この記事、実は、土曜日か日曜日にはアップする予定だったのだが、ついつい遅くなってしまった。

 

発端は、4月20日(土曜日)の『読売新聞』朝刊に掲載された記事である。

私のもとには、前日の19日(金曜日)の夕刊の情報で届いたような記憶がある。

(紙の夕刊発行後にも、読売新聞はネット記事で、最新情報を発信している。)

 

これは、『読売新聞』の20日(土曜日)の朝刊紙面に掲載された記事である。

 

『築地に国際交流拠点 都、三井不・読売連合選定』との見出し

 

『東京都は19日、築地市場跡地(中央区、約19ヘクタール)の再開発を担う事業予定者に、三井不動産や読売新聞グループ本社など11社で構成する企業グループを選定したと発表した。

 

都などによると、約5万人収容のマルチスタジアムを中心に、商業施設やホテル、オフィスなどを配置し、国際的な迎賓・交流・イノベーション拠点とする。一部施設を2029年度に先行オープンし、30年代前半の開業を目指す』とある。

 

 

話は、変わるが、先週の木曜日(4月18日)発売の『週刊文春』4月25日号には、次のような記事が、掲載されていた(いつも、前日あたりにネットで、『記事の速報』を発信しており、それがすぐさま、ネット情報→ネット記事となって、世間に周知となるという経過をたどる)。

その後、小島敏郎氏は、4月17日に『日本外国特派員協会』で記者会見を行い、『週刊文春』の予告記事(これがいわば『予告篇』?)をなぞるような形で、小池百合子氏が、今後、7月に予定されている『東京都知事選』に『カイロ大学卒業』の経歴を掲げながら、立候補するようなことがもしあれば、『学歴詐称』ということで、『公職選挙法違反』の罪で告訴するとぶち上げていた。

 

同時に、4月8日?だったかに発売された『月刊文藝春秋』5月号の記事をなぞるような形で、

『私は図らずも小池知事の学歴疑惑の隠蔽工作に加担してしまった』とも述べていた。

 

この時点で、小島敏郎氏が、小池百合子知事を真剣に告発しようとしていることは、はっきりしたが、しかし、何が小島氏を、現時点で告発に踏み切らせたのか、いわば、その『動機』に当たる部分が、はっきりしていなかったのは、たしかである。

 

(すみませんが、回転してしまっていますが、ご容赦ください)

 

これは、4月21日の『産経新聞』朝刊掲載の『花田紀凱の週刊誌ウオッチング』に、月刊『Hanada』の花田編集長が次のように書いている通りだろう。

 

<選挙に出れば「刑事告発」、出馬をやめれば「やっぱり学歴詐称問題が」。

小池知事、さすがに今回は進退窮まったと言うべきか。

 

それにしても、どうしても分からないのは、今、小島氏が告発に踏み切った「動機」だ。>

 

このように書かれていたわけだが、その(いわば)『最後のピース』については小島氏がもともと、<東大法学部出身の小島氏は、環境省のキャリア官僚で小池環境大臣時代に『クールビズ』を推進。2016年に小池氏が都知事に就任すると特別顧問として築地市場移転問題に関与した、小池氏の懐刀だった>(週刊文春4月25日号の記事より)ということを考えると、納得がいく部分がある。

 

つまり、小島氏は、小池百合子都知事の築地市場移転問題への対応、あるいは最終的にその土地が、『国際交流拠点』に化けてしまうことに対して、『批判』を持ち続け(もしかしたら、その土地のもっている、また別の『欠陥』などについても、情報を持っているのかもしれない)、今回の築地再開発に対して、人々の眼を向けるべく、このタイミングで、『カイロ大学卒業』『アラビア語がぺらぺらできる』という小池氏のブラックな過去の『嘘の積み重ね』を新たな視点で、告発したのではなかろうか?

 

(これは、小池都政が、至る所で『土地ころがし』や『環境規制緩和』(例えば、神宮外苑の街路樹の伐採など)を推進し、都民の資産であるべき『土地の再開発』で政治的業績を誇示(こんなにすごいことをやっているのだ!)し、同時にその『キックバック』として何らかの優遇措置も自ら享受している疑惑も生じうる。

 

そのような『東京都の全域にわたる再開発ラッシュ』(その裏腹での、江東区など、今後大地震などの災害が予想しうる事態に対する、安全対策の軽視=少なくとも、必要と予測される措置のごく一部しか対応しないというレベルの施策にとどまっていることは、多くの都民、あるいは東京都内で通勤難民に遭う可能性のある広域通勤者が危惧していることである=、そのことをどうしても、思い起こさせてしまうような状況であり、ちょうど良いタイミングでの告発のようにも見える。

 

しかも、今回、判明したのは、あの『読売新聞グループ』が、この計画の、まさに当事者であるということである。

 

小池知事の『学歴詐称問題』については、大手メディア(特に、東京都庁の『記者クラブ』に加盟しているはずのメディア各社)が、ほとんど全くといって良いほど、記事にしていないこと(その驚くべき反応の鈍さ)に対して、いろいろ注目が集まっていた。

 

しかし、ほかならぬ(紙の新聞の発行部数『世界一』を豪語する)『読売新聞本社グループ』がこの『再開発』プロジェクトでまさに、『契約当事者』つまり完全な『インサイダー』の立場にあるのであれば、彼らが、この間、『小池学歴詐称疑惑』に対して、沈黙を守り続けたのも、むしろ『当然のこと』と言えるのかもしれない。

 

だが、本来、『読売新聞グループ』のこのような態度が正しいわけでは決してないだろう。

 

彼らは、新聞、テレビ局、ラジオ局、出版社、そしてインターネット事業者などを結ぶ、複合的なメディアの『勝者』となりつつある。

(最近では、『読売新聞グループ』などからの提案もあって、各地の『書店』に対して政府がテコ入れするという新たなプロジェクトまで立ち上げつつあるようだ。

これは、『書店文化への支援』という意味では注目されながら、しかし、実質的に『各種の多様な思想・生き方の提案の場』でもあり、そうしたものの『結節環』ともなりうる『書店』に対して、国などが直接かかわるということで、問題は生じないのか?という疑念、批判も一方では、生じつつあるのもたしかである。)

 

このように『読売新聞グループ』が、その影響力を駆使して、ありとあらゆる事業を自ら手掛けはじめ、しかもそうした巨大な事業展開のなかで、自らの社会的影響力を使って、自社の取引にとって、少しでも『不利になりうる事柄』について、情報発信がなされることに対して、『潰しにかかる』としたら、それほど『不健全なこと』はないだろう。

 

私は、『読売新聞』が本来、持っていた『庶民目線で記事を書く』という気安さ、とっつきやすさは、『朝日新聞』などの『説教臭さ』『教え諭し、導いてやるという態度』とは対極をなすもので、それが『読売新聞』の魅力であるとは思っている。

例えば、『身の上相談』欄に寄せられる悩みのわかりやすさ、それに対する回答者のこれまた『親密な書き方』という相互の近い関係というものは、独特のものがある。『朝日新聞』などもこれを真似ようとしているようだが、そう簡単に『新聞のにおい・雰囲気』というものは、変えられるものではない。

 

このような『読者の信頼感』を『読売新聞』が裏切るようなことはあってはならず、仮にそうした行為に居直るとすれば、『読売新聞の転落』は、驚くべきスピードで進行していくことになるだろう。

(『普通の人々』の落胆、失望をなめてはいけない。『読売新聞』が、『第二の朝日新聞』=驚くべき、屈服と主張の全面変更を含めて、彼らは読者を裏切った。もちろん、『慰安婦問題』に関してウソの常習犯のように見える吉田清治という人物の証言を、そのまま放置し続けたのは、『怠慢』以外の何物でもないが…=にならないという保証は、どこにもない。)