1月7日に首都圏の1都3県を対象に出された緊急事態宣言は、1月16日現在、全部で11都府県が対象となっており、今後も対象となる県が増えるかもしれません。
このような状況において、私たち乾癬や乾癬性関節炎のある人は健康な人よりも新型コロナウイルス感染症に関する不安、心配、疑問が多いのではないでしょうか。この記事では、現在入手可能な情報に基づいて、乾癬と新型コロナウイルス感染症についてまとめてみます。
乾癬や乾癬性関節炎のある人が健康な人よりも新型コロナウイルスに感染しやすいことを示す証拠(エビデンス)はありません。したがって、一般的に推奨されている感染防止対策、すなわち、石鹸と流水による手洗い、三密を避ける、不要不急の外出を控えるといったことを心がけるようにしましょう。
生物学的製剤や免疫抑制剤など免疫システムに作用する薬剤による乾癬治療が新型コロナウイルス感染症にどのような影響を及ぼすのかについては、まだ十分な情報がなく、世界的にコンセンサスの得られたガイドラインなどはありません。しかしながら、国内外の関連学会はそれらの薬剤の使用にあたって暫定的に以下のように推奨しています。
- 新型コロナウイルス感染症を疑わせるような症状のない方の場合、現在行っている乾癬治療を中止しなければならないという十分な根拠はありませんが、そのまま治療を継続するかどうかは個々の状況に応じて判断せざるを得ません。高齢者や併存疾患(心臓病、糖尿病、重度の高血圧、肝疾患、腎疾患、呼吸器系障害、悪性腫瘍、喫煙など)のある方が新型コロナウイルス感染症にかかった場合には、その症状がより重篤になるリスクがあります[1-3]。治療を継続するかどうか主治医とよく相談してください。
- 新型コロナウイルスの感染が検査などで確認されている方、あるいは、新型コロナウイルス感染症を疑わせるような症状のある方の場合、投与中の薬剤中止または延期します。
- 生物学的製剤を自己注射で使用している人や免疫抑制剤を服用している人は、ご自身の判断で使用を中止または延期するのではなく、必ず主治医と相談の上、その指示に従ってください。体調が少しでも普段と違うと感じる場合に、すぐに主治医と密な連絡が取れるように準備しておくことが大切です。
オテズラを服用している人についても、現時点で新型コロナウイルス感染症にかかりやすくなることを示す証拠はありません。生物学的製剤や免疫抑制剤を使う場合と同じように、オテズラを飲む際には主治医の先生とよく相談するようにしましょう。
乾癬や乾癬性関節炎のある人の中には、新型コロナウイルス感染症をうつされてしまうのではないかと思い、病院へ行きたくないという人もいます。
たしかに、通院している病院に新型コロナウイルス感染症の患者さんが来ているかもしれませんが、発熱のある方や咳など呼吸器の症状があるなど、新型コロナウイルス感染症にかかっている可能性のある患者さんは、病院入口での体温測定に加え、詳しい問診が行われ、他の患者さんと濃厚接触にならないように十分な配慮がなされています。
もちろん、受診の際にはご自身でしっかりと感染防止対策(マスクの着用、アルコールでの手指衛生など)を行うことは必要ですが、主治医の先生に乾癬の状態をきちんと診ていただくことが大切ですので、なるべく定期的に受診するようにしましょう。
1. Wang T, Du Z, Zhu F, et al. Comorbidities and multi-organ injuries in the treatment of COVID-19. Lancet. 2020. 21;395(10228):e52
2. Yang J, Zheng Y, Gou X, et al. Prevalence of comorbidities and its effects in coronavirus disease 2019 patients: A systematic review and meta-analysis. Int J Infect Dis. 2020. 94:91-95
3. Fang L, Karakiulakis G, Roth M. Are patients with hypertension and diabetes mellitus at increased risk for COVID-19 infection? Lancet Respir Med. 2020. 8(4):e21











