~春だ、春なんだなぁ……~ | 自炊・電子書籍化応援ブログ

自炊・電子書籍化応援ブログ

自炊や電子書籍化を応援するブログです。

 本当に厳しい冬でした……

……底冷えするような早朝の寒さも感じなくなりました。
また桜の開花もあちらこちらで聞かれるようになり、やっとの思いでの訪れを迎えたように思います。

当社(JSS/ジャパンスキャンサービス)の周辺にも春の光景を見つけることができるようになりました。

隣接する田んぼや道々の片隅にも春の色味が広がり始めています。


そんなの一日を思いながら、春を文字で刻んだ文学を幾らか紹介したいと思います。
(俳句)-春風や 闘志いだきて 丘に立つ   高浜虚子
(俳句)-近づくにつれ塔重き 春の暮      山口誓子
(俳句)-菜の花や 小学校の 昼げ時     正岡子規

(短歌)-雲ふたつ 合はむとしてはまた遠く
      分れて消えぬ春の青ぞら        若山牧水

(小倉百人一首)
      君がため 春の野にいでて 若菜摘む
      わが衣手に 雪は降りつつ      光孝天皇

(詩)-「春」
    春は土と草とに新しい汗をかかせる。
    その汗を乾かそうと、雲雀は空に隲る。
    瓦屋根 今朝不平がない、
    長い校舎から合唱が空にあがる。

    
ああ、しずかだしずかだ。
    めぐり来た、これが今年の私の春だ。
    むかし私の胸搏った希望は今日を、
    厳めしい紺青となって空から私に降りかかる。

    
そして私は呆気てしまう、バカになってしまう
    一一藪かげの、小川か銀か小波か?
    藪かげの小川か銀か小波か?

    
大きい猫が頸ふりむけてぶきっちょに
    一つの鈴をころばしている、
    一つの鈴を、ころばして見ている       中原中也 

……よく芸術の秋、文学の秋などと言いますが、春先のわずかに冷えた空気が残る今頃。
それゆえ、それなりに頭も冴えている環境は何がしか春を語る文字をたどると、体感に加えて心も春を強く感じられるように思います。
(……また僕の場合は、もはやナツメロの域かも知れませんが、
小椋佳の一曲・春なんだなぁをむしょうに聞きたくなります)。

東北や北海道では未だに雪景が幅を利かせているような、いないような……
それでもの景色が全土を覆うのも後わずかなようです。