晴明なる小春日和のもと大嘗祭「大嘗宮の儀」がつつがなく催され、16日にはその参列者を天皇陛下が皇居に招かれての「大饗の儀」が、宮殿・豊明殿で行われました。

 

冒頭の画像は、記念の品として出席者に下賜された「挿花(かざし)」。令和ゆかりの梅花と竹が繊細に象られた、それは雅な銀細工です。

 

 

天皇・皇后両陛下の御座の背景には、大正、昭和、平成の大饗の儀でも掲げられた、今尾景年筆による長さ9.3mもの墨絵「錦軟障(にしきのぜじょう)」が配置。

 

 

その左右には、「大嘗宮の儀」に新米を献上した()()地方(=栃木県)と主基(すき)地方(=京都府)の四季の風景と、関連する和歌が描かれた屏風(びょうぶ)が設置されました。

 

饗宴中は、大嘗祭ならではの古式ゆかしい歌舞が、両地方の風俗舞なども交え演じられましたが、詳しくは会場で配布された歌舞解説の画像をご覧下さい。

 

 

歌舞の始まりは久米舞。

 

 

久米舞は、皇室にゆかりのある宮中の儀式用の国風歌舞の一つで、歌詞は神武天皇の御製と伝えられ、現存する日本最古の歌舞とされています。

 

続いては、公達姿の男性による悠紀地方と主基地方の風俗舞。この舞は、大嘗祭の都度新たに作られるものです。

 

 

仕舞は「五節舞」。日本の雅楽では唯一女性によって演じられ、大嘗祭や新嘗祭など皇室の豊明節会で奉じられ、天武天皇の御代に作られた舞と言われています。

 

 

めでたく、(あで)やかさで、清々とした豊明殿の華やぎが、結晶したかのような御下賜の「挿花」に、「令和の時代よ、平安で幸多かれ」と願いを込める大饗の儀でありました。

 

 

歌舞に代わって、当日供せられたお料理については次回の「献立編」で、またお伝えさせていただきます。

 

 

※「挿花」と「歌舞解説」以外の掲載画像は、宮内庁および報道機関代表者により公表されたものです。