16日の本ブログの記事として、次のようなことを書いた。
<【安倍首相の『逃げ恥』作戦?】国会審議から逃亡 西村大臣が弾よけ 吠える児玉龍彦氏>

https://ameblo.jp/japanreal/entry-12611411521.html

 

 
この内容に対して、『(こういうことがあったことを)知らない』とか、あるいは『(こういうことを書くのは)風説の流布ではないか?』といったコメントまで(何人かのかたから)頂いたので、(そのうち、厳しいことを書いている人に対しては)随分な言いようだなと、少し呆れていた。
 
ところが、その後、どういう事態なのかが少しわかってきた。
そもそも、16日の参議院予算委員会の『閉会中審査』についてのニュースがまともに報道されていないのである。
 

 
これは問題?の参院予算委員会での、児玉龍彦氏(東大先端科学技術センター がん・代謝プロジェクトリーダー)が証言している様子。
この人は、3人の参考人の1人(野党推薦だったようだ)として、何度も答弁にたった。
(野党側だけでなく、与党の議員で質問する議員もいたように記憶する。)
 

 
16日の『毎日新聞』のテレビ欄である。
この内容は、NHK側が出稿したもの。
(『閉会中審査』は、NHKとしてはなるべく放送したくないものだろうが、コロナに関する集中審議であったので、実際に答弁に立った大臣は、西村経済再生担当大臣だけだったが、NHKとしてはフルに中継をしていた。)
 

 
これは、18日の『毎日新聞』の社説である。
書いてあることは、新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されているこの時期に、なぜ安倍首相自身が『閉会中審査』に出てこないのかという、(ある意味では)極めてまともなものである。
 
ところが、非常に残念なことに、これは(毎日新聞としては)『言行不一致』である。

なぜなら、毎日新聞自身が、この『閉会中審査』、特に衆参両院の予算委員会で何が議論されていたかをさっぱり記事にしていないからである。
(もちろん、『閉会中審査』は予算委員会のみならず、他の委員会でも行われている。)
 

 
例えばこれは17日付の『毎日新聞』1面の記事である。
このような政府の動向をまとめた記事の一部に、<分科会の尾身茂会長も16日の参院予算委員会で、「感染拡大がある程度判断されれば、今の段階で全国的なキャンペーンをやるべき時期ではない」と指摘した。>と断片的に、参議院予算委員会での出来事が、(アリバイ的に?)書かれていたりはする。
 
しかし、それ以上に、積極的に参院予算委員会で何が論議されたのか、また、3人の参考人の一人として上記、児玉龍彦氏がどのようなことを発言したかは、全くと言って良いほど報道されていない。
これは一体、どういうことなのだろうか?
 
 
しかも、大変、興味深いことに、予算委員会での論議を記事にしない、あるいは児玉龍彦氏の証言を記事化しないというのは、(私が定期的に読んでいる)『朝日』『毎日』『産経』『日経』を通じて共通しているのである。
(あるいは、というかおそらく『東京新聞』などでは記事化しているかもしれない。)
 
これが、『安倍政権支持』を基本的なスタンスとしている、『産経』や『日経』などだけの現象ならまだしも理解できる。
ところが、『朝日』も『毎日』もとなると、<どういうことなのか?><読者を裏切っているのか?>という疑念を抱かざるを得ない。
 


 
ちなみに、これらは、『テレ朝news』や『ABEMA TIMES』などで報ぜられたニュースである。
(前者で画面が黒くなってしまっているのは、私が台湾、すなわち日本国外からアクセスしているため、映像を受信できなかったためである。)
 
このように、全く『情報が遮断されている』というわけではない。
ところが、新聞などの記事として掲載されていない。
 
なお、児玉氏は次のような発言をしていた。

<『これまでの対策の取り方は、間違っている。』
『コロナウイルスは、第1波の武漢型、第2波の欧米(イタリア・アメリカ)型からいわば第3波の東京型・埼玉型とウイルスのタイプが変遷している。』
『今問題なのは、クラスターではなく、エピ・センター(震源地、感染源)である。東京のエピ・センター化が進行している。』
『全国一律のガイドラインは間違っている。全国一律のステイ・ホームも間違い。』
『官公庁による縦割の対策でなく、民間の知識、精密医療の知見なども活用して、戦略的なエピ・センター対策を進めるべき。』
『そうでないと、来月には、大変なことになる。』
 
たしかに、児玉氏の発言には、やや『理想が先走り過ぎている?』ような危険を感じないではない。>
 
これは前回の記事(16日)に私が書いた文言を繰り返している。
 
私は、何も児玉氏の言っていることが『全部正しい』とか『これだけが正しい見方だ』とは思わない。
(というか、そのように判断するだけの根拠を持ち合わせていない。)
 
 
しかし、分科会会長の尾身氏の見解とは、180度異なるように見えてしまう。
だから、児玉氏の見解を少なくとも報道するところから始めないと、議論は進まないだろう。
(それに、どうやら児玉氏は、政府の分科会のメンバーには呼ばれていないようだ。つまり、政府の認める『専門家』のうちには入らないらしい。)
 

興味深いことに、18日の新聞各紙は、このような記事をたくさん載せていた。
これは、『毎日新聞』からの紹介だが、来年7月23日から17日間の日程で開催するという(現時点で、1年延期となっている)『東京オリンピック・パラリンピック』の日程・会場を改めて、(毎日新聞の場合)3ページも費やして報道しているのである。
 
これは、『毎日新聞』などの新聞各紙が、オフィシャルスポンサーというのか何というのか、正式名称は知らないが、オリンピック・パラリンピックの『主催元の側』に位置しているので、仕方のないことかもしれない。
 
 
しかし、これなどは、割り切って言うと『会社の都合』あるいは『新聞・メディア業界の都合』に過ぎない。

仮に、このような『横並びの業界や団体の利害』に合わせて、(オリンピックと密接な関係のある)コロナウイルス対策の政策論議耶蘇の報道が歪められたりすることがあるとすれば、それは『重大な裏切り』であると言わねばならない。
 
 
新聞社は『報道』こそが『本業』であるはずだ。
『大きな運動会の宣伝役』というのは、いわば『副業』に過ぎない。
 
『副業』のために『本業』をおろそかにすれば、『ローマ帝国』ではないが『メディアの滅亡』もその分、促進されることになるだろう。
『新聞社とかテレビ局』というのは、何も、何千年も続く稼業ではない(ように見える)。
せいぜいが、ここ100年かそこらの商売であろう。
 
それが、目先の利益にとらわれてしまえば、当然『経営としても失敗』をし、滅亡をせざるを得なくなってしまう。
そんなことも、現在の経営陣には、わからなくなっているのか?
 
そのうち、日本に関するニュースは外資系の通信社や新聞社、テレビ局の報道を通じて入手するということになってしまうのかもしれない。