4月28日に行われた衆議院三選挙区での補選。

そこで、(形としては)全勝したもので、逆に『立憲民主党』は窮地に陥りつつあるようだ(皮肉なものだ)。

 

『立憲民主党』は言うことは立派(そうに聞こえる)だが、その中身が、包装と相当ズレているらしいことは、前に(この党=個人商店?=の『創業者』ともいうべき)前代表の枝野氏が2021年10月末の衆議院議員選挙で、敗北した後に代表を辞任した時に感じたことだった。

 

私から見れば、『政権交代』など全く出来そうにもないのに、それが出来なかった(というよりも、自身の選挙区で自民党候補=比例で復活当選した牧原秀樹氏=に6000票差まで詰め寄られたことが、ショックだったという説もある)という理由で、代表の座から辞任した。

 

枝野氏辞任後、立憲民主党は代表選挙を行い、『今度は、キミが代表をやってみる?』『お手並み拝見だ』とばかりに、泉健太氏が当選した。

 

ただし、泉氏が代表に就任したころから、どうも立憲民主党内では、かなりの数の議員たちが、『そろそろ立憲民主党も、下降期に入るのかな』『次は、どの政党に移りますか』とそわそわし出したようにみえた。

旧社会党が崩壊して、旧民主党を結党したころから、この勢力の政治家たちのなかには、ヤドカリではないが、定期的に『その時、人気のある政党』へと集団移住する癖のある人たちが、結構、多いような気がしている。

 

今回の補選で、なまじっか全勝してしまい、野党第一党の座も、『維新』に奪われたことを回避できたために、立憲民主党内では、かえって泉健太氏の勢力と、『彼には一時的に代表の座についてもらっただけ、党運営の主導権まで渡すわけにはいかない』と考える人々との間で、『妙な綱引き』が激化しているらしい。

 

泉氏は、『野党第一党として、国民の願いに応える必要性がある』という大義名分で、次の総選挙に向けて(『解散は遠のいた』とされているが、岸田首相のこと、いつ、『敵の油断をついての解散』を決行しないとも限らない)『単独過半数(233議席以上)を取れるだけの候補者擁立を目指したい』などと発言しているらしい。

 

しかし、そもそも、立憲民主党(現在の議席数は、『会派』の員数で見ても衆議院99人、参議院41人、合計140人に過ぎない?)が来るべき総選挙で、単独過半数(233議席以上)を実現するためには9議席数を9人→233人=2.5倍にする必要がある。

 

これは常識的に考えても厳しい(ほとんど空想に近い)数字である。いや、そんなことより以前に、『候補者擁立』に応じようという人がなかなかいないらしい。

 

まあ、この泉発言は、『最大限、大法螺を言っただけの話』なのかもしれない。

泉氏は、他方では、『裏金議員のいる選挙区』(全体で54議席だと『朝日新聞』などは書いている)に『すべて対立候補をたてる』とも言っているようだが、実際のところ、15選挙区は、立憲の候補者がいない(のだという)。

 

これもむしろ、当然のことだろう。

 

今後の政局の展開如何によっては、『いつ消滅するかもわからないような政党』の候補になりたいという人がどれだけいるのであろうか?

 

このようなレベルで、党内で議論が進んでいる(どの程度、本気でやっているのだか、疑問だが…)という

話自体、信じられない思いがする。

 

『立憲民主党』は、(本来)もう一度、政党としてきちんと立て直すべき土台を、愚直に固めるべきときだろう。

私は、『立憲民主党』の内情を知っているわけではない。

 

だが、そもそも、旧『民主党』、あるいは旧『民進党』系の候補者たちが、いつも『連合』からの支援を期待しているらしい(それだけ自前の『勢力』『人、モノ、カネ、知識』を保持していない?)という話だけでも、恐らく『党員数の確保』『党の支部の体制の確立』などの部分は、土台からして全くおぼつかない状況なのではないかという気がしている。

 

特に私の住んでいる神奈川、横浜市などは、『立憲民主』あるいは旧『民進党』の県議とか市議などは、3分裂とか、4分裂とかしているなどとも報じられている。

ヒドイ状況である。

 

 

『立憲民主党』(あるいはその前身の存在)が一時期、人々の注目を集めたのは、安倍政権が『改憲を急いでいた時期』、それに対する危機感の発露として、一つは、旧『シールズ』のような学生、若者たちの運動があり(これも、マスメディアがかなり肩入れして、宣伝していたが、どの程度の実態があるものだったのか、よくわからない)、それと連動する政党というようなイメージ、また、安倍政権の改憲自体、『立憲主義を否定しているのではないか?』というような認識があって、それらと結び付いての枝野氏の演説(今となっては、『流行おくれの流行語』のような雰囲気もまとっているが、『まっとうな政治をあなたと作り上げていきたい』『あなたが主役だ』みたいなことを言っていたかと思う)が、人気を博していたような記憶がある。

 

しかし、『安倍改憲の危険性』を最大の標的とする『枝野節』は、何よりも、安倍晋三氏が首相を辞任し、しかも、その後、『暗殺されてしまう』に至って、その『エネルギーが向かう先』を失った。

 

それと同時に、ウクライナ、あるいは台湾有事、また北朝鮮のミサイルなど、日本を取り巻く安全保障環境が変化するに伴って、『平和憲法を守れ』『自衛隊は憲法違反?の存在(この辺は、どうも、立憲民主党がどういう認識なのかはっきりしていない気がする)』そして、いざ、日本で『危機』が発生したら、今度は『自衛隊さん、頑張ってください』ということになる?――このような(調子のよい)論理展開の仕方は、(私自身は)もはや、説得力を失いつつあるという気もしている。

 

もちろん、だからと言って、岸田さんや、あるいはバイデン政権(トランプ氏が仮に次期大統領に就任したとしても、日本に対して求めてくることは、意外と『変わらない部分』があるかもしれないという気がしている)の言うように、日本の軍事力(とりあえずは、『自衛隊』が担っているのだろう)というものが、果たしてどれほど頑強なものなのかといえば、私は、それに対しても『不安』を感じている。

 

それは、案外、脆弱なものなのではなかろうか、中国と対峙しても、意外と簡単に負けてしまうものなのではないだろうか?

 

果たして、今の自衛隊において、本気で『命を懸けて国を守ろう』という人たちが、どれくらいいて、それが武器や訓練も含めて、どの程度、、鍛錬されているものなのだろうか?

その辺も、不透明なままである。

(最近、いろんな事故が自衛隊の近辺などで起きていて、かなりの幹部、精鋭クラス?が殉職したりしているが、これは『危機』ではないのだろうか?)

 

どうも、(先の見えにくい)尻すぼみ的な議論の展開の仕方になってしまっているが、今日は、(とりあえず)こんなところで…。

(いずれにしても、本当に『わからない事』が多い。)