~人間の悲哀が描かれている東宝特撮映画・3部作~ | 自炊・電子書籍化応援ブログ

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 この間からチョットずつ観ていた映画がありました。
結構昔の映画なのですが、俗に東宝特撮映画・変身人間シリーズ・3部作と言われている3作品です。

[年代順]
・美女と液体人間(1958年)-白川由美、佐原健二ほか
電送人間(1960年)-鶴田浩二、白川由美ほか
ガス人間第1号(1960年)-三橋達也、八千草薫ほか

美女と液体人間は……1954年・アメリカの水爆実験により被爆した日本の漁船・第五福竜丸の実際の事故(事件)を下地に、被爆漁船の乗組員達が放射能により液体人間と化し、東京で殺人を繰り返すという話しです。

電送人間は……敗戦のどさくさにまぎれて軍の資金や金塊を横領した上官たちが口封じのために殺したはずの、元部下(中丸忠雄)に何処にでも瞬時に現れそして消えることができる物質伝送装置で復讐されるというお話しです。

ガス人間第1号は……違法な人体実験によりガス人間(土屋嘉男)にされた主人公が不条理な社会に対し偏愛と復讐の権化と化していくお話しです。

…この3作品はいずれも円谷英二氏という優れた特撮監督の技術があってこそ映像化できたものなのですが、しかし作品自体のクオリティーが高い最たる理由は何と言っても脚本にあると思いました。

当時の社会が抱える様々な問題や出来事、また大衆が不合理だと感じていた社会の仕組みや有り様を物語の根底に据えている点です。
(当時は池田隼人元総理の所得倍増計画前後の時代であったことも相まった庶民の生活観が描かれていた)。

さすがに今から半世紀以上前に作られた映画ですから、古臭いと言えばそれでおしましなのですが………。
一連のゴジラシリーズ同様、モンスターを生み出した元凶が人間自身であるということや、当時の庶民の暮らしぶりや、それらを取り巻く社会世相がしっかりフィルムに刻まれていることに感心しました。

まだテレビが完全に映像メディアの主役足りえなかった時代……
これら映画が社会や国家、そして世界の姿を伝える一端を担っていたんだなぁ~…などと思いながら鑑賞を終えた僕なのでした。


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…と言うことで(どー言うことなんだか
)またまたyou tubeにこれら3作品+マタンゴの劇場公開予告の映像があったんで貼っ付けときます
(UPして下さった方、ありがとうございます)。