極端に選挙期間の短い、衆院選挙が始まった。

私の住んでいる、この選挙区には、自民党と立憲民主党、それに共産党の候補がたっている。

 

この選挙区(神奈川8区=横浜市青葉区・緑区で構成。今回の定数改定により、対象地域が少し狭くなった)は、2005年(第44回衆院選)以降、6回にわたり、江田憲司が小選挙区で連続当選している。

 

(02)江田憲司

江田は、以前は自民党所属だったこともあるが、無所属(2005年選挙)→みんなの党(2009年)→維新の党(2014年)→無所属(2017年)→立憲民主党(2021年)と野党再編に伴って、所属が変化(なお、『維新の党』とは『維新の会』とは別個の、以前、存在していた政党)。

 

元々は、通産官僚の出身で、かつて、橋本龍太郎内閣のおりに総理大臣秘書官を務めていたのが、政界入りのきっかけとなったらしい(保守の体質の人物である)。

 

私には、ここ何回か、ほぼ江田憲司と三谷英弘(自民党)の二人がしのぎを削っていて、小選挙区では江田が勝ち、比例で三谷が復活当選するというのがパターンだったという印象が残っていた。

 

ところが、今回、もう一度調べ直してみると、三谷が、神奈川8区から出馬したのは2017年(第48回衆院選)と2021年(第49回衆院選)の二度のみで、しかもどちらも、三谷は小選挙区で敗退、比例区で復活当選しているものの、小選挙区での得票は7万4千票→11万8千票と大きく伸ばしている。

 

それほど、私には『三谷が選挙で弱い』(それに、私には、『三谷は演説も下手糞』という印象(先入観?)があった)ということなのかもしれない。

 

(03)票の伸びのデータ

(04)福田峰之

 

しかも、2017年の衆院選において、三谷は、『落下傘候補』として突然、この選挙区に降臨していた。

この選挙区で、三谷の前の候補者(議員)であった自民党の福田峰之が2017年9月の(小池百合子を中心とする)『希望の党』結党を巡る政治的混乱の時に、自民党離党を決意した。

 

そればかりでなく、(『希望の党』内部での勢力争いに敗北してか)東京・目黒区あたりの東京5区の候補者として、『国替え』を余儀なくされたために、結局、衆議院議員として国会に戻ることはなかった。

(今となっては、福田峰之というのは、政治家としては、エネルギー問題とか、デジタル化等の問題に関して、それなりの見識があった人物という印象を持っている。あまり嘘に徹することができなかった人なのかもしれない。)

 

(05)三谷英弘

 

三谷英弘というのは、この福田峰之が転籍しようとして失敗した『東京5区』において、かつて『みんなの党』に所属し(その後、解党。ちなみに、江田憲司も『みんなの党』に所属していたことがある)、2012年(第46回衆院選)においては、小選挙区(東京5区)で落選し、比例東京ブロックで『復活当選』を遂げていた。

 

そういう三谷が、『みんなの党』の解党→無所属の期間を経て、自民党に所属するようになった。

そして、福田峰之の『自民党離党』を経て、その代りの候補者として、『東京5区』から『落下傘候補』として、神奈川8区に舞い降りてきたというのが、舞台裏の事情だったようだ。

 

先ほど記したように、三谷は過去2回、『比例区での復活当選組』である。この手の議員は、一説によると、永田町界隈では、『二流の代議士』の扱いになってしまうという話がある。

そういうこともあってであろう。

 

今回、三谷は、自分の若さを強調していて、(『政権交代』ならぬ)『世代交代』をもっぱらスローガンとして大きく掲げている(『無派閥』ということが、彼のもう一つの売り)。

 

それは、68歳の江田憲司、そして、62歳の『NHK記者出身』を売りにしている共産党の飯田よしきに対する『対比のキャッチフレーズ』であることは明らかである。

 

(06)飯田よしき

この人は、『NHK記者出身』ということで、『真実を伝える』ということを売りにしてそもそも出馬したのだが、『党内の民主主義がない』とか『党内で自由な議論が封殺されている』といった話が、(松竹伸幸氏の、文春新書)『シン・日本共産党宣言 ~ヒラ党員が党首公選を求め立候補をする理由~』2023年1月発刊、といった本の出版を機に改めて広まった。

 

飯田さんも(当然)共産党の方針にしたがった選挙戦をやらざるを得ないようで、せっかくの『NHK記者出身』で『真実を伝える』というセールスポイントも霞がちであるような気がしている。

 

なお、私自身は松竹氏の主張に関しては、『多くの矛盾』を感じており、『文藝春秋』というような癖のありすぎで、『商売が上手すぎ』の出版社の威力を(うまい具合?に)借りながら、言論と運動、あるいは『裁判戦』を続けようとしている松竹氏の行動に関しては、批判的である。

(これまで、結局は、『週刊新潮』や『週刊文春』『文藝春秋』を利用して、自らの主張を展開してきた元『共産党員』たちは、その多くが、最終的に『利用しようとした道具』に絡めとられてしまっていると感じている。)

 

 

さて、この三谷さんだが、そろそろ『小選挙区』で勝ち抜きたいと思っているようで(そもそも、次の衆院選だと『50代』になっていて、もう『若さ』を売りに出来なくなってしまっている可能性が高い)、今回の選挙戦では、かなり、力を入れた取り組みをしているようだ。

 

その具体的な表れとして、彼の陣営が、10月17日の午前と夕方の二度にわたって、『たまプラーザ駅』の駅前で展開した、大々的な街頭演説の中身(それは、かなり矛盾している)を以後の記事で、紹介しよう。

(本来、もっと早くアップするつもりだったが、遅くなってしまった。)