小学1年:宮内れんげ 小学5年:一条蛍
中学1年:越谷夏美 中学2年:越谷小鞠
中学3年:越谷卓
『のんのんびより・りぴーと』………
田舎の分校(旭丘分校)に通う5人の生徒達がスローライフな日常を通し様々な体験を経て少しずつ成長していくお話しです(成長してるのかぁ~?)。
…主に女の子4人が毎回物語の中心を担っていくのですが、全編を通してとにかく楽しい作品です。クスクス笑いながら最後にはほっこりさせられる‘ほのぼの’アニメ!、それが本日紹介する『のんのんびより・りぴーと』です。以前このブログで前作の『のんのんびより』を大絶賛したのですが、今回もまたまた大絶賛させて頂きたいと思います。
…ところで全12話について、とても書けないので僕が特にお薦めの第4話を紹介したいと思います。
第4話「てるてるぼうずを作った」
梅雨時真っ最中の日曜日、ピカピカの1年生になったれんげに、お祖母ちゃんから遅まきながら入学祝いの自転車が届きます。れんげは早く自転車の練習をしたいのですが雨は一向に止む気配がありません。そこで雨が上がるようにとてるてるぼうずを作り始めるのですが、小さなてるてるぼうずでは効果がないぞと思ったれんげは急遽自分自身がてるてるぼうずに……白い紙皿でてるてるぼうずの顔を作り、白の雨ガッパを被って準備万端!、おねえちゃんの許しを得て外に出たれんげは、バケツとスコップを持ち出しカンカンと打ち鳴らしながら天に祈願の雨中行脚!…そこへ本を返しにやって来た小鞠がハチ合わせになります。小鞠は雨で視界の悪い道からやってくる異様な姿のれんげを妖怪と勘違い、悲鳴を上げ宮内家の玄関へと逃げ込みます……しかし玄関を開けるとそこにはれんげを驚かそーと紙皿の仮面を被ったおねえちゃんがお出迎えぇぇ~……果たして小鞠は1度ならず2度悲鳴を上げることになるのでした。
…それからしばらくして早くもてるてるぼうずの効果があったのか天気は回復に向かい日差しが戻って来ます。れんげ・蛍・夏海・小鞠の4人は自転車を駆って早速遊びに行きます。4人が向かったのは田んぼ、そこでれんげは大量発生しているカブトエビを捕まえ教室の水槽で飼育することに……れんげはカブトエビ達にひらたいらさんという名前を付け観察日記を始めるのですが幾日かが過ぎたある日、水槽に異変が!…な・なんとカブトエビが全滅に………!!れんげは死んでしまったカブトエビのひらたいらさん達のためにお墓を作るのですが、あまりのショックに意気消沈してしまいます。
…ところが、ところが、夏海の機転でカブトエビが復活?、なんと捨てようと思っていた水槽の敷き土(砂かも)にカブトエビが卵を産んでいたのでした。「もしかして……?」と思った夏海はれんげに内緒で敷き土(砂かも)の入った水槽に再び水を張り、そっと教室に戻しておいたのでした。翌日、ショックの冷めやらぬれんげに対して夏海は水槽を覗き込むよう促します。れんげは怪訝そうにそっとガラス越しの水槽に目をこらします。……するとそこには小ちゃな小ちゃなカブトエビの赤ちゃん達が元気な姿で泳いでいたのでした。
第4話の前半はユーモラスなれんげの発想や行動と、小鞠の純真な心根が妖怪を現出させるという大変微笑ましい、しかもとても中2の女子とは思えない無垢な心の有り様を表現しています。都会の中2女子だったら石投げたり蹴り入れたりする奴もいるかも知れませんが、こういった女子の姿を見るとちょっとしたノスタルジック感を覚えます。
後半のカブトエビのお話しは命の尊さを余すことなく描いています。小さなれんげが初めて遭遇した死生観、生あるものはいつかは亡くなってしまうというとても重い命題を突き付けられますが、同時に新たな命の誕生が用意されており、れんげがこの出来事を通して今後これまで以上に生命に対し慈しみの念を抱くであろうという暗示が見て取れます。
『のんのんびより・りぴーと』は前作以上に{人と人}、[人と自然}の関係や在り方を子供たちを通して代弁させ、僕たち大人への問いかけとしています。都会に暮し埋没してしまった人間の良心の回帰を促しているのかも知れません。
…ただの‘ほのぼのアニメ’と思うなかれ!『のんのんびより・りぴーと』は家族で見て、考えるなかなかに優れモノな作品だと僕は思います。