今日6月30日は「夏越(なご)しの大祓(おおはらえ)」。

 

全国各地の神社では、厄払いとなる「茅の輪くぐり」の神事が執り行われ、これまでの半年の穢れを落とし、残り半年間の無病息災を祈願します。

 

そんな特別な日にいただくのが、京都の伝統菓子「水無月(みなづき)」。

 

 

白いういろうの上面に甘く煮た小豆をのせ、三角形に切り分けたもので、三角は四角を半分にしたことで一年の半分を示しているとも言われ、また小豆の赤い色にも厄除けの意味があるとされています。

 

ただ今年はちょっと趣向を変えて、京都「和久傳」製のささのか菓子「笹水無月(ささみなづき)」をいただくことにしました。

 

 

 

 

和久傳さんの「ささのか菓子」と言えば、れんこん菓子の「西湖せいこ」を思い浮かべる方がほとんどと思いますが、実は季節ごとに趣のあるささのか菓子が作られていて、特にこの「笹水無月」は夏の大祓のためだけに作られる菓子なので、6月28、29、30日の3日間のみ販売されます。

 

涼やかな竹籠にシックな掛け紙、粋な真田紐があしらわれた「笹水無月」は、和久傳さんならではの隙のない、かんさびた佇まい。

 

 

 

 

 深緑をたたえた二枚の笹の葉に包まれた菓子を一口含むと、上質な葛のとろりとした食感にほのかな笹の香がフーッと鼻に抜け口中いっぱいに広がります。

 

 

 

 

ほっくりとした小豆も優しく滋味深く、一口を重ねる毎に、梅雨で鬱々とした心身から穢れがとり払われ、瑞々しい新たな生命力が五臓六腑の隅々まで行き渡って行くような気分になります。

 

梅雨もコロナもまだしばらく続きそうですが、皆様の“無病息災”を心からお祈りしています。