東洋人以外の外国人で、日本を訪れたことがある旅行者や長期滞在している人によく知られている「Gaijin Seat」という造語があります。

何かと言うと、電車やバスで外国人(東洋人除く)が席に座ると、比較的混雑した時間帯でも、その外国人の両隣だけは空席になるという不思議な現象を表した言葉で、その言葉自体は知らなくても、現象自体を体験したことがあるという人は多く、いつしか都市伝説のように、日本を訪れたことがある外国人の間に広まりました。中にはそれを半ば冗談っぽく「外国人特権」と呼ぶ人もいます。

ではなぜ日本人は外国人の隣に座らないあるいは座りたがらないのか。

巨大な旅行バッグを抱え、サングラスを掛け、横柄に足を組んで威圧的な態度で座っていたり、携帯電話で大声で話していたりしたから誰も隣に座りたくなかったのか。それとも二つ分の座席の真ん中辺りにのうのうと座っていたため、他の人が座りづらかったのか。

日本を訪れたばかりの迷惑で無知な外国人旅行者なら、隣に座りづらい理由は色々と容易に想像できますが、日本に3年以上も住んでいて、車内のマナーも知っていて、座るときはいつも身を小さくしてなるべく人に迷惑をかけないようにして座っていて、髪型だって七三にしていて、服装だってスーツ姿で、知的に見えるように眼鏡だってかけていて、携帯電話だってマナーモードにしていて、一人で紳士のように座っている外国人でもそのような体験談を話す人がいます。

女性はどうなのか。実情は女性も例外ではなく、太っていようが痩せていようが若かろうが年寄りだろうが、外国人であればみんな、まるでモーセの目の前の海が二つに割れたように両隣に空席ができます。

なので外国人は頭を絞って色々と考えます。

きっと図体が無駄に大きくてケツがでかいからだと。ガイジンはみな巨体な上に肥満デブなので、それだけで充分威圧的で、そんな奴の隣は怖くて誰も座りたくないのだろうと。

あるいは外国人はみんな体臭がキツくて臭いが移るし、毛むくじゃらで気持ち悪いから、隣になんて座りたくないのかもしれない。

いやそうではない。外国人はみな礼儀知らずなので、ジロジロを無遠慮に見てきたり、すぐに隣の席の人に馴れ馴れしく話しかけようとする。しかも外国人はみな傲慢なので、ここは日本であるにも関わらず、なんと日本語ではなく英語で話しかけてくる。だから誰もそんな奴の隣になんて座る気になれないのだ。

しかも、外国人はみな非常識なので、貧乏ゆすりをしたり、唾を吐いたり、座席が狭いことにムカついて押してきたり、思いっきり足を広げてきたりするし、鞄から携帯電話を取りだして大声で話し始めたりする。だから隣に座るなんてそんなことはできるはずがない。鞄の中から大好物のビッグマックを取りだして食いだすかもしれないではないか。

電車の中でどんなに眠くても、隣に凶悪で野蛮なガイジンが座っていると考えると、とても眠る気になれない。寝てる間に財布をすられるかもしれない。そんなことを考えたら隣に座るなんてゴメンだ。

それか外国人はみんな何らかのドラッグをやっていて、常にラリっているので、急に暴力を振るってくるかもしれず、それが怖くて隣に座れないのかもしれない。

などなど……色々。




でも私は次のように信じたいです……。

決して悪い意味で外人シートができているわけではなく、むしろ日本人のおもてなしの心の現われとして外人シートができているのだと。電車の中にガイジンが座っている。きっと旅行者なのだろう。多分長旅でお疲れなのだろう。それなのにこんなギューギューの満員電車に乗らされて可哀想だ。日本にいる間は少しでも快適な環境を提供したい。だから旅人よ……。あなたの両サイドの席に我々は座りはしない。老人であろうと妊婦であろうと我々は座りはしない。だから遠慮せずゆっくりと心行くまでくつろいでくれたまえ……と。
個人的な話ですが、私にとって英語だと困らないのに日本語だと困ること。


いくつかありますが、最たるものは「you」に相当する適切な代名詞が日本語にないこと。


英語であれば、誰に対しても、例え相手がオバマ大統領であったとしても「you」で全て用が足り、フランス語でも「きみ」なら「tu」、「あなた」なら「vous」、中国語も「你」や「您」の二つで事足りますが、日本語だと相手との関係性によって色々と使い分けなければならないのが、なんとも悩ましいです。

場合によっては、相手を代名詞で呼ぶことすら失礼な場合もあります。

例えば、会社の上司。

若い頃は、「あなた」という言葉は誰にでも使えて、かつ失礼に当たらない代名詞だと思っていたのですが、ある時、上司や目上の人に「あなた」と言うことは失礼に当たるんだと聞かされたときに、非常に戸惑いました。

「あなた」の他に、現代日本で日常的に使っても変でなく、かつ失礼のない代名詞が私には他に思いつかなかったので、ならば何を使えばいいのか分からなくなってしまったからです。

そういう時は、相手の名前、例えば「○○さん」であったり、役職、例えば「課長」や「店長」であったり、彼我の関係性によって、例えば「先生」や「お兄さん」と呼べということでした。

確かに呼び方としてはそうなんですが、私が知りたかったのは、呼び方ではなく、代名詞として何を使えばいいのかということで……。

ところがそういう時は、代名詞は一切使わないで、「○○さん」だったら終始「○○さん」で押し通せってことなんですよね。

他にも、私は関西出身なので、若い頃、大概、同年齢か年下の女性に対しては、友達になれば「お前」という代名詞を使っていたのですが、東京だとこれを嫌がる女性が時々います。

「お前」と言うなと。仕方ないので「あんた」で代用したところ、それも駄目らしく、「きみ」という代名詞は関西ではどちらかというと男らしくない男が使うイメージがあり、若かりし日の男としてのプライドが許さず、これは自分としては使いたくありませんでした。泣く泣く「あなた」と言ったところ、なんか皮肉っぽく聞こえたらしく、これさえも却下されました。

じゃあどうすればいいのだと訊いたところ、やはり名前で呼べということでした。つまりは代名詞は一切使うなということですね。

代名詞で呼ばれるのが嫌な女性は大概「名前があるんだから名前で呼ぶべき。なんのために名前があるの」と言います。

ですが、そうなると何のために代名詞があるのか分からなくなります。世界中の誰でも名前はあるわけで、それでも他の言語だと会話の中に頻繁に代名詞は出てきます。

英語で一々「やあ、トーマス。トーマスに渡したい物があるので、後でトーマスの家に行っていいかい?トーマスが良ければだけど」なんて会話はしません。

「トーマス」はまだいいとして、「○○ちゃんのお母さん」なんて呼び方をしないといけない相手だったら、会話中に舌を噛み切りそうです。


そもそも代名詞が場合によって一切使えない言語というのは言語としていかがなものかって思います。なんとも不便に感じるし、第一、会話をしていて気持ち悪い……。英語の「you」に慣れ親しんだ者としては特にそう思ってしまうのかもしれませんが……。




日本語で会話をする時、せめて「あなた」くらいは、誰に対しても使って良い代名詞ってことにしてくれませんかね……?
私が大人になってから、15年ぶりくらいにカリフォルニアを訪れた時、一番最初に驚いたことは、太った人がやたらと多いことだった。

「あれ・・?こんなにも、みんな太ってたっけ???」

街中歩いていても、太った人がものすごく増えている印象があった。

小さい頃に好きだった幼馴染の女の子に再会したとき、丸々と太った姿を見て、かなりのショックを受けたものである。昔はあんなに可愛かったのに・・・。

でも彼らはみんな明るく陽気だ。

アメリカでは親密でもない相手に「あら、あなた最近太ったんじゃない?」ということは、「あら、あなたの髪って、もしかして、それ・・・ヅラ?」というぐらい、失礼なことで、絶対言ってはいけないタブーだったりするので、どんなに太っててもみんな平然と町を歩く。


ある日、私が現地のスーパーに買い物に行った時である。

仲の良さそうな、かなり太った白人の老夫婦が買い物カートいっぱいに、1週間分の食料品を乗せレジに並んでいた。彼らが何を買い物したのだろうと、中身を見ていたのだが、カートの中に入っていたのは、ポップコーンや、ペプシコーラ、トルティーヤのスナック菓子、朝食用のシリアルや、3キロくらいありそうな牛肉の塊、マカロニ&チーズ、冷凍ピザや、箱買いしたチョコレートバーなどだった。

他の老人客のカートも何人か見たが、大小の差はあれ、似たような品目が並ぶ。

無論、家族のために買っているのではない。彼らが食べるために買っているのである。

確かに野菜や果物なども買っていたりするのだが、私のその時抱いた感想は、子供が好きそうな食べ物ばかりだなぁ、というものだった。

アメリカ人の多くは、大人になっても、老人になっても、子供の時に好きだった食べ物を食べ続ける。おじいさん、おばあさんになっても、ピザを食べ、コーラを飲み、ハンバーガーを食べ、クラムチャウダーをすすり、ソーダを飲み、チョコレートを頬張り、スパゲッティを食べ、チキンを貪り、シリアルを食べ、マッシュポテトを食べ、タコスを食べる。

日本人のように、大人になってから、煮魚定食を食べるようになったり、大根おろしが好きになったり、奈良漬が好きになったり、納豆を食べるようになったり、ひじきの煮物を食べたり、お袋の味が恋しくなったりすることが無い。

なぜなら、アメリカ人にとって、お袋の味がもう既に、ピザやサンドイッチや、ハンバーガーだったりするからである。ファストフードやデリバリーなどの外食も非常に多い。アメリカ人にとっては、大人が食べる物も子供が食べる物も同じであり、子供が好きそうな高カロリーの食事、その一種類しかないのではないかとすら思えてしまう。

なので、急に大人になってから、日本食を食べるようにしましょうとか、果物を多く摂りましょうとか、野菜中心の食事をしましょうと言っても、これはかなりキツイ。

小さい頃食べた味というのがどうしても忘れられない。いくらお茶を飲むようになったとしても、小さい頃から水代わりに飲んでたコーラが飲みたくなるし、たまにはハンバーガーやフライドチキンも食べたくなる。

決してアメリカ人が、怠惰だったり、根性が無かったり、お子ちゃまだったりするのではなく、小さい頃の食習慣、親の食習慣や周りの環境が、大人になってからの低カロリーな食生活の変更を非常に難しくしているのではないだろうかと、私はそう思うのである。

日本人も今はいいけれども、昔ながらの日本食を食べる伝統を守り続けなければ、アメリカ人の悩みをいつしか共有することになるかもしれない。


$対岸の夜明け-american food
アメリカで現在「肥満」は深刻な問題である。全米の成人肥満率は過去25年で倍増し、2004年には32%にまで上昇、NPO団体「米保健トラスト」の報告によると、現在、米国では成人の3分の2が肥満や太りすぎに該当するという。米国ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ校の研究によると、2015年には、アメリカ人の成人の75%が過体重、41%が肥満になるだろうと報告している。

テレビでは連日のように、ダイエット番組、ダイエット器具の通販番組、健康番組、低カロリーの料理番組などが流れていて、国民の関心も非常に高い。アメリカは50州あるが、州別に肥満率を出し、なぜこの州は肥満率が低いのかといった特集などもやってたりする。

一方で、日本人成人の肥満率は3%と先進国の中でも最も低い国の一つであり、女性の平均寿命に至っては85歳と世界一長寿である。

そういった理由があり、アメリカのダイエット番組に必ずといって登場するのが、日本料理や日本のライフスタイルだ。

なぜ、日本人は痩せているのか?なぜ日本の食事は健康的なのか?ということが、殊更取り上げられ、日本の低カロリー食や、腹八分目の概念、お茶の有効性などが、大部分大げさに、偏重気味に報道される。

当然ながら、日本食だって、諸外国に比べ、揚げ物の割合が多かったり、塩分の摂取量が欧米人の倍だったりと、問題だと思われる面も多々あるけれども、そういう側面には一切光が当てられることはない。カツ丼やカレーライス、ラーメンといったメニューは、こういった番組では存在しないものなのだ。

彼らのダイエット番組に登場する、日本人の食生活は、焼き魚に味噌汁、おしんこに麦ご飯と非常に質素だ。我々日本人は、あたかもお坊さんのような生活をしているかのように描かれる。

このようなダイエット番組では、見事なプロポーションの女性司会者が、にこやかに、痩せて夢のようなライフスタイルを手に入れようと、視聴者に訴えかける。

これらの影響によって、極端な健康オタクも現れ始める。毎日ジョギングをし、週末はジムに通い、ファストフードやジャンクフードは口にせず、マクドナルドやスターバックスを憎み、挙句の果てには、肉類を一切絶ち、無農薬の有機野菜しか口にしないという人もいる。私は、こういうアメリカ人に日本で何度か会ったことある。彼らはもの凄く食事に気を遣い、レストランに行っても、いちいち「これは健康に悪い、これは体に毒だ」と文句を付けるのだが、正直、日本人でこういう人に会うより、アメリカ人でこういう人に会う回数の方が多いのではないかと思う。

ではなぜアメリカ人は痩せられないのだろうか

長くなったので、続きは後編で。。。
冗談みたいな本当の話。

Universal Picturesが現在『47 ronin』のタイトルでハリウッド版忠臣蔵を製作しています。

この作品の製作が最初にアナウンスされたのは2008年の12月で、「マトリックス」でお馴染みのキアヌ・リーヴスが主演を務めることが報告されました。Variety紙の報道によると史実がそのまま描かれるわけではなく、「ロード・オブ・ザ・リング」のようなファンタジー色を出した作品になるとのこと。戦闘シーンも「グラディエイター」のようなザラザラした感じにしたいそうです。

監督はCarl Erik Rinschという人で、今までショートフィルムを多く撮っていたらしく、今回この作品が長編デビューになります。Universalは映画の制作費として1億7000万ドル(約141億円)つぎ込むと発表していて、映画雑誌The Hollywood Reporterは、新人監督にこの予算はかなりリスキーだと書いています。

脚本は東京を舞台にしたワイルドスピードの3作目「ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT」を手がけたChris Morganと渡辺謙も出演した「シャンハイ」のHossein Amini。

2011年3月に入り、4人の日本人俳優の出演が発表されました。

真田広之・・・「ラストサムライ」「サンシャイン 2057」「ラッシュアワー3」「スピード・レーサー」など英米の作品に多く出ていて、最近ですとアメリカのテレビドラマ「LOST」に出演しました。本作では大石内蔵助を演じます。この人の英語はかなり綺麗です。

浅野忠信・・・ロシア映画「モンゴル」や北野武の「座頭市」、三池崇史の「殺し屋1」などで、海外の日本映画ファンには有名な存在。本作では吉良上野介を演じます。

菊地凛子・・・「バベル」でアカデミー助演女優賞ノミネート。本作の脚本を担当するHossein Aminiの「シャンハイ」にも出演しています。本作での役は「ミステリアスなミズキという名の女」という恐らく架空の人物。

柴咲コウ・・・「バトル・ロワイヤル」を観たタランティーノから「キル・ビル」のGogo Yubari役をオファーされたものの、スケジュールが合わず出演を断念したそうで、今作がハリウッドデビュー。本作での役柄は、主人公のキアヌが恋する相手だとか。まあヒロインと言ってよさそうです。

$対岸の夜明け-47 ronin


Variety紙によると、出演者は、アメリカでの認知度があるかどうかではなく、物語に正当性を持たせられるかどうかで配役するとの事。

肝心の主人公キアヌは何役なのかと言うと、イギリス人と日本人のハーフの侍だそうです。

撮影は2011年3月14日からハンガリーのブダペストで行われ、その後イギリス、日本などでの撮影も計画されています。

アメリカでの公開予定日は2012年の11月21日で、3D作品になるとのこと。




ちなみに関係ない話ですが、「ronin」や「samurai」は日本語由来の英語なので、複数形でも最後に「s」が付きません。なので七人の侍は「seven samurai」、本作は「47 ronin」なんでございます。