明日(7日)は東京都知事選の投開票日だが、正直言って、あまりこの選挙には関心がない。

(それは、私が横浜市民で、東京都の状況がよくわかっていないことも一因だ。

しかし、他方では、アメリカの大統領選には関心があったりするのだから、『矛盾』しているといえば矛盾している。)

 

ともかく、都知事選に関連して、(多少)『言いたいこと』もあるので、この際、ここに書いてしまおう。

 

(01)

 

今回の都知事選、候補者が50人以上と乱立していること、また、都知事選のポスター掲示板が無茶苦茶な状態になっていることが問題になっているが、あれは、『東京都選挙管理委員会』のチェック体制が緩すぎることに問題があるのでは、という気がしている。

 

(02)

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(04)

 

ポスター掲示板が、悲惨なことになっているということが話題になっているので、私は何日か前に、京橋とか、新橋、神保町あたりにその状況を確認しに行った。

ところが、不思議なことに、新聞報道やネットの記事などで話題になるような、(ほとんどが、『N国党』の『ポスターの権利を転売する』作戦?のせいだと思うが)同じポスターがやたらに貼られている掲示板などは、お目にかかる機会は得られなかった。

具体的には上記のようなものしか見かけられなかった。

(ただし、あらかじめ、ポスター掲示板の位置を確認してから出掛けたのでもないので、それほど多数の掲示板を見ることが出来たわけでもない。)

 

それで思ったのだが、そもそも『よく話題になっている』のは、『N国党』がいわばショーウインドウ的に、集中的に『悲惨な状態』にすることに成功した極めて限られたポスター掲示板に過ぎないのではないか?ということである。

 

『N国党』のあの馬鹿げた作戦に賛同しているような人たち(掲示板に他のポスターを張る権利を、『買い取らねばならない』)というのは、ごくごく一部しかいないのではなかろうか?

 

ところが、『N国党』としては、自分たちの力量をできるだけ大きく見せたいから、幾つかの極めて限定したポスター掲示板に対して、『悲惨な状態』作戦を展開した。だから、報道されているような『悲惨な状態』になっているポスター掲示板というのは、全体の掲示板(1万カ所あるとかいうが)のなかの、ごくごく一部に過ぎないのだろう。

 

つまり、あの『悲惨な状態』の写真とかPDFなどを拡散している人は、結果として、<『N国党』の宣伝に手を貸している>ということになってしまうのかもしれない。

 

(05)

 

二番目に、NHK等で放送されていた、候補者の『経歴・政見放送』を私は、かなり見た。

おそらく、ほとんどの候補者の分を少なくとも一度は、見たのではなかろうか?

 

そして、見ると同時に、あきれ果てた。

こちらも、もっともおかしかったのは、『N国党』の関係者のものである。

(人によって、多少は異なる部分もあるのだが…。)

 

『N国党』から出馬した人は、おおむね、同じ原稿をただ読み上げたり、『NHKをぶっつぶせ!』などというパフォーマンスを繰り返しているだけである。

 

一番、手抜きをしている人は、与えられた原稿をずっと見ながら、それをたた読みあがている(それに、『NHKをぶっつぶせ』などのパフォーマンスが多少、まじる)。

 

そもそも、(最大でも)一人しか当選できないような選挙に同じ党から何人も同時に立候補すること自体が、『理解できない話』『公選法制定時には想定されていなかったような事態』だろう。

 

それだけでなく、彼ら『候補者』は大半が、与えられた原稿を、覚えようとする意欲もあまりなく、ただ(原稿を下に置いて)読み上げているだけの存在であったらしい。これは、『まともな候補者』がやるような行動としては、『通常の常識』を超えている。

 

むしろ、(その背景事情はよくわからないが)『候補者のふりをする』というバイトに採用されただけの人なのではなかろうか?

 

こういう人たちが、跋扈することは、今日の『議会制民主主義』を愚弄し、また『議会制民主主義』に対する人々の信頼を崩壊させること自体に、その狙いがあるのではなかろうか?

という気すらしてしまう。

 

だから、こうした輩に対しては、ただ都知事候補としての『届け出』を受け付ける前の段階で、『一定の聞き取り』とか『選挙をやりぬく意欲、体制』などがきちんと備わっているのか、それなりにチェックして、今回のように、『別の動機?』で立候補しようとする人たちを、ある程度、けん制するような『スクリーニング』が必要なのではなかろうか?

 

そうでなければ、今回は、50人台という『規模感』であったが、このような輩が、今後、場合によっては、1000人、あるいは1万人という規模で出てきたとしても、それは全く『ありえない』という話ではないと思う。

 

都知事選の供託金は、300万円だというが、今後、『(当選すること以外の)別の目的』を果たすために、都知事選などを利用する輩が出てくることは、『予想できないこと』ではないだろう。

 

今回、私は、東京都選挙管理委員会の今回の事態に臨む態度というのは、極めて『へっぴり腰』であり、本当の意味で、『本来の選挙活動』が活発になるようにとの『指導』というか『誘導』というのは、あまり見られなかったのではなかろうか?という気がしている。

 

(これがどうしてそうなったのか? それは小池都知事にとって、このような候補者が多数出てくることが、『むしろ、自分にとって有利な状況になるのでは』といった読みがあったのか、あるいは東京都選挙管理委員会の側の『忖度』みたいなものはなかったのか、その辺の事情については、全く承知していない。)

 

いずれにしても、今回の選挙が終わって以降、この状況をもう一度、精査して、法改正などが必要になってくるのではなかろうかという気がする。

 

そうでなければ、『選挙というものを笑いものにしたい』『そのような活動を通して、議会制民主主義を足元から崩壊させたい?』というような『黒い意図』は、今後、ますます浸透、拡大して言ってしまうのではなかろうか。

(大体、日本のさまざまな法律は、『性善説』というか、『そんなに無茶苦茶なことを考えている者は、本来、いるはずがない』といった事態を想定して法律が作られているというような印象を持っている。

しかし、全く、そのような前提にたつことができないと思われるような、さまざまな状況を見聞きするにつれて、『危機感が募る』のである。