本日(7月12日)、アメリカのバイデン大統領が、一人で(NATOの首脳との会談を終えた後に)『記者会見』に応じるということだった。

 

また、CNNなどは、この対応の如何で、バイデン氏の『健康疑惑』に対する疑問が、『解決不可能な状態になってしまうかもしれない』という『予告篇』みたいな煽りをさんざんしていた。

 

この結果いかんで、民主党の上院議員、下院議員の間で『バイデン退陣要求』が一挙に吹き荒れるかもしれないと、盛り上げを図っていたのだ。

 

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それで、私もこの『煽り』に乗っかって、本日、午前8時過ぎから行われたこの『記者会見』の中継画面を見ていた。

 

アメリカでは、最近の『CNN』や『ニューヨークタイムズ』紙などが主導しているかに見える、『バイデンは、大統領選挙から自発的に降りろ』というキャンペーン?に反発の声もあるようだ。

 

 

たしかに、見方によっては、『CNN』とか『ニューヨークタイムズ』などは、アメリカのエリートと自称する階層の(鼻持ちならない)プライドにマッチした『既存メディア』の代表的な存在なのかもしれない。

 

それが、これまで各州の予備選挙を経て、民主党の選挙人の圧倒的多数を獲得し続けてきたバイデン氏に対して、(突如?)『レースから降りろ』と要求するのは、『これまでの(民主的な)手続きを何と心得るのか?』と怒りをぶちまけたくなるような(上から目線の)態度に見えてしまう、民主党支持の人々もいるのかもしれない。

 

もしかしたら、『民主党のエスタブリッシュメント』にとって都合の悪いことを、バイデンがやったというので、『陰謀』が発動されたのだと思う人もいるのかもしれない。

 

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特に、(そもそも)先日の第一回大統領候補討論会を主催した中心にいたのは、『CNN』だったのではないか?

 

また、先の討論会が終わるや否や、繰り返し、その紙面でバイデンを非難し、『認知症疑惑』のようなことを繰り返して指摘して、『社説』でもって、『バイデン氏に愛国心があるのなら、大統領選から降りろ』と宣伝戦を繰り広げているのが、『ニューヨークタイムズ』紙である。

 

これに対しても、『何を偉そうなことをいうのか?』、『彼らだけが、民主党を支持しているのか』と反発が出てくるのも、アメリカのような『分断された社会』では当然のようにも思えてくる。

 

 

しかし、こうした『疑惑』が生じうる余地があることを認めながらも、私自身、前回の『第一回討論会』の生中継を見ていて、バイデン氏の状況について、大いに不安を感じた。

 

また、本日も、ずっと(CNNの)『生中継』を見ていたのだが、バイデン氏に対する『健康不安疑惑』は、増すことがあっても、それが消えることはなかった。

 

今回、彼は、冒頭にかなり長時間、一人でしゃべり、その後、各メディアの記者たちからの質問を受けて行った。

 

バイデンの話し方の『勢い』というか『語調』などを把握しておきたいと思ったので、相変わらず、『同時通訳』の音声はオフにして、(基本的に)英語のままで、聞いていた。

日本で岸田首相が行う記者会見であれば、もっとメモなど取れるのだが、英語だとそういうわけにもいかない。

(それに私自身、バイデン氏よりも場合によっては、もっと『記憶力』が減退し、『理解力』なども喪失しているような状態なので)バイデンが何をどう語っていたのか、どんどん、記憶や印象が薄れていってしまっているところもある。

 

それでも、私が感じたのは、バイデン氏は、一対一的なやりとりで、あるいは支持者たちの反応を見ながら、一方的に何かを演説することは出来たとしても、誰かからの質問を受けながら、それに対して的確に反論し、説得していく能力は、『もはや枯渇している』ようにしか見えないということだった。

 

日本のメディアでも、彼が、(記者会見の前の場面でも)ウクライナのゼレンスキー大統領を、ロシアのプーチン大統領と『言い間違え』をしたことを報道していた。

そして、この記者会見のなかでは、ハリス副大統領と、トランプ大統領と名前を言い間違えしたとも報じられていた。

 

このように書くと、『言い間違え』など誰にでもありそうな気がしている人(特に、私と同様な高齢者の人など)も(日本では)多いのではないかという気がする。

 

しかし、バイデン氏の状況は、それとは、全く異なるものである。

 

彼は、単に『言葉』『人名』だけでなく、さまざまなものが、徐々にわからなくなって、『混沌としてしまう』そのような状態があるらしい、ことを見て取ることができる。

 

バイデン氏の『健康』のことを問題にすると、何やら『高齢者差別』であるかのような反論する人もいるようだ。

しかし、アメリカの大統領と言えば、アメリカが保有している『核兵器』の『発射ボタン』の権限を有している人でもあるはずだ。

 

バイデン氏が、(疑惑通りに)何らかの『認知症の発作?』にしばしば襲われる人であり、しかも、夜8時?以降になったら、(それ以前にもまして)頭が働かなくなってしまうような人であるとしたら、そのような人に、『核兵器の発射権限』を預けておくというのは、果たして『理性的な行為』と言いうるのだろうか?

 

それに彼は、『自分は元気だ』とか『自分には、まだ果たすべき義務がある』などと言い張るが、同時に、『認知症とか、その他の重篤な病気の専門医』がホワイトハウスに出入りしていると報道されていることについては、冗談でごまかそうとしている。

 

バイデン氏を見ていると、『高齢者ドライバー』がたとえ自損事故を、繰り返し起こしたとしても、『運転を続ける事』をなかなか放棄しようとしないというような事例を思い出してしまう。

アメリカの『核兵器』の発射ボタンを握っている人物については、もっと厳しい態度で臨んでもよいはずである。

 

特に、日本という(いちおう)広島や長崎に原爆を投下されたという過去を持っている国の国民(あるいは、その政府たる岸田首相にしても)として、もっと明確に批判を述べる『義務』すらあるような気がする。

 

この段階で、バイデン氏を他の候補(例えば、ハリス氏など)に代えたとしても、事態は変わらないのではないか、という意見(見通し)もあるだろう。

私は、『そうではない』と思う。

 

たしかに、『大統領』自体については、『バイデン氏』でなくなったとしても、トランプに勝つことが出来ない可能性もあるだろう。

 

しかし、アメリカの大統領というものは、連邦議会の上院あるいは下院が、自分と同じ政党が『多数派』でない場合、(日本でいう『ねじれ』と同様の現象が生じた場合)、大統領の権限というものは大きく制限されてしまうのだという(私は、そのことを最近、受講している川崎市民アカデミーの講座とワークショップで学んだ)。

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したがって、現状を放置すると、最悪の場合、大統領、連邦議会上院、連邦議会下院のすべてが『共和党』に握られてしまうが、『バイデン降ろし』を起点として、『巻き返し』の運動が高まって行けば、たとえ大統領がトランプとなってしまうことは変えられなくとも、連邦議会上院、連邦議会下院のいずれかにおいて、『共和党支配』でない状態を作り出すことが可能になる可能性がある。

(これは、恐らく、かなり大きな変化であるはずだ。)

 

また、これはトランプ氏が本心では最も恐れていることだと思うが、仮に『バイデン降ろし』に成功すれば、次に、『健康不安』あるいは『大統領としての適格性』が厳しく問われるようになるのは、トランプ自身であるはずだ。

 

そのように考えると、現在、(もしかしたら)『バイデン降ろし』という『非道徳的なこと』『陰謀めいたこと?』が行われているかのように見えているかもしれないアメリカでの最近の動きは、(日本人の眼にも)全く異なって見えてくるはずである。

 

もっと書きたいことはあるのだが、いちおう、今日のところはここまでとする。