~マンガ本・栄光なき天才たち~ | 自炊・電子書籍化応援ブログ

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 久しぶりのマンガ本紹介でございます…といっても新刊本ではなくてかなり以前に刊行された作品です
1986年から1992年まで「週刊ヤングジャンプ」に連載されていた{栄光なき天才たち}というマンガなのですが、これがなかなかに読み応えあるマンガ作品でして………。

世に歴史上の有名人や偉人を取り上げた著作物は数あれど、そういったモノとは一線をかく偉人伝なのです。今日では歴史的再評価がなされていたりする人物でも過去においては大した評価もなされず、また中にはほとんど知られていないような人物にスポット・ライトを当て、その素晴らしい成果を詳細に描いた秀作でもあるのです

全17巻が刊行され、後には{栄光なき天才たち2010}、{栄光なき天才たち2011}、{新・栄光なき天才たち/全3巻}も刊行されています。…一応参考までにどのような人物たちの評伝が描かれていたのかを書き下しておきます。
《栄光なき天才たち》
【第1巻】
エリシャ・グレイ、古橋廣之助、エヴァリスト・ガロア、エンリコ・フェルミ
鈴木梅太郎・サチェル・ペイジ・人見絹枝・ドルトン・トランボ
【第2巻】
ニールス・ヘンリック・アーベル、サルバドル・サンチェス、グレゴール・ヨハン・メンデル、樋口一葉、フリッツ・ハーバー、ウェルナー・カール・ハイゼンベルグ、吉岡隆徳

【第3巻】
鈴木金吉(鈴木商店)、東大野球部、リッチー・バレンス、ヘンリー・G・J・モーズリー、ロバート・ファルコン・スコット
【第4巻】
北里柴三郎、山極勝三郎、野口英世、プレストン・トーマス・タッカー
【第5巻】
円谷幸吉VSアベベ・ビキラ

【第6巻】
理化学研究所(大河原正敏・鈴木梅太郎・寺田寅彦・仁科芳雄)、平賀譲、立松和博
【第7巻】
デビット・ウォーク・グリフィス、マリリン・モンロー
【第8巻】
C・E・ツィオルコフスキー、R・H・ゴダード、ヘルマン・オーベルト、V2ロケット開発からアポロ計画へ(フォン・ブラウンとロケット開発に関わった人物たち)
【第9巻】
スウェン・ヘディン、沢村栄治
【第10巻】
川島雄三、島田清次郎
【第11巻・第12巻】
浮谷東次郎
【第13巻】
ハリー・フーディーニ、マンチェスター・ユナイテッド(ボビー・チャールトンを中心にUEFAでの初優勝を飾るまでの軌跡)
【第14巻】
ウイリアム・C・デュラント
【第15巻】
満州超特急・亜細亜号開発(亜細亜号で世界最速を目指した南満州鉄道の人々の開発の軌跡)
【第16巻】
名取洋之助
【第17巻・最終巻】
佐藤次郎
《栄光なき天才たち2010》
福永洋一、高畠導宏、マーク・エイブラハムズ
《栄光なき天才たち2011》
豊川順彌
《新・栄光なき天才たち》

【第1巻】
トマス・ニューコメン、ジム・ソープ、三世沢村田之助、アレクサンドル・S・ポポフ、太田恭三郎、ルドルフ・ニールリッヒ、ヤノシュ・ボーヤイ
【第2巻】
C・R・マッキントッシュ、西郷四朗、ワルター・ツァップ、高木徳子、ブノワ・ルクワイロール
【第3巻】
カレル・チャペック、ロベルト・クレメンデ、若尾逸平、鈴木三重吉、高橋直人、ワイアット・アープ

各巻の人物表記をしてたらエラく長いブログになっちゃいました(すみません)。…なんか以外と昔から有名だった人も上げられているよーに思いますが、リアルタイムな時間・時代の中では評価されなかったり、もしくは評価が低い人物(組織もね)だったりしていたよーです。

僕は第1巻・第1話のエリシャ・グレイがとても印象に残っています。
今日では電話の発明者は紛れもなくアレクサンダー・グラハム・ベルなのですが、実はベルが特許申請をした僅か2時間後にエリシャ・グレイが申請に来るのです………発明は同時期だったのに特許の遅れがベルグレイの明暗を分けたという何とも運命的なお話し
……。
{栄光なき天才たち}の多くは素晴らしい発明や才能を発揮しながら、その人生はかなり不遇です。…後世に評価されるも当人が存命中は妥当な評価を受けなかった訳ですから、人の世は何とも物悲しい限りです

とにもかくにも、これまた一読の価値有りだと思うので、興味と関心のある方はぜひぜひお手に取られてはいかがでしょーか