ロシアでは5月9日、「対独戦祝勝パレード」なるものが実施されたが、ここで「独ソ戦」の実態に触れつつ、一人のドイツ軍の名将を紹介しよう。

その人物は、ハインツ・グデーリアン(上級大将)とともに、迅速果敢な“ドイツ電撃戦の父“と呼ばれたエーリヒ・フォン・マンシュタイン(陸軍元帥)である。画像を見ればわかるように、高度な知能と高潔な人格の持ち主でもあった。

ドイツ軍による「電撃戦」とは、300万人の大兵力と、戦車3000両からなる機甲師団によって怒涛の進撃を加えるものだ。これに対し、現在のロシア軍は実質30万人程度しかおらず、兵站(物資などの後方支援)はガタガタで戦車はポンコツ、旗艦巡洋艦はオンボロで撃沈されるなど、その実態は”張子の虎”で、この程度なら日本の自衛隊(20万人弱)でも勝てる可能性がある。

 

例えば、私が今の日本軍(自衛隊)の参謀総長ならウラジオストクを奇襲攻撃したあと、沿海州と樺太と千島方面に侵攻し、東西に戦力が分断されたロシアを屈服させ、世界から感謝を得てみせる。残念ながら、平和は武力でしか維持できないのである。知床観光船事故の背後にもロシアの影がちらつく。ウクライナの最大の失敗は「核兵器を手放した」この一点にある。

 

ちなみに、日本も自衛隊別班(ムサシ機関)が核兵器を保有、管理しており、例えば、極超音速化などの最新技術開発は北朝鮮にやらせている。また、防御面ではHAARP(統合地球物理学装置)があり、すべての核ミサイルを起爆不能にして不発弾にできる。

 

さて、マンシュタインに話を戻すと、彼はプロイセン将師(貴族)の子息であり、第二次世界大戦で活躍した将帥たちの中でもとりわけ有能な将帥として知られる。日本軍で彼に比肩しうる軍人は石原莞爾か山下奉文、栗林忠道くらいだろう。例えば、山下は真珠湾攻撃計画を聞かされた時、「5個師団10万人を自分に預けてくれれば、海軍が米国太平洋艦隊を壊滅ないし引き付けている間に米国西海岸に上陸し、一か月で米国全土を制圧してみせると作戦書を提出した。が、日本の勝利を望まない山本五十六ら(本稿「生きていた山本五十六」参照)が協力を拒否し実現しなかった)。

 

またマンシュタインは、西方電撃戦(対仏戦)の立案者、功労者でもあり、その後ポーランドを一撃で蹴散らした後、独ソ戦開始後はクリミア半島とレニングラード攻撃を指揮して攻略。

 

その後、「バルバロッサ作戦」でモスクワを事実上包囲しておきながら突然ヒトラーの不可解な命令(本稿「生きていたヒトラー」参照)により主力軍をスターリングラード攻防戦に転進(ブラウ作戦)させた結果、冬将軍の到来により兵站が途絶え、ソ連軍が優位に立った。が、その後の攻勢を食い止め、第三次ハリコフ攻防戦でハリコフ(ウクライナ)を陥落させた。これは緒戦におけるキエフ包囲戦に並び、東部戦線におけるナチスドイツの最も大きな勝利の1つである。

 

マンシュタインは最高指導者であるヒトラーの決定に逆らわなかったが、対案を具申し、ヒトラーに対してはっきりと意見を開陳する数少ない将軍の1人だった。その名将ぶりは戦時中のアメリカでも知られ、「タイム」でも醜悪な顔に描かれることなく毅然とした顔で表紙を飾り、「我らの最も恐るべき敵」と評された。

 

 

と同時に、一般住民やユダヤ人らへの虐殺指令を無視し、本来の戦略に基づく作戦を粛々と継続した。確かに、独ソ戦ではロシア人軍民2600万人の犠牲者が出たといわれるが、これは主に、当時食糧危機にあり、大衆の怒りが政権に向かうことを恐れたスターリンによる“人口削減計画”の結果で、武器も持たない裸足の民衆をドイツ軍陣地に向けて突撃させ、逃げ出す者は背後からソ連軍の督戦隊が射殺するスターリンの“大量虐殺行為(人減らし)”だった。

 

 

また、ロンメルから「ヒトラー暗殺計画」への参加を要請されたときは、「プロイセン騎士は主に背かぬ者」と言って断った。

 

ヒトラーはそんなマンシュタインの才能と人望を恐れ、1944年に突然予備役に編入、引退させた(責任を軽減させて戦後、復活させる予定だったとの説もある)。

 

マンシュタインも終戦直後、例にもれずニュルンベルク裁判でA級戦犯とされるが、ソ連軍を知る唯一の戦略家として、その才能と人物を惜しんだ連合国側からの相次ぐ除名嘆願により釈放され、戦後は西ドイツ軍最高軍事顧問に就任している。

 

実際、彼は第二次世界大戦を「ドイツ国民と西欧を守る正義の戦いであった」と発言しており、目下、ウクライナで病院、高齢者施設、学校、難民避難所などを、それと分かったうえで攻撃し、残虐行為を繰り返している共産主義者(ロシア=ソ連)とは大違いの、誇り高き「生粋のプロイセン騎士(貴族)」であった。

 

なお、今回のウクライナ紛争の真相(國體論レベルでの)については、この先にある”更なる展開”が済んで以降、適切な時期に明らかにしよう。ベレンスキー大統領がユダヤ人の”役者”あがりであり、また、トランプ大統領が「プーチンは天才だ」などと本音を漏らした点、未だドイツと日本だけがロシアから天然ガスを輸入し続け、ロシアの外貨獲得を支援している点などに深層が見え隠れしている。