先月(8月)の22日に投開票が行われた横浜市長選。
 


23日の新聞各紙が報じていたように、立憲民主党が推薦し、社民党や共産党も支援した山中竹春氏(48歳、無所属、元横浜市立大学教授)が勝利した。
 


それも、単に勝利したというより、2位の小此木八郎氏の32万票に対して18万票の大差をつけて50万6392票を獲得した。
もちろん、2位の小此木氏(元国家公安委員長、衆議院議員)と3位の林文子氏(前市長)の票を合計すると(32万5000余+19万6000余で)52万票を超え、逆転されていたであろう。
 

つまり、これまで『鉄壁』であった自公合同の陣営が『分裂』した結果、『漁夫の利』を得たことは明らかだったが、それでも、候補者8人が立候補し、(誰も、有効投票の『25%以上』を獲得できず)『再選挙になる可能性』が投票日の直前まで指摘していたにも関わらず、このような結果になったことは、選挙戦としては『鮮やかな勝ち方』といって良いだろう。
 

実際、私自身も、山中候補に投票していた。


現在、横浜市議会の9月の定例会が開かれている。
特に、10日と16日はそれぞれ本会議が開会されて、山中市長が所信表明演説を行なったり、一般質問への答弁を行う予定になっていた。




 

これらは、10日や16日の市議会の模様を伝える、それぞれ『読売新聞』と『神奈川新聞』の記事である。

実を言うと、私は、この10日あるいは16日あたりの市議会本会議を傍聴してみようかと思っていた。
 


というのは、市議会は、現在(定数86人)のところ、『自由民主党・無所属の会』36人、『立憲・国民フォーラム』20人、公明党16人、日本共産党9人(その他、無所属、さらに欠員あり)といった構成になっているようである。
(最近、病気で亡くなった人もいて、現在の議員の数は、上に掲示した画像の数字とは、多少、異なっているはずだ。)
 

つまり、単純に考えても、自民と公明の議員数は55名もいて、これらは『野党』としての立場にある。
(他方、『立憲・国民フォーラム』というのも、国民民主党系も含むし、その他必ずしもまとまっていなくて、自公以上に『お手並み拝見』というムードの議員もいそうだ。)



こうした状況では、自民党や公明党の議員からも、『ただちに不信任決議』といったことにならないように対応しなければ、たちまち山中市政は行き詰まってしまう。
(もちろん、逆に山中市長に強烈な『勢い』があれば、市議会を解散するという選択もありえないこともないのだろうが…、普通に考えると、次の2023年に予定されている市議選で、『与党』となりうる市議を増加・拡大すると言うことを模索することになるだろう。

また、現在の市長権限が地方自治法において、どのようになっているのか、私にはよくわからない点も多い。)

ところが、横浜ではさらに、『不協和音』というか山中市長に対する『不穏な雰囲気』というか、雑誌メディアや、ネットにおける『批判』が高まっているようだ。


それらは、主に、(一度は、今回の市長選にも立候補した)弁護士の郷原信郎氏とか、あるいは(市長選の候補者の一人で、林前市長の19万6926票に次ぐ、19万4713票を獲得して4位となった)田中康夫氏(元長野県知事、元国会議員)の陣営の周辺から聞こえてくるものであった。

 

その一例を挙げてみると
 


 

郷原信郎氏の場合は、(週刊誌報道にも乗りながら)山中氏の『パワハラ疑惑』あるいは、『横浜市大に対する不当な圧力疑惑』、さらには『経歴詐称疑惑』など多彩な攻撃を加えて、『市長として不適格』を訴えるものとなっている。

 

また、田中陣営の周辺からは、こうした郷原氏の『攻撃?』にも乗っかりながら、山中氏の『公約違反?』疑惑を指摘し、『横浜市長選の再選挙』を訴えるものまである。

(これらは、そのような『疑惑』が存在するといって訴えているだけであり、それの信憑性が誰かによって、保証されているわけではない。

私も、このように騒がしくなっているという意味で、紹介しているだけだ。)

私自身は、こうした『疑惑』の全部をそのまま受け入れる(あるいは『正しい』と判断する)気はない。

しかもなかにははっきり、『(批判する方が)むしろ、おかしい』と思えるような『批判の仕方(内容)』も含まれている。

(それは、出来る範囲で、今後、指摘するつもりだ。)

 


ただし、山中氏が選挙戦を鮮やかに『勝ち過ぎた』背景には、選挙民からのある種の『過剰な期待』が発生していた可能性もあった。
(それが、『違法』とされるようなレベルのものであったのかどうか、私は懐疑的である。)

そうしたことを、自分自身で実際に確認するためには、『市議会を傍聴する』というのも一つの選択肢ではあろうと思った。
 

しかし、(正直言って)山中氏の『(答弁)能力』に対する不安もあったし、(それに『コロナ感染の不安』が継続していることもあり)同じ横浜市内に住んでいるとはいえ、かなり遠く(北東の端)に住んでいて、横浜市議会のある庁舎まではかなり遠いということもあって、『市議会傍聴』はいわば『日和って』しまい、(10日にせよ、16日にせよ)行くのを断念した。
(つづく)