今回の都知事選、私自身は、もともと選挙みたいなことは、割合、好きなほうなので、当初はもっと見に出掛けるつもりだった。
横浜市民であるので、都知事選の投票権なども(もともと)持っていないが、そもそも東京都内で演説に耳を傾けて居たり、立ち止まって見ている人たちも、多くは、通勤等で近県からやってきた人たちであろう。意外と、そのような場での、有権者の比率は低かったりするのではなかろうか。

今回も、最初は、以前からの習慣で、そういう『やじ馬』的な行動を取ろうと思っていた。ところが、次第にシラケてきた。


(01)蓮舫さん
 

(正直言って)蓮舫さんあたりに、最初は期待し(ようかと思っ)たのだが、彼女が意外と『人気がない人』だとわかったこと、それから彼女が言っているのは、『地方から自民党政権をぶっ飛ばす?』というような(昔ながらの)ノリだということがわかってきたから、そういったことが私がシラケてきた理由である。

昔から、(例えば2016年の都知事選に立候補した鳥越俊太郎氏など)同様のノリで出馬する人は多数いた。
だが、こういう人たちは、概していうと『東京都政』のどこをどう変えていくのかという、具体的な政策とか公約が、欠如していることが多い。
仮に、何か主張していたとしても、あわてて間に合わせて『形を整えたもの』といったことが多いような気がする。

つまり、『自民党政権を倒す』ために、都知事選に出るという論理をもっている。そのため、自民党岸田政権に対して、一番、国民の批判が高まった瞬間に、『風が吹いている』と判断して(あるいは、称して)立候補表明する。
(実際、蓮舫氏も、そのようなタイミングで判断して、出馬を決めたようだ。)

しかし、今の時代は、もう少し『都政に対するこだわりとか具体的な政策、公約、プラン』のようなものを有権者は求めているのではないか?


蓮舫氏のような、糾弾調の国会での追及をそのまま、『東京都』にもってきたような演説口調は、あまり『時代の空気』にあっていないという気がする。
今回、蓮舫さんは、小池氏を追い詰めるというよりも、小池氏は、するりと逃げるというか、抜けて行っているような気がする。


(02)
今回の選挙に入る状況の中で、またもや、小池氏の『カイロ大学疑惑』などが報じられた。
しかし、それは一体、どの程度、小池氏にとって打撃になっているのだろうか?

私自身も前に書いたことだが、何年も何年も、『カイロ大学入学』にあたって、小池氏は、『それほどアラビア語は出来なかったはずだ』とか、『私を含め、いろんな人たちを踏み台にして、小池氏は、カイロ大学に潜り込んだ?』というような告発を続ける高齢女性の『告発』が一体、どこまで有権者に響くのだろうか?

やはり、『告発者』に対して、『自分がアラビア語が出来たことを、いつまでも自己主張したいのね』とか、『それならそれで、なぜ、最初から名前や顔を出して、ガツンと告発しなかったの?』『ちびり、ちびりだされても、あまり心に響かない』そのような雑音が聞こえてくるようで、どうも、この『告発者の状況』に対して、もやもやしたものを感じてしまう。


小池百合子という人は、政治家として、今後、それほど期待が持たれている人のようには思えない。
また、彼女が、二期八年の間に、どれほどのことを都知事としてやってきたのか、それについても疑問を感じている。
だが、『文藝春秋社』のような追及の仕方、話題の取り上げ方を見ると、これに乗っかって、選挙戦での運動でもそれに乗っかっていけば、かえって、『反発』を感じてしまい、『反・蓮舫』といった形で動いてしまう有権者(これは、特に女性の方に多いのかもしれない)が多いのではなかろうか?

というのは、小池氏について言われているような『学歴疑惑』ではないにしても、いろいろな『経験』をしながら、人生を生き抜いてきた女性(男性)が意外と多いのではなかろうかという気がするからである。
 

誰しも、何らかの『脛に傷』があるのだろう。
そんなことを、(上から目線で)いわれるとかえってイライラしてしまうのかもしれない。

それに、変な話に聞こえるかもしれないが、逆を言うと、蓮舫氏自身も、『二重国籍のこと』など、さまざまな苦労を抱えてこれまで生きてきたのではなかったのか?
彼女が、イケイケガール?みたいなところから這い上がってきたというのも、見方によっては『脛に傷』と見えてしまう現象かもしれない。

こんなことを私は、考えた。
たしかに、蓮舫氏の出してきた、『都政でやりたいこと』というのは、物足りない気がする。
それは、都知事でさまざまな情報を握っている小池知事のほうが圧倒的に有利な場面であろう。
もともと、都の官僚たちは十分すぎる情報を持っているのであろう。

だからこそ、これまで都知事の現職が出馬した場合は、圧倒的に有利といわれてきたゆえんなのであろう。
そういう意味では、なぜ、小池氏の場合、現職なのに『負けるのではなかろうか?』と思われたのか、そのほうが、むしろ不思議なような気もしている。
(それだけ、彼女は自信を失っている、あるいは、都知事を放り出して国政にもう一度戻ると思われていたということなのだろう。)

ともかく、小池氏は『とりあえず、今回の選挙には負けたくない』という方向を明確に示し始めたのであろう。
そうであれば、女性の一部にあるらしい蓮舫氏への反発、また男性全般に見られる蓮舫氏に対する(ある種の)嫌悪感、それらを合わせても、蓮舫氏不利、小池氏有利という気がしている。
 
また、あの石丸伸二氏が、蓮舫氏より上に位置するような状況に既になっているのかどうか、私にはわからない。
だが、伝えられている『支持の状況』を見ると、小池有利、蓮舫不利というのは、(実際のところ)かなりの差があるのではなかろうかという気がしている。
午後8時の、都知事選の開票速報が始まった途端に、小池?氏に『当選確実』が打たれる可能性というにも、かなりありそうな気がしている。