと本を使って字を覚え読み書きが出来る様になるのだが、釈放の日、彼女は塀の中で自ら命を絶った。
彼女の遺言に従い、かつて裁判で証言した在米ユダヤ人女性を訪ねたマイケルは、自分自身と向き合う。
1人娘にこの経験を伝える事にしたマイケルは、ハンナの墓の前で想い出を語り出す…。
ハリウッド映画ですから全編英語です、ええ。ドイツ語の欠片も出てきやしない。原作『朗読者』はドイツ人作家の手によるもので、主人公の名前はミヒャエルだったようですが、英語ですのでマイケルになってしまいました…。
かつて焦がれた相手が時を経て突然目の前に現れる。お互い置かれている状況が当時とは全く異なり、ただひたすら傍観者として外から彼女を見つめることしか出来ない主人公。その後も彼女との距離の取り方も、周りとの距離の取り方も上手く掴めないまま、ただ時は流れてゆく…。
ナチスのホロコーストを背景に、人と人との向き合い方、そしてマイケルとハンナの年の差がそのまま戦中・戦後世代の差となり、人の戦後の戦争への向き合い方をも見つめる作。
注)R-12だったようです。
☆☆☆☆(4)