本日(1月26日)の千秋楽まで、(いろいろ文句を書いていたりもしたが…)連日、『NHKの大相撲中継』をリアルタイムで見ていた。

 

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今日の驚きは、結局、豊昇龍が『優勝決定戦』で金峰山、王鵬を連破して、(見た感じでは…)圧倒的な強さ(勝ちたい、優勝したいという思いも、三人のなかで最も強かったのではと感じた)を発揮して、ついに『横綱審議会』や『相撲協会理事会』のうるさい注文も乗り越えて、あっという間に『綱取り』を実現してしまったという点だ。

 

豊昇龍自身も、『このチャンスを逃せば、綱取りが出来るかどうかわからない』という思いがあったのだろうし、『相撲協会』のほうでも、ロンドン場所を25年10月15~19日に控えているなかで、『これで、ようやく横綱不在、土俵入りなしの海外公演・アルバートを回避出来る』とほっとしているところだろう。

 

(なお、大相撲の海外公演は、2005年に米・ラスベガスで開かれて以来であり、ロンドンの同じ場所=ロイヤル・アルバート・ホール=での開催は、1991年以来とのことである。)

 

豊昇龍の意欲と、相撲協会の『横綱が欲しい』との渇望とが期せずして『マッチング』した形であるが、仮に豊昇龍が来場所以降、『横綱らしい相撲』を取ることが出来なければ、今度は、『袋叩き』にあうリスクも豊昇龍は背負わされたことになる。

 

豊昇龍自身も(そのことは十分、わかっているようで)『横綱らしい成績を残せるように、早速、明日から準備を始める』みたいなことも言っている。もっとも、本日の『優勝決定戦』で三回の取り組みをせざるを得なかったわけで、『疲れた』というのは、正直にこぼしていた。

 

それに、『横綱になる』と多くのイベントや接待に引っ張り出されるだろうし、そのなかで、どのように『体調をベスト・コンディションにまで持っていけるのか』それこそが、問われることになるのだろう。

 

(02)

結局、イスラム教徒=金峰山関の『優勝力士インタビュー』というのは、『夢のまた夢』に終わってしまったが、金峰山は今日、やや気の毒な感じもした。

 

やはり緊張で、固くなってしまっていたようだし、また彼が土俵に臨むにあたって、その都度、口を動かして、(私の眼から見ると)絶対神アッラーに対する祈りの言葉を繰り返しているように見えた。

 

それについて、(NHKの相撲解説者であった)元横綱鶴竜の音羽山親方などは、『ぶつぶつ、何やら唱えている』『ゲンかつぎのおまじないの言葉でも唱えているのではなかろうか』とアナウンサーを相手に言っていた(モンゴルには、イスラム教徒はあまりいないのか、それとも鶴竜も日本での生活が長くて、イスラム教徒の風習など忘れてしまったのかも知れない)。

 

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金峰山には気の毒だったが、それにしても、優勝決定戦が、豊昇龍(モンゴル)対金峰山(カザフスタン)対王鵬(祖父、大鵬がウクライナ人の血を受け継いでいた)と多国籍、インターナショナルな雰囲気を漂わせていたのは、面白かった。

 

(ウクライナと言えば、十両で優勝をしたのもウクライナの力士=獅子であったし、十両のもう一人のウクライナ人力士=安青錦あおにしきも、優勝争いにからむなど好成績だった。)

 

(04)

もう一つ面白かったのは、取組後の表彰式で、優勝力士に対して内閣総理大臣杯が授与される場面で、石破茂総理大臣が、登場したことである。

 

重さが40キロもあるという内閣総理大臣杯をほとんど、助けも借りず(多少、よろめきもしたが)自ら豊昇龍に渡していた。

また、それに先立ち、表彰状の言葉も、(割合、大きな声で)きちんと読み上げていた。

 

いかにも、石破首相らしいというか、きちんきちんと読み上げていて、また、余分な言葉もほとんど加えていなかった(『おめでとう』くらいは言っていたようだが…)。

 

石破首相が登場した時には、場内でかなりの拍手があった。

 

私は、石破首相がここに登場するとは、予測していなかったが、首相の姿(あの特徴ある、顔というか頭など)が、はっきりと目に入った時、『あっ、やっぱり来たのか』と思った。

 

多少、意外な感じがしたのは、石破首相の姿が目に入って、場内で割合、温かい感じの拍手、声援とか、どよめきなどが沸き上がっていたことである。

 

何かヤジでも飛ぶかと言ったら、そうではなく、むしろ、『来てくれて、ありがとう』といった雰囲気であった。

 

ネットのニュースで見ると、首相が自ら内閣総理大臣杯を手渡すのは、2019年の夏場所千秋楽で、故・安倍首相が登場した時以来(そのときは、来日したトランプ大統領とともに、観戦していたという)だそうだ。

 

石破首相は、どちらかというと『幸運』に恵まれて、総理に就任し、しかも衆議院選挙で少数与党に追い込まれて以降も、何とか政権を維持している。

 

野党の『バラバラぶり』と、『石破らしさ(安倍首相のイメージに対する反発とどこか、へそがつながっているようなムード)への期待』、そして今では、『トランプ復活に対する警戒感』などが、ミックスして、『風前の灯』のように見えながら、政権を維持している。

 

もしかしたら、石破首相は、今回、いわば『逆転優勝』そして、『予想外の綱取りを射止めてしまった』豊昇龍同様に、『幸運に恵まれているのかもしれない』という気がしている。

 

さらに、これは笑ってしまうのだが、豊昇龍は、『優勝力士インタビュー』のなかで、<最初は、緊張して固くなっていて、思うような相撲が取れなかったが、師匠から『相撲を楽しむ』ような楽な気持ちで土俵に上がれ、といったアドバイスをもらって、その後、肩の力が抜けて、思い切った相撲がとれるようになった>という趣旨の話をしていた。

 

考えてみると、これは、石破首相が、施政方針演説が述べていた(『強い日本』『豊かな日本』に加えて)『楽しい日本』を目指していきたいという話と、どこか重なりのあるようにも聞こえないこともない話である。

 

そういう意味では、石破首相は、その独特の『理屈っぽさ』『こだわり』から、もしかしたら、『大相撲ファン』のようなタイプの人たち(どちらかというと、『保守志向』であるか、あるいは『保守や伝統に対して、それを尊重することに反発を感じることの少ない人々』なのかもしれない)には、案外、受け入れられることの多い政治家なのかもしれない。

 

これはオマケ