去る(9月)13日、久しぶりに遠出をして、上野の科学博物館まで足を延ばした。
まだまだ、新型コロナ感染症の感染が下火になっていないが、8月までにワクチンの2回接種も終えていることから、横浜市北部の我が家から、上野までという『都道府県超え』も行ってしまった。


というのは、上野の科学博物館の一角で、『特別展・植物 ~地球を支える仲間たち』というものが、7月10日~9月20日までの会期で開かれていたため。

前からこのブログでも紹介しているように、『ベランダ園芸』と称して団地のベランダでプランターを使って、野菜や花などを育てている。
また、中国(北京、上海周辺)その後台湾でしばらく住んでいたこともあって、その土地土地の植物の生態の違いに強い印象を受けていた。

それで、この『特別展』もそういった私の興味に合致したものではないかと思って、前々から『前売りのチケット』を購入して、ようやくこの日に出掛けることができた。
(それでも、カミさんがいろいろうるさいので、『行き先』ははっきり告げないまま、この朝、出掛けた。)

『チケット』は日時指定のために、この日の『午後2時~2時半』に入場という条件のものを持っていた(なお、日時変更は、たしか3回目まで可能である。私は、2回変更していた)。
ただし、『遅刻』を恐れて出かけた(『遅刻』すると、チケットが無効になるというようなことが書かれていた)ために、12時半くらいにメトロの『上野』駅に到着してしまった。
(この駅のそばで、うどんを食べようとしたら、妙なハンガーガーチェーンの運営している『フードコートらしき場所』に迷い込んでしまい、そこで、『肉うどん』を注文したら、かなり『コストパフォーマンス』の悪い品が出てきた。
やはり、うどんとかそばで有名な店で食べるべきだったと反省。)


メトロの『上野駅』から博物館がたくさんある方向に向かって歩いてゆくと、こんなところに行き着いた。
ここは、本来、『西洋美術館』がある場所だが、現在、『改築中』で立ち入り禁止になっていた。

その裏に『科学博物館』があるはずなのだが、この道を右方向から行こうとしたら、失敗した。
本来は、左に行けば、ずっと容易くたどり着けたことができたはずだった。


遠回りだとわかりつつ、ぐるぐる西洋美術館、科学博物館の周りをまわって、ようやくこの科学博物館の正面にたどりついた。
(左手に見えているのは、クジラの模型のようだった。)


この地下で、『特別展・植物』の展示をやっているようだった。
(このほか、幾つもの展示を、この科学博物館のなかでやっているらしい。)


『特別展・植物』の指定入場時間まで余裕があったので、付近に建てられていた野口英世像などを見ながら、時間をつぶした。
(野口英世という人も、『感染症と闘ったヒーローの一人』とされているが、いろいろ借金を抱えていたり、人間臭いところのあった人だという話も聞いている。
何だか、半分、詐欺師呼ばわりされていたようなところもあったらしい。
もっとも、うろ覚えの話だから、あまり正確なものではない。)


さて、この展示の内容であるが、実は、『カメラで撮影OK』の展示であった。
(ただし、一部のものの撮影、また動画の撮影は禁止。)

台湾の博物館では、『撮影OK』のところがほとんどだった(ただし、一部、『不可』の展示もある)のだが、日本も次第にそういう方向に向かっているようだ。
(ただし、私のほうは、『撮影OK』だということを余り認識していなかったので、デジカメのバッテリーが暫く使っているうちに、『残量ゼロ』になってしまい、使えなくなってしまった。)



これは、あらかじめ購入していた、この展示の『公式ガイドブック』の一節。
『植物は動けない』ではなく、『動く必要がない』のだなどと、面白いことが書いてある。


一般的に、『植物が動けない』などというと、何やら、動物よりも『劣った生物』という印象を受けるが、実際は、植物は(通常は、短い範囲の時間内では)動けないにしても、一定の時間を与えると、生長の向きが変わったり、(ある意味では)動いていることが知られている。

さらに、『光合成をおこなう』など、(生きるために必要な)基礎的な物質の生成はまず植物が行なっていて、それを摂取して『動物性たんぱく質』が生成するなど、『動く必要がない』植物が、土台となる仕事を果たして、そのうえで『動かざるを得ない』動物たちが、生命を維持してきたことが知られている。

そんな話が、この『公式ガイドブック』にも書かれていたので、この『特別展』に出掛けた。
ただし、一つだけ、『意外だったこと』あるいは『予想に反したこと』があった。


というのは、この『公式ガイドブック』には、一種の『愚痴』のような発言として、<植物の展示は、あまり顧客吸引力がない><例えば『恐竜展』などを博物館でやると、どっと観客が繰り出す。しかし、植物展の場合は、『閑古鳥がないている』ことがほとんどだ。>
と書かれていた。

それで、それを真に受けて、この展示を見に出かけたのだが、実際は、人が列をなしていた。

(やや、『騙された』という感じ?)


しかも、台湾で(この種の展示を見に行った時)は、かなり広い会場で、ゆったりと展示していたのだが、この展示は、会場が狭くて、展示物も余裕がなく、『密の状態』で置いてある。
(向こうでも、『植物展』を見たことがあったので、余計、その差が改めて印象に残った。)


こういった説明は、『公式ガイドブック』にも出ていたので、わざわざ読むまでもなく、ある程度頭に入っていた。
ただし、会場内の人々の様子を見ていると、『音声ガイド』(500円だったか払えば、利用することが出来る)を利用している人が多い。

それに、会場内の展示の説明は、さほど詳しいわけでもない。
(結構、細かい字で書いてあるので、正直言うと、老眼だと読みにくいことも多い。)


『〇〇すぎる植物たち』という展示がいくつかあった。
これは、『最大の花の集まり』だというショクダイオオコンニャクという『サトイモ科』の植物。
世界最大の花(正確には分岐しない花序としては世界最大)を付けるというもの。
『ショクダイ』オオコンニャクと呼ばれているように、『燭台』の形をしている。

この植物は、生ごみのような、あるいは、腐った肉のようなにおいを発する。そのにおいによって、虫がおびき寄せられて、気が付いたら、全身花粉だらけになって花粉運ぶのだという。
(この花のにおいは、この展示の別の場所で、嗅ぐことが出来るようになっていた。)

 

こちらは、単独の花としては最大の、スマトラ島に分布する、ラフレシアという植物。






このような食虫植物も展示されていた。
食虫植物というのは、例外的に『動くことの出来る植物』『基礎的な栄養を自らが作るのではなく、外部から取り込む植物』でもある。
(ただし、この植物が動く時は、膨大なエネルギーを要するようである。)
(つづく)