本日(25日)は久しぶりに、カミさんと一緒に映画を見に出掛けた。


わざわざ、『南町田グランベリーパークス』まで出掛けたのだが、それはもともと見ようと思っていた(自宅から一番近い)『109シネマズ二子玉川』での本日、10時台の初回の上映回のチケットが全部売り切れ(?)ていたため。

映画のオンライン販売のチケットは、ほとんど(全部といっても良いかもしれない)は『一度、購入したチケット』は、電車遅延その他、いかなる理由があったとしても、『払い戻し』をしないという契約条件になっている。
(もちろん、映画館の側の設備不良などで上映ができなかった場合は、『払い戻し』とかするのであろうが…。)

そのため、私は、原則として、当日、『電車などが通常通り運航しているかどうか』を確認してから、購入することにしている。

ところが、今回の場合、昨夜の段階で『チケット売り切れ』になっていた。
私は、まさかと思ったのだが、それは次のような理由によるものらしかった。

 




そもそもこの映画『パーフェクトデイズ』は、主演の役所広司さんが、(5月に開催された)カンヌ国際映画祭で、男優賞を獲得したことで話題になっていた。
 

この映画、なかなか公開されず、先週の12月22日から、ようやく劇場での公開が始まったのだが、上映する映画館の数が、全国で45館程度、東京でも24館程度と意外と少ないという印象である。

私の住んでいる横浜市青葉区の近辺を見ても、『二子玉川』、『南町田』くらいしかなく、本当に上映館が少ない。
おまけに、『二子玉川』では、小さなスクリーンで一日、三回くらいしか上映をしないという。

おそらく、(映画の中身から判断して)『人気が出ないだろう』と上映側が踏んで、映画館(器)のほうを少なめにしたのだろう。
(最近のシネマコンプレックス・ブームというか、映画館というとシネコンばかりと言っても良さそうな状況では、いくら『新規公開』の映画といっても、2週間くらいで『人気が出ない』と見込まれるや、早々と上映打ち切りを決めるようなケースが多いようだ。)

ところが、今回の場合は、あまりにも『器の容量』を絞り込み過ぎて、『シニア層の映画愛好家』で、『役所広司』とか『映画祭で受賞作品』といったキーワードに反応するような層がどっと(とまでもいかないが)、映画館に繰り出し、あまりにも『指定席の数量』が小さすぎたために、(一時的に)ミスマッチングを起こしたようだった。

そこで、私は、『二子玉川』がダメならということで、(自宅からの方向でいうと逆方向にあたる)『南町田グランベリーパーク』の『109系列』の映画館を予約しここが

 

『南町田グランベリーパーク』というのは、もともと似たような名称の『グランベリーモール』というアウトレットモールを売りにした商業モールがあったが、そこの経営主体、運営主体が変わったのか、再度、より広さも拡大し、映画館やショップの組み合わせなども変更して、新たなコンセプトで『リニューアルオープン』したというのが、

2019年11月のことであったらしい。

 

ところが、ここもコロナによって、さんざんな目に遭っていたが、ようやくコロナも収まってきて(実態は、どうなのかよくわからない部分もあるが)街に繰り出す家族客なども増えて来て、ここもにぎわい始めているようだった。


これが、映画館の写真。
普通のシネコンと特に変化はないが、特徴は、IMAXとかいって、大型スクリーンで音響設備などに配慮し、3Dの映画も上映するし、何となく映画館全体がゲームをやるゲーマーたち(というのか)志向になっていて、圧倒的な音量とか迫力、そういったもので観客にアピールしようというコンセプトのようだった。
(そのため、映画館の入場料自体、100円かそこら、通常の入場料より高くなっているみたいだ。)

そうした細かなことについてはカミさんと相談しないで、今日のチケットを購入した。いちおう、スクリーンと座席位置の関係をカミさんにも説明して、チケットを買ったつもりだったが、時間になってスクリーンに入場できるようになった途端に、『画面が席から近すぎる。見えにくい』などと文句を言っていた。


何しろ、何年間は中国とか、台湾とかに住んでいて、そこでも映画館に入った経験があるだけに、カミさんは『(指定席かもしれないけど)他に空いている席があったら、移ってもいいんでしょ』などと(中国、台湾風の)感想をもらしていた。

しかし、その後、このスクリーンも、結局72人程度?しか収容能力がなかったために、席はどっと埋まっていった。
しかも、私が見た限り、シニア層の観客が圧倒的に多いという印象だった。

この映画は上映時間が、2時間3分になっている。
いろんな映画の予告編をさんざん見せられた挙句、本編の上映が始まり、その2時間3分後に観客たちは、ぞろぞろとスクリーンから出てきた。

総じて、観客たちは沈黙を守っていたように感じた。
あきらかに、『感動した』とか『期待通りだった』『期待以上だった』というような雰囲気をまとった人たちの数は少なく、『むっとしている人』『沈黙を守る人』など、『期待外れ』というような雰囲気に包まれた人たちのほうが多かったように思う。

映画を見終わった後に、ネットで、この映画に関するニュースなどを改めて見ると、いまさらのように、『顧客を選択する映画』などと評しているものが多いようだ。
つまり、(ほとんど)誰でも楽しめるような映画ではなく、『誰が、この映画を見てよかったと思うか?』というと、映画の方で、『観客を選んでしまうような映画』だということらしい。

分かりやすく言うと、単に、『映画祭で、日本人が賞を獲った』ということだけで、見てしまうと、『がっかりしてしまう人』のほうが多い映画ということらしい。

まあ、こういう映画だからこそ、『シネコン』サイドでは、上映スクリーン数とか、上映回数、収容可能観客数などを最初から絞り込むような上映の仕方をしていたのだろう。

次回は、なるべく『ネタバレ』にならないように配慮しながら、なぜ、この映画が観客にとって、『期待外れ』の映画になってしまったのか、その辺について私が感じたことを書いてみよう。
(つづく)