HSBCグループは、国際的な関心を高める「中国・人民元」で運用する商品ラインナップの拡充を進めている。既に、HSBCプレミアのサービスに導入した
「人民元普通預金・定期預金サービス」は2010年10月の取り扱い開始以来、急速に残高を伸ばし、わずか6ヵ月あまりで「人民元は米ドルに次いで2番目
に残高の多い外貨預金に成長した」(香港上海銀行・個人金融サービス本部ヘッドオブマーケティングの小林均夫氏=写真右)。また、新たに6月28日を設定
日として「HSBC中国人民元ファンド」をHSBC投信が設定し、運用を開始する。「預金かファンドかという選択は、お客さまの資金の性格や運用期間に応
じてメリットが異なるため、ニーズに応じた利用が考えられる」(HSBC投信・取締役営業企画本部長の山本賢司氏=写真左)という。
HSBCは、2011年に中国人民元は米国ドルに対して5%の人民元高を予想している。HSBCグローバルリサーチで示している米ドル/人民元の為替 レート見通しは、2011年3月末に1ドル=6.62人民元が、同9月末に6.46人民元、2012年3月末は1ドル=6.3人民元と予想している。この 予想の背景になっているのが、いわゆる「人民元の国際化」の進展であり、「人民元が世界の市場で流通するようになることによって、購買力平価等に基づく現 在の人民元の割安度が解消に向かう」というもの。HSBC投信の山本氏は、「たとえば、購買力平価に基づいて人民元の理論価格を試算すると、米ドルに対し て1ドル=2.4人民元程度が妥当と考えられ、現状の6.6人民元は大幅に割安とみなされる。一気にこの割安度が解消されるものではないだろうが、中期的 な人民元に対する切り上げ圧力に働くだろう」とした。
この人民元の国際化については、2010年6月から人民元建貿易決済が世界各国に拡大して以降、新興国を中心に人民元建決済のニーズが広がっていること に着目。「現在、新興国が中国の貿易相手国全体の約55%を占め、この比率が今後は拡大する見通しにあることから、人民元建貿易決済も拡大し、2010年 7月にオフショアとしては初めての人民元インターバンク市場が創設された香港では、向う3~5年の間に1兆米ドル相当の貿易決済を人民元で行うセンター機 能を担うようになる」(山本氏)として、人民元の海外流通は、今後大きく拡大する方向にあるとする。
HSBC投信が設定する「HSBC中国人民元ファンド」は、円安・人民元高による為替差益の獲得をめざすファンド。実質的に人民元建債券等に投資する が、当初は流通する債券が十分ではないために預金を組入れる。また、人民元建債券の年限が短く、発行利回りは2.4%程度(単純平均)とそれほど高くはな いことなどから、クーポン収入を期待した投資には馴染まない。このため、年1回の決算(分配)として、人民元の値上がりによる為替差益を主たる収益期待に 考える投資家に向けた商品になっている。当初募集期間は6月13日からで11金融機関が取り扱う。6月28日以降に3社が加わり、販売会社は合計で14社 が既に決まっている。販売手数料の上限は購入金額の3%(税抜き)。信託報酬は年間で純資産総額の1.03%(税抜き)。この他に投資対象とする投資信託 証券に年0~0.3%程度の費用がかかるため、実質的な投資家負担は年1.33%(税抜き)程度が上限。
一方で、人民元預金の伸びも順調に進んでいるという。金融資産1000万円以上を条件に口座開設を受け付けているHSBCプレミアの顧客アンケート (2011年5月実施)によると、この人民元預金への預金者の期待も「人民元の為替差益」にあるという。中には、「円または円預金の将来性に対する不安」 を上げる預金者もいた。人民元預金を実行している預金者では、「中国の国力の上昇に伴い、人民元も中長期的にみれば、ほぼ確実に上昇する」ということに 96%の人が肯定的な回答を返している。
顧客アンケートを分析した香港上海銀行の小林氏は、「人民元預金の残高は、全金融資産の15%程度にとどまっており、今後さらに残高を増やしたいという 意向は約50%にのぼっている」と、今後の人民元預金の拡大を見通す。特に、既に人民元預金を始めている顧客と、口座は開いたものの人民元預金を始めてい ない顧客の意識の違いに注目している。「人民元預金を始めているお客さまは、3年以上の長期保有を前提に考えておられる方が56%を占め、為替変動リスク を小さいと考えられている。反対に、まだ人民元に預金されていないお客さまは、想定運用期間が3年未満で考えられており、為替変動リスクも大きいと感じて おられる。多くの方々が、人民元預金を中国関連商品の入り口と捉えられていることから、今後も引き続き、人民元預金の残高は拡大が続くだろう」としてい る。
「HSBC中国人民元ファンド」と人民元預金の違いは、資産運用のコストにある。ファンドの場合は、購入時の手数料(販社によって異なるが上限が購入金 額の3%)の他に、年1.33%の運用管理費用(信託報酬)が必要になる。人民元預金は、購入時の為替手数料が1人民元あたり片道0.18円(9万元以 下)必要で、資金の1.45%程度がコストになる。預金の場合は運用管理費用が不要であるため、頻繁に資金の出し入れをしない場合は、預金の方が管理コス トはかからない。ただし、人民元預金はHSBCプレミア口座の商品であるため、販売単位が1万円から投資可能なファンドとは入り口のハードルが高い。 HSBC投信の山本氏は、「資金の金額や投資期間によって、運用コストは違ってくる。日本でも人民元には値上がり期待が高まっており、HSBCグループと しては、HSBC証券が取り扱う人民元建て社債も含めて日本における人民元関連商品・サービスを拡充し、お客さまのニーズに応えていきたい」と語ってい る。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110609-00000017-scn-bus_all
HSBCは、2011年に中国人民元は米国ドルに対して5%の人民元高を予想している。HSBCグローバルリサーチで示している米ドル/人民元の為替 レート見通しは、2011年3月末に1ドル=6.62人民元が、同9月末に6.46人民元、2012年3月末は1ドル=6.3人民元と予想している。この 予想の背景になっているのが、いわゆる「人民元の国際化」の進展であり、「人民元が世界の市場で流通するようになることによって、購買力平価等に基づく現 在の人民元の割安度が解消に向かう」というもの。HSBC投信の山本氏は、「たとえば、購買力平価に基づいて人民元の理論価格を試算すると、米ドルに対し て1ドル=2.4人民元程度が妥当と考えられ、現状の6.6人民元は大幅に割安とみなされる。一気にこの割安度が解消されるものではないだろうが、中期的 な人民元に対する切り上げ圧力に働くだろう」とした。
この人民元の国際化については、2010年6月から人民元建貿易決済が世界各国に拡大して以降、新興国を中心に人民元建決済のニーズが広がっていること に着目。「現在、新興国が中国の貿易相手国全体の約55%を占め、この比率が今後は拡大する見通しにあることから、人民元建貿易決済も拡大し、2010年 7月にオフショアとしては初めての人民元インターバンク市場が創設された香港では、向う3~5年の間に1兆米ドル相当の貿易決済を人民元で行うセンター機 能を担うようになる」(山本氏)として、人民元の海外流通は、今後大きく拡大する方向にあるとする。
HSBC投信が設定する「HSBC中国人民元ファンド」は、円安・人民元高による為替差益の獲得をめざすファンド。実質的に人民元建債券等に投資する が、当初は流通する債券が十分ではないために預金を組入れる。また、人民元建債券の年限が短く、発行利回りは2.4%程度(単純平均)とそれほど高くはな いことなどから、クーポン収入を期待した投資には馴染まない。このため、年1回の決算(分配)として、人民元の値上がりによる為替差益を主たる収益期待に 考える投資家に向けた商品になっている。当初募集期間は6月13日からで11金融機関が取り扱う。6月28日以降に3社が加わり、販売会社は合計で14社 が既に決まっている。販売手数料の上限は購入金額の3%(税抜き)。信託報酬は年間で純資産総額の1.03%(税抜き)。この他に投資対象とする投資信託 証券に年0~0.3%程度の費用がかかるため、実質的な投資家負担は年1.33%(税抜き)程度が上限。
一方で、人民元預金の伸びも順調に進んでいるという。金融資産1000万円以上を条件に口座開設を受け付けているHSBCプレミアの顧客アンケート (2011年5月実施)によると、この人民元預金への預金者の期待も「人民元の為替差益」にあるという。中には、「円または円預金の将来性に対する不安」 を上げる預金者もいた。人民元預金を実行している預金者では、「中国の国力の上昇に伴い、人民元も中長期的にみれば、ほぼ確実に上昇する」ということに 96%の人が肯定的な回答を返している。
顧客アンケートを分析した香港上海銀行の小林氏は、「人民元預金の残高は、全金融資産の15%程度にとどまっており、今後さらに残高を増やしたいという 意向は約50%にのぼっている」と、今後の人民元預金の拡大を見通す。特に、既に人民元預金を始めている顧客と、口座は開いたものの人民元預金を始めてい ない顧客の意識の違いに注目している。「人民元預金を始めているお客さまは、3年以上の長期保有を前提に考えておられる方が56%を占め、為替変動リスク を小さいと考えられている。反対に、まだ人民元に預金されていないお客さまは、想定運用期間が3年未満で考えられており、為替変動リスクも大きいと感じて おられる。多くの方々が、人民元預金を中国関連商品の入り口と捉えられていることから、今後も引き続き、人民元預金の残高は拡大が続くだろう」としてい る。
「HSBC中国人民元ファンド」と人民元預金の違いは、資産運用のコストにある。ファンドの場合は、購入時の手数料(販社によって異なるが上限が購入金 額の3%)の他に、年1.33%の運用管理費用(信託報酬)が必要になる。人民元預金は、購入時の為替手数料が1人民元あたり片道0.18円(9万元以 下)必要で、資金の1.45%程度がコストになる。預金の場合は運用管理費用が不要であるため、頻繁に資金の出し入れをしない場合は、預金の方が管理コス トはかからない。ただし、人民元預金はHSBCプレミア口座の商品であるため、販売単位が1万円から投資可能なファンドとは入り口のハードルが高い。 HSBC投信の山本氏は、「資金の金額や投資期間によって、運用コストは違ってくる。日本でも人民元には値上がり期待が高まっており、HSBCグループと しては、HSBC証券が取り扱う人民元建て社債も含めて日本における人民元関連商品・サービスを拡充し、お客さまのニーズに応えていきたい」と語ってい る。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110609-00000017-scn-bus_all