この記事の続きである。

https://ameblo.jp/japanreal/entry-12590432216.html

 

 
昨夜(17日)、午後6時から開始された『記者会見』まがいのものの、冒頭19分ほど、安倍首相は演説をした。
 

 
このなかで、一つのハイライト部分だったのは、この場面だろう。
安倍首相は、
<あと20日間、日本全体が一丸となって、このウイルスとの戦いを戦いぬいていく。全国の都道府県と手を携えて、皆さんの健康と命を守るため、あらゆる手段を尽くしていきたいと考えています><長期戦も予想される中で、ウイルスとの戦いを乗りくるためには、何よりも、国民の皆さまとの一体感が必要です。>
と述べた。
(今回の引用は、『産経新聞』がニュースで報じた、記者会見の速報をもとにしている。)
 
<その思いで、全国全ての国民の皆さまを対象に、一律に一人当たり10万円の給付を行うことを決断いたしました。>
 
 
ここでは、安倍首相自身が、『国民の皆さまとの一体感』が欠如し始めていることを認めている。
それに対して、『給付を…決断いたしました』というのだが、決して安倍首相自身のふところが痛むわけではない。
別に、彼の『個人財産』をみんなに分け与えようというのではない。もちろん、税金からだ。だが、何となく、安倍首相がプレゼントしてくれそうな雰囲気も漂う。
 

 
問題は、その直後である。
 
<収入が著しく減少し、厳しい状況にあるご家庭に限って、1世帯あたり30万円を給付する措置を予定しておりましたが、国民の皆さまから寄せられたさまざまな声、与野党の皆さまの声も踏まえまして、さらに給付対象を拡大することといたしました。>
このように語っているのだから、この『10万円』というのは、無条件で『国民の皆さま』あての支給・交付するのだろうと思う。
 
あの必要もない人も、大勢いるはずの、『布マスク2枚』のように。
(ちなみに、麻生大臣などは、しょっちゅう、鼻を露出させるような形で、間違ったマスクの着用の仕方をしている。)
 
そして、<ここに至ったプロセスにおいて、混乱を招いてしまったことについては、私自身の責任であり、国民の皆さまに心からおわびを申し上げたいと思います。>
と述べる。
 
 
ただし、次のような言葉が続く。
<日々事態が大きく推移する中で(『自分で、事態をごちゃごちゃひっくり返しているのだろうか』と茶々を入れたくなるが)、国民の皆さんの健康とくらしを何よりも最優先に、そして国民の皆さんの声にしっかりと耳を傾けながら、常にベストな判断をするように最善を尽くしていく。>
<その責任をこれからも果たしていく決意であります。>
 
つまり、ここでは、『総理はやめないぞ』と念を押しているわけである。
『おわび』と『居直り』、これがセットで話されるというのが、安倍首相の話し方の特徴なのだろう。
 

さらに、次のような言葉が飛び出す。
 
<リーマン・ショックのとき、全国民一律に配布した定額給付金の際には皆さんに案内をお送りする作業だけで3ケ月もの時間を要しました。
そのため今回はスピードを重視するとともに、申請する人が殺到して感染リスクが高まることを避ける観点から、手続きについては市町村の窓口ではなく、郵送やオンラインによることにしたいと考えています。>
 
ここは非常にわかりにくいところなのだが、要するに、『布マスク2枚』のように勝手に送りつけるのではなく、『郵送やオンライン』による『手続き』を行なうことが要件だと言いたいようである。
 
 
ここは非常に重要な部分である。
今の世の中では、非常に困っている人たちは、ネットはおろか、テレビも視聴できなかったりして、食事に困っている人たちもいるかもしれない。
そのような、『社会から孤立した』人たちは、この『一人当たり10万円』をもらいそこなう可能性もあるのだが、そこはどうするつもりなのだろうか?
 

 
このあとも、安倍首相はいろいろしゃべっているが、ともかく、この人は重要な部分を早口で言って、『誤魔化す?』という悪い癖がある。
それに『最も重要なことを、重点的に述べる』とか、『優先順位をつける』といったことが苦手なタイプのようだ。
 
個人的に、人間にさまざまな欠点があるのは、むしろやむを得ないことであるが、安倍首相の場合は、茶坊主どもが何人もいて(しかも、ますます『劣化』した人物が、生き残っているようだ)、彼らが嬉々として、安倍首相のために『原稿』を書いてあげる。
(原稿を書くこと自体は、『スピーチライター』としての仕事なのだろうが、ともかく、その『出来栄え』が悪い。)
 
安倍首相の、19分あまりの演説の最後は、次のような、医療従事者たちをたたえる言葉で結ばれている。
 
<そして、現実に、必死で立ち向かっている現場の皆さんに、私たちは心からの敬意と感謝の気持ちを現すことができます。現在の厳しい状況に全力で立ち向かっている医療従事者のみなさんに全国各地から拍手を送り、またライトアップを行って、感謝の気持ちを示す取り組みが行われています。本当にありがとうございます。
 
でも、私たちにはもっとできることがあります。それは、目の前の現実に立ち向かうだけではなく、未来を変えることです。私たち全員がいま、不要不急の外出を避けることで、2週間後の新規の感染者数を劇的に減らすことができます。それは間違いなく、医療現場の負担を減らすことにつながります。
 
2週間後の医療現場の状況を決めるのはまさに今なんです。未来はわたしたちの今の行動にかかっています。医療現場を支えるため、その負担を減らしてください。皆さんの力で未来を変えてください。緊急事態に皆さんのご協力をお願いします。
 
私からは以上であります。>
 
ここまでは、安倍首相の演説としては、(比較的)出来の良いほうだと言えるだろう。
何より、『必死な感じ』が出ている。
 
だが、ほめる(?)のは、ここまでだ。
記者たちとの『質疑応答』の部分で、早速、『化けの皮がはがれる』というか、自分自身で、『化けの皮をはいでしまう』ような場面がいくつも、出てきた。