名古屋市内に住んでいる孫娘二人が、中三と高三でまさに受験のさなかだ。

 

昨夜、カミさんが下の孫娘相手に、リモートで英語を教える日だった。

だが、孫娘は『緊張感がピークに近い』ようで、英語の勉強はもうしたくないけど、試験を迎える心構えみたいなことを話すだけなら、『お相手をしてもいい』という返事が来たようだった。

 

そこで、カミさんも困ってしまって、『あなたも、一緒にお相手しなさい』というようなことを突然、言い出した。

 

PCの画面ごしに見えてくるのは、中三の孫娘だ。

この授業を、しばしば、傍らできいていたり、時々、画面の様子を横からのぞいたりもしていたが、私自身が、『登場すること』は滅多にない。

 

なぜなら、何をどうしゃべって良いのか、全く自信がないからだ。

このブログに、神奈川県の公立高校の本試験問題などについて、思いつくまま書いたりしているが、そんなこと(神奈川で何が出題されたか)などいきなり、話したりしてもぴんと来ないだろうし、かえって、『難しい』という恐怖感を与えてしまってもまずいだろう。

 

そこで、カミさんと二人でZoomの画面の前で、即興で漫才みたいなことをやった。

要は、『入学試験だけが、人生を決めるものではない』『入学試験の成績など、大した意味はない』『既に私立高校で試験に合格しているところもあるので、そこに入るのも真剣に考えても良い』『入学試験の成績がよくとも、社会人となったら、評判が悪く、嫌な人間、ダメな人間などと思われる奴はいくらでもいる』とか、『試験問題など、作る側の都合で作っているので、良くない問題などいくらでもある』等々、力説した。

 

だが、どこまで彼女の心に響いたのかはわからない。

何となく、不安そうな表情を浮かべている彼女の顔を始めて見たような気がした。

 

いろいろ聞いてみると、現実的な問題もあるようだった。

実は、彼女の今の住居では、彼女と(高三で、まさに大学受験中の)上の孫娘が、同じ部屋で二段ベッドの上と下で寝ている。

 

上のほうは、国立大学への入学を狙っていて、その合格発表日と彼女が受験する県立高校の合格発表日がまさに同一の日らしい。

(発表時刻は、若干ずれている。)

 

今は、ネットでの発表が主流である。

合格発表のサイトにアクセスした途端に(発表の時刻を過ぎると)『合格おめでとう』か『残念でした』みたいな文言のどちらかが表示されるらしい。

 

そこで、彼女がいうには、『姉ちゃんが、すごい圧をかけてきている』のだという。

 

『自分だけ受かっていても』(というのは、高校の方は、『第一志望、第二志望』の指定が出来る仕組みなので、彼女が言うには、『第二志望のほうは、多分、受かっているはず』なのだという。もっとも、まだ試験そのものを受けていないので、どうなるかは全くわからない)『その日、一人で喜ぶなよ』『一生、うらむぞ』『わかっているな…』みたいな圧をかけて来ているそうである。

 

もちろん、中三や高三の娘たちがいうことなので、あまり真剣に気にすることはないのかもしれない。

しかし、彼女らにとっては、『今が戦い』であって、『世の中を、もっと広く見ろ』などと言ってみても、ピンとこないのは当然だろう。

 

特に上の孫娘が、結構、生真面目なタイプなので、親(母親は、何年の前に亡くなっているので父親だけである)の期待に応えようとして、懸命になっているのはわかる。

 

それで何とか、(妹のほうだけでも話をして)彼女らの熱の『トーンダウン』を試みたのだが、果たしてうまくいったのかどうか…。

カミさんはカミさんで、『あなたが、<出来ない奴が無理して入っても仕方がない>などと傷つけるようなことを無神経に言おうとするから、あわてて止めた』などと、後で言っていた。

 

まあ、彼女らは、今後も人生で『ストレス』を感じるような場面はたくさん経験することだろう。

その一つ一つを経験しながら、次第に、ふてぶてしく(たくましく)なっていくのだろうけど…。