昨日(1日)は、川崎市民アカデミーという(武蔵小杉中心の)『老人大学』みたいなところに行ってきた。

(もちろん、それなりに若い人たちも参加している。特に身体を動かすカリキュラムには、女性の参加が多いようだ。『老人大学』というのは、私がもっぱら参加している授業やワークショップについて当てはまる話に過ぎない。)

 

現在、幾つかの講義やWS(ワークショップ)に参加しているのだが、昨日は月曜日なので、『アメリカの内政と外交』に関するものが開催された。

といっても、ズバリ言うと、今年のアメリカ大統領選挙の動向を議論する場である。

成蹊大学法学部教授の西山隆行先生が講師をやられている。

 

(01)川崎市民アカデミー

(02)講義のシラバス

 

昨日は、ちょうど先日、バイデンとトランプの大統領選挙討論会が開催された直後なので、そのことが話題になるものと期待していた。

 

特に、WS(ワークショップ)は20人弱程度の参加者、全員が発言する機会のある場なので、大いにそのことが議論になるものと『楽しみ?』にしていた。

(というのは、私は、28日は、リアルタイムでCNNの中継を見ていたし、その後、それに関して他の日本の番組でも討論がされるのを見たりしていたから…。)

 

だが、残念なことに、講義の場では冒頭、西山先生のほうから『異例なハプニングが起こった?』というようなニュアンスで話題とされたが、肝心のWS(ワークショップ)では、あまり全体の議論の対象とされず、他の案件で時間が割かれてしまったせいもあって、私が、28日に感じた『ショック』を皆さんに伝える機会は、ほとんどなかった。

 

(03)討論会

なぜ、こうなったのかを考えてみると、まず第一に、あの『CNNの中継』をリアルに見ている人は、ほとんどいないようだった(日本のニュース番組での編集されたシーンはもちろん、見ているようだが…)。

 

そのため、『バイデン氏の状態』についてさほど深刻にとらえられていないように感じた。

(他の人の雑談を聞いていると、『度忘れして、名前など出てこないことなど、しょっちゅうある。大したことではない』という認識の人が多いようである。)

 

だが、私の見ていた範囲で言うと、バイデン氏は、1時間にわたる討論会の冒頭から、最後(最終的に、二人の候補が、『二分間のまとめトーク』を述べた)に至るまでおかしかった。

 

それは、単なる、(高齢者によくある)『度忘れ、言い間違え』などのレベルではなく、彼は、明らかに何らかの『脳機能障害』に陥ってしまい、『自分が、どこにいるのか、何をすべきか、あるいは何をしているのか』全くわからなくなってしまう、そのような状態が、かなりの期間続いていたという印象だった。

 

(04)バイデンの様子

私は、医者ではないから、どのような表現をとったら良いか迷うが、それは、(心臓病でいえば、『心臓麻痺』みたいなもので)一定期間、『脳機能』が正常に働かず、『認知症の患者』しかも、かなり進行した『認知症患者』のパニック状態に似た状態に、陥っていたというような印象を受けた。

 

(05)

以前、小渕首相が、亡くなる直前に、突然、言葉を失い、失語症状態におちいり、直ちに入院を余儀なくされ、その後、『彼の意思、遺言のようなもの』として、『後継者指名』がなされたことになっているが、あの時の、小渕さんが突然、カメラの前でしゃべれなくなってしまった時の状態とどこか似ているような、『異常さ』を私は感じた。

 

これが、何故、日本で共有化されていないかというと、おそらく、『CNNの生中継』を見ている人(録画でもいいのだが)などほとんどいないからだろう。

その後、日本国内で流されているものは、(CNNの著作権があることも一因だろうが)それほど深刻な印象が残るような編集はされていない。

(それは、もう一つは、日本は『アメリカの同盟国』であり、いわば『アメリカの核の傘』で守られているという建前になっている。ところが、そのアメリカの軍隊の最高指揮官が、『錯乱状態』にあったということであれば、日本国内にパニックが起きたとしても不思議ではない――そのような深刻な状況が、背後にあったせいだろうと、私は思っている。)

 

なお、西山先生は、もちろん、CNNの中継も見ていたようだが、どうやら『同時通訳』を聞きながら見ていたようで、最初は、『通訳が元気よく発声する』ので、バイデン氏の異常ぶりにも気が付かなかったと言われていた。

 

その後は、気づいたようだが、どういうわけか、それほど『深刻な病状』とはとらえておられないようである。

それはもしかしたら、アメリカでの民主党の党内事情、あるいはこれまで予備選挙が積み重ねられて、民主党の大統領選挙人などが、各州ごとに積み重ねられているそのプロセスを細かく、見てきているだけに、これまでのプロセスを無視して、そう簡単に『民主党の候補者差し替え』など出来ないはずだ、そのようなことに目が向いているために、そう思われているのかもしれない。

 

しかし、私が、その後、テレビ報道などを見ていると(例えば)早稲田大学教授の中林美恵子さんなどは、旧知のアメリカの学者や政治家との議論で、いかに、向こうで『深刻な事態』と受け止められているか、民主党内で党大会において、『バイデンに代わる候補者指名』を実施することに向けて、さまざまな動きが既に進行していることなどを、その都度、リアルに説明をされている。

 

 

また、私自身の気分としても、仮に私がアメリカに住んでいたら(私が、アメリカの市民権とか永住権とか持っているいないにかかわらず)、この事態にどう対応すべきか、民主党は誰を候補者として再指名?しべきか、『意思表示』をしようとしていただろうと思う。

 

私は、父親がアメリカ生まれ(父方の祖父母が、戦前、熊本県天草からいわば『出稼ぎ』『移民』としてカリフォルニアで暮らしていた時に生まれた)であるし、父親自体、(一種の『二重国籍』というか)『日本とアメリカ』と二つのパスポートを持っていたような人間だった。

 

戦時中、(日本に家族が戻って以降)父は(日本軍に)招集されて(中国戦線そして、南方諸島で)7年間にわたって兵士として生死をさまよった。

(しかし、戦後、アメリカ生まれなので、『日本軍に従軍したのは、無理矢理、そうさせられたもの』であり、そのことをもって、アメリカでの出生によって獲得していた『アメリカの市民権』をはく奪されたのは、不当であるとアメリカの法務当局に訴えて、それが功を奏したのか、『パスポート』だけは二つもらえることになったものらしかった。もっとも、生前、そのことを家族に対しても隠していたような気がするが…。)

 

このような父を持ち、また、父の親族で、結局、戦後もアメリカで生活し続けることを選択した人たちもいる(サンフランシスコ近辺に住んでいたいとこは、たしか、民主党支持者で、アメリカ原住民の権利を拡大する運動に永年関わっているらしい)もので、私にとっても感覚的に、『アメリカ大統領選挙』は(全くの)遠くの国の出来事とは思えない。

 

また、日本が『アメリカの同盟国』であるなら、当然、日本の最大の同盟国であるアメリカの最高指揮官が、誰になるのか、あるいはその人が『認知症なのかどうか』は、極めて重大な関心事項であるはず(あるべき?)だとも思う。

 

だから、私は、昨日は川崎市民アカデミーのWSの席上で、発言しそこなったが、民主党は、トランプを倒し、民主党候補が大統領選に勝利すべく、最後まで最大限の努力をするのが当然だと考えている。

 

現在、バイデン大統領の家族が、『バイデン降ろし』に反対しているというが、そのような『個人の思い』というものを超えて、『考慮対象』にされなければならない『価値』あるいは『なすべき仕事』というものが、世の中にはあると思う。

 

恐らく、『誰をバイデンに代わる候補者とすべきか』ということが決定するまでには、幾つもの問題を解決しなければならないのだろうから、もしかしたら、家族(特にバイデン夫人)は、最終的な決定が発表されるまで、『抵抗し続けた』という形を取り続けざるを得ない立場なのかもしれない。

 

しかし、私は、今回、民主党がバイデンに代わる候補者を擁立することに成功したら、今度は、トランプ氏こそが『高齢問題』と『そもそも政策が滅茶苦茶』で『何をやり始めるか、全くわからない人物』として、アメリカ国民から『忌避の感情』が集中するに違いない状況になるのだろうと思っている。

そういう意味では、今回のバイデン氏を巡る問題は、『トランプを敗退させる千載一遇のチャンス』となると見ている。

 

どうせ、4年後の大統領選では、『バイデンもトランプもいないのに…』とのんきなことを言っている人もいるようだが、『ウクライナとロシアの戦争』あるいは、中国、北朝鮮、台湾などを巡る状況を考えても、この1~2年で何が進行するかといったことの影響も大きい。

(特に、私のような『老人』にとっては、『今こそが重要だ』という気がしている。

この問題が、『先が見えてくるような展開の仕方』をしていけば、物事はいろいろ面白くなってくることだろう。)