日米開戦と国際金融資本(5)マルクス主義の「二段階革命論」とは

 

ちなみに、紛らわしい「民主主義」や「社会主義」「共産主義」について簡単に整理しますと、これらは「マルクス・レーニン主義」で主張される「二段階革命論」で説明できます。

 

マルクス主義の唯物史観に基づく社会の発展形態観によると、まず封建制下では、新興階級であるブルジョワジー(資本家階級)が「ブルジョア民主主義革命」を起こして封建領主や絶対君主を打倒、資本主義的生産関係を確立した上で近代民主国家を成立させます(資本主義)。

 

次に、新たにブルジョワジー(資本家階級)と労働者階級の対立が生まれる中、労働者階級は「プロレタリア社会主義革命」を起こして生産関係を国有化(社会主義)し、最終的には「一党独裁」の下、私有財産制をなくします(共産主義)。

 

ただ、未だ封建的段階を脱していない社会や、外国に支配されている植民地である場合、革命の第一段階から、資本主義的生産関係を確立しない「プロレタリア社会主義革命」を起こします。例えば、ロシア革命では皇帝を追放した「二月革命」が「社会主義革命、ボルシェビキ(強硬派)が権力掌握した「十月革命」が「共産主義革命」とされ、

 

中華革命では「辛亥革命」が社会主義革命、中国共産党が権力掌握した「国共内戦」が共産主義革命」とされます。日本もこの二国と類似した「天皇制」を中核とした国家ですが、その強固な國體故に、敗戦にもかかわらずシナリオは実現せず、せいぜい"欧米流の憲法制定"による「資本主義的近代民主国家」が出現させられたに留まっています。